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転生したようなので好き放題やります。〜創造神とかいうチートを授かりました〜  作者: Rairo
第3章 素性を隠して、冒険者やります

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第22話_噂は街を巡り、アルトは縛りプレイを選ぶ。

レインブルクの空気が、微妙に変わり始めていた。


冒険者ギルドの酒場。

昼間だというのに、いつもより人が多い。


「聞いたか? ローディア森林の話」

「また行方不明だとよ」

「もうFランクなんかが入れる場所じゃねえな」


囁き声が、あちこちで交錯している。


俺はカウンターの端に腰を下ろし、

水だけを頼んで耳を澄ませていた。


(思ったより早いな)


ゴブリンジェネラルの存在。

異常な統率。

森の奥にいる“何か”。


それらはすでに、噂として街に滲み始めている。


「アルト様」


声をかけてきたのは、あの受付嬢だった。

今日はカウンター業務ではなく、巡回らしい。


「少し、よろしいでしょうか」


「はい」


奥まった席へ移動すると、

彼女は小さく息を整えてから切り出した。


「ローディア森林の依頼ですが……

本日付で、Bランクへの引き上げが検討されています」


「……やっぱり」


「複数の冒険者から、

“指揮系統を持つゴブリン集団”の報告がありました」


彼女は、少し困ったように笑う。


「正直に申し上げますと……

このまま放置すれば、街への被害も現実的です」


(エンペラーが動けば、確実に来る)


俺は、静かに頷いた。


「再調査の依頼、僕が受けます」


「……単独ですか?」


「はい」


一瞬、躊躇したあと、

彼女はプロの顔で頷いた。


「承知しました。

ゴブリンジェネラルを倒したアルト様であれば、

正直他の冒険者の方よりも安心はしております。

ですがどうか、今回もご無事で」



――ローディア森林。


三度目の侵入。


だが、今回は“様子見”ではない。


(ジェネラルとの戦闘で、はっきり分かった)


俺は強い。

圧倒的に。


だが――


(戦い方が雑だ)


力で殴る。

魔力で吹き飛ばす。


それは、“勝てる”だけで、

俺自身は成長しない。


「……よし」


森に入る直前、俺は立ち止まり、

自分自身に向けて創造スキルを発動する。


《創造:制限》


全能力、1万分の1に制限。


魔力。

筋力。

反応速度。

耐久。


すべて、極限まで落とす。


一気に、体が重くなる。


視界が狭くなり、

魔力の流れも、鈍い。


(……ここまで変わるのか)


思わず苦笑が漏れた。


「これで負けたら、それまでだ」


だが。


だからこそ、意味がある。


森の奥。


待っていたかのように、

地鳴りが響く。


姿を現したのは――


玉座のように組まれた岩の上に座る、

巨大なゴブリン。


金色の装飾。

王冠。

異様な威圧感。


ゴブリンエンペラー。


その目が、俺を捉える。


「――来たか、人の王」


喋った。


はっきりと。


(……やっぱりな)


エンペラーが立ち上がる。


一歩。


それだけで、地面が揺れる。


「我が森を、何度も荒らす者よ」


巨腕が振るわれる。


重い。


避けきれず、肩を掠める。


激痛。


(くっ……!)


力で受ければ即死。

今の俺は、紙切れ同然だ。


(真正面は、無理)


地形を見る。

足場。

木の配置。


――使える。


俺は走る。


回る。

潜る。

跳ぶ。


魔力を最小限に使い、

体捌きだけで距離を取る。


エンペラーの一撃一撃が、

大地を削り、

木々を粉砕する。


だが――


(遅い)


攻撃は重いが、直線的。


ジェネラルよりも、

むしろ読みやすい。


隙が、ある。


俺は一瞬だけ、

魔力を指先に集める。


圧縮、極小。


拳ではない。

蹴りでもない。


――関節。


膝。


踏み込み、

一点に打ち込む。


「――ぐぉっ!?」


エンペラーの体勢が崩れる。


そこへ、

木の幹を蹴って跳躍。


頭部へ、掌底。


衝撃は小さい。


だが――


確実に、効いている。


(通る……!)


力じゃない。

技術が、通じている。


エンペラーが吠える。


森全体が震え、

無数のゴブリンが跪く。


だが、俺はもう怖くない。


(勝てるかどうかじゃない)


(“どう勝つか”だ)


息を整え、

構えを取る。


制限された力。

研ぎ澄まされた判断。


「……続きをやろうか、ゴブリンの王」


ゴブリンエンペラーが、

歯を剥き出しに笑った。


この戦いは――

ただの討伐じゃない。


俺自身を、作り直す戦いだ。

※ここまで読んでくださってありがとうございます。

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