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転生したようなので好き放題やります。〜創造神とかいうチートを授かりました〜  作者: Rairo
第4章 ルミナス王国の確立

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第32話_新たな冒険者の常識

ルミナス大要塞、執務室。


外の喧騒が嘘のように、この部屋は静かだった。

机の上には地図と報告書、それから魔導板が整然と並べられている。


クロウは一枚の書類に目を落としたまま、淡々と言った。


「想定通りです」


「そっか」


アルトは椅子に深く腰掛け、軽く頷いた。


「冒険者の流入数は当初の予測範囲内。

 トラブルもほぼありません」


「冒険者たちの様子は?」


「満足度は高いです。

 平均収益は、従来の依頼と比べて約三倍」


アルトは思わず口笛を吹いた。


「それは……思ったより出てるね」


「ドロップは確率制ですが、希少な装備や高位魔導具が実際に出ています。

 一攫千金を狙える分、再挑戦率も高い」


魔導板に映る数値を見ながら、クロウは続ける。


「危険度と報酬の釣り合いが良い、

 管理が行き届いている、

 また挑みたい――

 冒険者からの評価は概ね好意的です」


「よかった」


アルトは、ほっとしたように息を吐いた。


「正直さ……」


机に肘をつき、少し照れたように言う。


「ダンジョンを特産物にするって最初に聞いた時は、びっくりしたんだよね」


クロウが一瞬、視線を上げる。


「確実に客足を増やすことに繋がるとは思ったけど、

 ここまで綺麗に回るとは」


「私の案を承諾いただき、ありがとうございます」


クロウは静かに頭を下げた。


「アルト様の創造スキルがあってこそ成立した計画です」


――一夜。


アルトは思い出す。


クロウの提案を聞き、構造を詰め、

その場で頷いて、

その夜のうちに“形”にした。


世界最大級のダンジョン。

森、雪山、火山、湖。

階層ごとに異なる環境と魔物、そしてボス。


「一晩で作るものじゃないよね、普通」


アルトは苦笑した。


「普通なら、ですね」


クロウは否定しなかった。


「なお、黒い霧についてですが」


話題が切り替わる。


「倒された魔物が霧となって消える現象は、

 意図的なものです」


「素材が残らない理由、だね」


「はい。ただし――」


クロウは少しだけ言葉を選んだ。


「魔物は消滅していません」


アルトは、当然のように頷く。


「転移、だよね」


「はい。

 一定時間を空け、ダンジョン内の別の階層へ再配置しています」


魔物は循環する。

狩られて終わりではない。


「……魔物も、ただの道具じゃないからね」


アルトは、ぽつりと言った。


「衣食住もあるし、休みもある。

 無限に戦わされるわけじゃない」


クロウは静かに微笑む。


「親切設計だと、現場からも評価されています」


「評価されてもなぁ……」


アルトは頭を掻いた。


「でもさ」


少し真面目な声になる。


「冒険者にも、食い扶持が必要なんだ」


魔物を街道から排除した。

危険を消した。

それ自体は正しい。


だが――


「俺がやったことで、

 こちらに悪意のない人たちまで困るのは、好きじゃない」


冒険者は、戦うことで生きている。

危険がなければ、仕事がない。


「だから“場所”を用意した」


奪ったのではない。

移しただけだ。


「合わない人は来ないし、

 合う人だけが残る」


クロウは頷いた。


「結果として、街の治安も安定しています。

 酒場や宿の稼働率も上昇中です」


「国としては、文句なしだね」


アルトは椅子に背を預ける。


「……ただ」


クロウが、静かに切り出した。


「商会が、動いています」


「だろうね」


即答だった。


「儲かってる場所を、

 放っておけない連中もいるものさ」


アルトは笑う。


「さて。

 次はどんな“交渉”になるかな」


軽い口調。

だが、逃げる気はない。


ルミナス王国は、

偶然ではなく、設計された国だ。


そしてその設計図は――

まだ、書き終わっていない。

※ここまで読んでくださってありがとうございます。

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