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転生したようなので好き放題やります。〜創造神とかいうチートを授かりました〜  作者: Rairo
第4章 ルミナス王国の確立

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第28話_王の器?なにそれ美味しいの?

玉座の間を包んでいた張り詰めた空気は、いつの間にか和らいでいた。


それは誰かが命じたわけでも、威圧したわけでもない。

ただ、そこにいる少年――アルトの存在そのものが、場を安定させている。


(……不思議な感覚ですね)


セレフィアは、静かに息を整えながらそう思った。


王の間。

本来なら、緊張と警戒が支配する場所だ。

それが今は、まるで応接室のように落ち着いている。


「お茶でも出そうか?」


唐突に、アルトがそんなことを言った。


「……は?」


思わず、護衛の一人が声を漏らす。


「長旅だったでしょ。喉、乾いてない?」


「い、いえ……」


戸惑う護衛たちをよそに、セレフィアは小さく笑った。


「お気遣い、ありがとうございます」


「じゃあ後で用意させるよ。今は大事な話の続きだ」


あくまで自然体。

王としての威厳を“纏っている”のではなく、

“必要ないから着ていない”――そんな印象を受ける。


(……この方は)


セレフィアは、視線をそっと玉座の奥へ巡らせた。


無言で控える配下たち。

その立ち姿に、緊張はない。

だが、隙もない。


(信頼されているのですね)


それも、盲目的な忠誠ではない。

役割を与え、任せ、干渉しすぎない。

その距離感が、はっきりと見て取れる。


「失礼ですが」


セレフィアは、少しだけ声の調子を変えた。


「アルト王は……怖くはないのですか?」


「なにが?」


「国を持つことが、です」


問いかけは、王同士だからこそ許されるものだった。


恐怖。

裏切り。

責任。

選択の重さ。


それらすべてを背負う覚悟がなければ、

王は務まらない。


アルトは一瞬だけ考え、それから肩をすくめた。


「怖いこともあるよ」


「でも、それ以上に――」


玉座の外、街の方向へと視線を向ける。


「守りたいものが、ちゃんと見えてるから」


その言葉に、セレフィアの胸が静かに震えた。


(ああ……)


恐怖を否定しない。

理想で塗り固めない。

ただ、自分の立ち位置を理解している。


「国境については?」


セレフィアは、あえて実務的な話題を振る。


「今後、ルミナスが勢力を広げるお考えは?」


護衛たちが、わずかに身構えた。


アルトは、あっさりと首を横に振る。


「ないね」


「……即答ですね」


「広げると、管理が面倒になる」


悪びれもせず、そう言い切る。


「それに、他国を踏み潰してまで欲しい土地もないし」


(力があるからこそ、選ばない)


その事実が、何よりも重い。


多くの王は、力を得た瞬間に“使い道”を探す。

だがこの少年は違う。


「助けを求められたら?」


「状況次第」


即答。


「助ける義務はない。でも、助けたいと思ったら助ける」


「……ずいぶん、正直ですね」


「王だからって、全部平等にする必要はないでしょ」


その言葉に、セレフィアは目を細めた。


(選ぶ責任を、理解している)


それは、王として最も重い資質だ。


ふと、護衛の一人が内心で呟く。


(……この王に剣を向ける未来が、想像できない)


戦えば勝てるか。

そんな次元ではない。


(戦う必要が生まれた時点で、もう負けだ)


セレフィアも、同じ結論に辿り着いていた。


「アルト王」


彼女は、ゆっくりと立ち上がる。


「改めて申し上げます」


「ルミナス王国と、リュシュート王国は――」


「うん。友好関係、だよね」


アルトは、笑って頷いた。


条件も、誓約もない。

ただ、同じ目線で交わされた言葉。


(……この方は)


(世界を支配する王にはならない)


(だが、世界が壊れそうになった時――

必ず、そこに立つ)


セレフィアは、確信した。


この少年は、

“世界と戦わない王”であり、

“世界に必要な王”だと。


そしてアルトは、そんな視線に気づかぬまま、内心で思う。


(……話が通じる人で、本当に助かった)


静かな玉座の間で、

確かな信頼が、形を持って結ばれていく。


世界はまだ知らない。

だがこの出会いが、

後に「分岐点」と呼ばれることになるのを

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