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転生したようなので好き放題やります。〜創造神とかいうチートを授かりました〜  作者: Rairo
第4章 ルミナス王国の確立

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第27話_恐怖の門を抜けた先、王様....軽すぎませんか?

ルミナス大要塞、玉座の間。


重厚な石と黒曜の装飾に囲まれた空間は、確かに「王の間」と呼ぶに相応しい威厳を備えていた。

だが、不思議と息苦しさはない。


その理由を、セレフィアはすぐに理解することになる。


「――どうぞ、そのままで」


玉座の前。

そこに立っていたのは、一人の少年だった。


黒を基調とした衣装。

豪奢ではないが、無駄のない仕立て。

背は低く、年の頃は――どう見積もっても十歳に満たない。


「わざわざ跪く必要はないよ。今日は“話をしに来たお客さん”なんだから」


その言葉に、セレフィアの護衛たちが一瞬だけ息を詰める。


(……王?)


困惑は、無理もない。

彼らが想像していた「世界を震撼させた王」と、あまりにも違う。


だが、セレフィアは視線を逸らさなかった。


「では、失礼します」


彼女はあくまで自然に応じ、椅子へと腰を下ろす。

その際――


護衛全員が、帯刀したままであることに気づいた。


本来ならあり得ない。

玉座の間では、武器は預けるのが常識だ。


(試されている……?)


そう思った瞬間、少年――アルトが軽く首を傾げた。


「なにか気になる?」


「……正直に言えば、少し」


セレフィアは率直に答えた。


「帯刀を許されるとは思っていませんでした」


「ああ、それね」


アルトはあっさりと笑う。


「全然問題ないよ」


その言葉に、護衛の一人が反射的に身構えた。

だが、アルトは気にする様子もない。


「変な気を起こす人が仮にいたとしても――」


視線を、さりげなく玉座の間の端へ向ける。


そこには、静かに控えるクロウとヴァルカス。

そして、動かぬ三体のアンデット騎士。


「うちの配下が、確実に対処してくれるから」


淡々とした口調。

誇示も、挑発もない。


ただの事実として語られた言葉に、

護衛たちは背筋に冷たいものを走らせた。


(……この少年、全て理解して言っている)


セレフィアは、その反応を見て小さく息を吐いた。


「なるほど。

それは確かに、問題ありませんね」


アルトは少し驚いた顔をしてから、笑った。


「理解が早くて助かるよ。さすが賢王」


「その呼び方は、少し照れますね」


そう返しながらも、セレフィアの内心は穏やかではなかった。


(この余裕……)


恐怖を与える演出を否定しない。

だが、それに依存していない。


――強者だ。


「改めて名乗るよ」


アルトは玉座から半歩前に出る。


「ルミナス王国の王、アルト。

今日は来てくれてありがとう」


敬語は使わない。

だが、見下した様子もない。


対等に、向き合う姿勢。


「こちらこそ、歓迎いただきありがとうございます」


セレフィアも、微笑みを返す。


「私はリュシュート王国女王、セレフィアです。

……率直に一つ申しても?」


「もちろん」


「思っていたより、ずっとお若いのですね」


護衛たちが、思わず息を呑む。

だがアルトは、むしろ楽しそうに笑った。


「よく言われるよ。

初対面の人は、だいたい同じ反応する」


「失礼かとは思いましたが」


「いいって。事実だし」


軽い。

あまりにも軽い。


(……だが)


セレフィアは、先ほど街で見た光景を思い出す。


整えられた街並み。

活気ある住人。

怯えのない表情。


(これを作ったのが、この少年?)


「もう一つ、聞いても?」


「どうぞどうぞ」


「――この国を、どうしたいのですか」


直球だった。


恐怖で縛るのか。

理想で塗り固めるのか。

それとも、ただの力の誇示か。


アルトは、少し考えてから答えた。


「どうしたい、って言われると難しいな」


「難しい?」


「うん。

でも、“こうなってほしい”はある」


そう言って、玉座の間の外――街の方向を見る。


「ここに住む人たちが、

明日の心配をせずに眠れること」


「それだけ?」


「それだけ」


即答だった。


「それを壊そうとするなら、全力で止める。

やり合いたいのなら、拒まない」


「民を力で従わせる気はない、と?」


「ないね」


アルトは肩をすくめる。


「面倒だし」


護衛たちが、今度こそ言葉を失った。


(面倒……?)


だが、セレフィアは違った。


(違う)


(この王は、“力で従わせる必要がない”)


だからこそ、軽い。

だからこそ、余裕がある。


「配下を、とても信頼しているのですね」


「してるよ。

僕より優秀な人ばっかりだしね」


何の躊躇もない。


「みんながそれぞれの役割を果たしてる」


「僕は、最後に“いいね”って言う係」


それを聞いた瞬間。


セレフィアの中で、何かがはっきりと形を持った。


(……王の器だ)


すべてを抱え込まない。

だが、逃げてもいない。


信頼を手放さず、

責任だけを手元に残している。


「……羨ましいですね」


思わず、そう口にしていた。


「え?」


「その在り方が、です」


セレフィアは、まっすぐにアルトを見る。


「他国では、なかなか実現できません。

“自由と安寧”を、同時に成立させることは」


アルトは少し照れたように頬を掻いた。


「そう言ってもらえると、嬉しいな」


一拍、間を置いて。


「私は、ルミナス王国と友好関係を築きたいと思っております」


セレフィアは、はっきりと告げた。


「僕も、そのつもりだった」


即答だった。


条件も、脅しもない。

ただ、同じ目線での言葉。


その瞬間、セレフィアは確信する。


(この王は、世界と戦うつもりはない)


(世界と、並んで歩くつもりなのだ)


賢王セレフィア・リュシュートは、

この日、初めて“安心できる隣国”を見つけた。


そしてアルトは、内心で小さく思う。


(……話が通じる人でよかった)


こうして。


恐怖でも、契約でもない。

ただの会話から始まる友好関係が、確かに芽吹いた。


世界はまだ、この出会いの意味を知らない。


だが――

この二人が並び立つ未来が、静かに形を取り始めていた。

※ここまで読んでくださってありがとうございます。

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