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転生したようなので好き放題やります。  作者: Rairo
第2章 世界と対峙するルミナス王国

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第12話_まずは手始めに、帝国でも潰そうか

帝国は、決断が早かった。


禁域の森より建国宣言があった――

その報せが届いた翌日には、すでに軍が動いていた。


「禁域だろうと関係ない」


帝国の皇帝は玉座でそう吐き捨てた。


「魔物の森に国? 笑わせるな。

調子に乗った連中に、現実を教えてやれ」


号令ひとつで、帝国軍は進軍を開始する。


正規軍三万。

精鋭騎士団五千。

魔導師部隊千。


どの国も認める、大陸有数の軍事国家"ルグナリア帝国"。

帝国の軍が本気で動くこと自体、久方ぶりだった。


「森に入る前に、周辺を焼け」

「抵抗する魔物は全滅させろ」

「国の名など、灰にしてしまえ」


命令は冷酷で、迷いがない。


――禁域の森など、脅威ではない。

そう信じて疑わなかった。


帝国軍は、勝利を疑わずに進軍する。


それが、自らの終わりだとも知らずに。


――――


一方、その頃。


ルミナス大要塞、最下層。

玉座の間。


俺は今日も、玉座に座っていた。


「来たね」


足を組み、のんびりと呟く。


「帝国軍、出発を確認しました」


答えたのは、俺の右後ろに控える人物だった。


黒を基調とした端正な服装。

整った顔立ちに、落ち着いた微笑。


執事のようでありながら、

どこか人ならざる圧を放つ存在。


創造した側近の一人――参謀"クロウ"だ。


種族は叡智神。我が国の"知恵や策略"の部分を任せている。


「やっぱり最初は帝国かぁ」


「最も分かりやすく、最も傲慢な選択ですからね」


淡々と、だが愉しげに言う。


玉座の反対側には、もう一人。


重厚な鎧を纏い、背筋を伸ばして立つ男。

静かに佇んでいるだけで、空気が張り詰める。


こっちの方はルミナス軍統括"ヴァルカス"だ。――

種族は武神。ヴァルカスには我が国の"武"を任せている。


そして、もう一人。――


「ミュリエルいるか?」


アルトが独り言のようにそう呟くと、

目の前の何もなかった空間に一瞬で現れる。


「はい、御用でしょうか」


その者の容姿は忍のようで、しかし明らかに人智を超えたオーラを感じる。

その整いながらも無表情な顔は恐怖すら感じさせる。


彼女は"ルミナス王国の影の情報網"ミュリエル"だ。

種族は影神。ミュリエルには"情報収集と暗殺"の役目を任せている。


「帝国軍は順調にこっちに来てる?」


ミュリエルは顔を伏せたまま、答える。


「帝国軍は東のジルニス山脈を超え、こちらまであと10日程のところまで

来ております」


(さすがだな、ミュリエルのおかげで相手の情報は常にこちらに筒抜けだ)


「了解、ありがとう。下がって良いよ」


「承知しました」


その瞬間、最初から何もなかったかのように音もなく姿を消す。


「……本当に、とんでもない方々ですね」


フィオナが、ぽつりと零す。


隣のノクスも、深く頷いていた。


「主様。

この御三方は……さすがにやりすぎではありませんか」


「まぁ、俺が召喚した側近だしね」


俺は軽く肩をすくめた。


「妥協はしない主義なんだ」


世界が動いた。

なら、それに応えるだけだ。


「帝国は、どうする?」


俺の問いに、クロウが一歩前に出る。


「迎撃、殲滅、示威。

どの選択も可能です」


「うーん……」


少し考えて、結論はすぐに出た。


「じゃあさ」


俺は、笑って言った。


「分かりやすく潰そう」


ノクスが、息を呑む。


フィオナは苦笑しつつも、止めなかった。


「世界に見せたいんだよね」


「何を、でしょうか」


クロウが尋ねる。


「この国に手を出したら、どうなるのかを」

「我が国の力を」


帝国は、ちょうどいい。


大きくて、強くて、分かりやすい。


「最初の犠牲としては、文句なしだ」


ヴァルカスが、静かに頷いた。


「我が軍の準備は万全、いつでも殲滅可能でございます」


ミュリエルは、すでに姿を消している。

帝国軍の行軍経路も、陣形も、

すべて把握しているだろう。


「じゃ、任せるよ」


俺は玉座に深く座り直す。


「派手にやってくれ。

でも――」


少しだけ、声を低くした。


「この国に、二度と逆らう気が起きないくらいに頼むよ」


クロウは、胸に手を当て、深く一礼した。


「お任せください」


その瞳には、微塵の不安もない。


「必ずや、主の満足される結果をお約束いたします」


玉座の間に、静かな確信が満ちた。


――帝国は、まだ知らない。


自分たちが今、

“世界に教訓を刻む役”に選ばれたことを

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