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日本合身後 61日目から70日目

本年の更新はこれで最後となります。

来年の更新は、1月3日と4日。

 61日目


 半導体生産再開が期日も分からないくらい向こうという事態から各業界で生産不能宣言が次々と出ている。

 電子電機関連業界と輸送機器関連業界が大半を占める。工作機械業界も当然入る。発注元の親会社が生産に入らなければ系列も全滅だ。

 食品関連産業は7年分の物資がいつまで有るのかという不安があるらしい。もし余っていても7年後にすっぱりと消えるかもしれない。日本の人口が半減したので消費出来るほど需要が無いのだ。


 新しい製品は今有る7年分の物資以外に作れないし補修用の部品さえ7年分の物資から消費して無くなった半導体を使う部品は無理。保存の効かない物資もありそういう物を扱う業界は途方に暮れている。


 他にはテレビのブラウン管と真空管を使ったアナログ回帰もガラスの材料も整流用ダイオードさえ作れないので出来ないし、第一送り出し側の放送設備がテレビは全部デジタル化されていて今更アナログ放送など出来もしない。困ったもんだ。ラジオはアナログ放送が大半を占める。もし7年以内にデジタル機器の生産が開始されなければ、その時点からの情報伝達は徐々にラジオが主役になっていくかもな。


 政府としても「今ある部品を大事にしてむやみな生産をしないように」と生産再開は慎重にと要請してはいる。それに経営側で再開を考えても社員が揃う会社は少ないだろう。7年分の物資が有るのだから、特注品以外は全て間に合うと言ってもいい。慌てて再開することはない。

 とにかく7年間という時間をくれた地球さんにある意味感謝だな。7年分の物資が無ければ日本は結合したといっても近日中に崩壊しただろう。




 62日目


 各地で粗悪リチウムイオン電池が発火する事態が相次いでいる。広報車で古いリチウムイオン電池の使用をするなとスピーカーでがなり立てていても使う。まあ発火するようなものを安いからといって買って使う人はそういう事は気にしないな。そういえばこのシェーバーもリチウムイオン電池。ま、国産だから大丈夫だろう。大分持ちが悪くなってきた。替え時か。7年の間、替え刃は電気店の在庫にあったものを大事に使っていた。しかし、網が破れて血が出るまで使ったのに。新品は…あるな。7年分の物資に入っているはずだ。

 



 63日目


 カナダとの取り決めで政府間で正式に文書を交わしベーリング海峡を国境とすることになった。海峡内の島はカナダ側でいいよと言っておいた。こちらはいらない。管理出来ない。向こうさんも同じらしいがアラスカ州が有った頃はアラスカ州だったはず。関係ないが善意で押し切った。どうぞどうぞ。振りじゃないよ。




 64日目


 オハ油田の生産が一部再開されたという。天然ガスも豊富なようだ。ありがたい。先に7年分のLNGを優先して減らす。オハの天然ガスは千葉と新潟の天然ガス生産を減らしてその補完用として使おうと決まった。




 65日目


 元ロシアの住民が再び物資の回収に東京や川崎を回るらしい。頑張って遺体処理もしてくれていると。貴金属や高級時計も結構なくなっているというが見て見ぬ振りをしろと指示してある。あからさまな略奪になったら諫めろとも。そこら辺のさじ加減は現場に放り出しだ。




 66日目


 冬用に石油ストーブや石油ファンヒーターとLPG用ガスストーブやLPG用ガスファンヒーターを壊滅している都市部から回収する作業を始める。今6月だから10月になる前に寒冷地での不足分は輸送出来そうだという目途が付いている。7年分の物資でもそういう物は足りなかったようだ。都市ガスと電気で暖房器具を使っていた家には無いから仕方が無い。灯油やLPGは7年分の物資で間に合うという。

 この冬は凍えなくても済むのだろうか。 




 65日目


 群馬県・埼玉県・栃木県・岐阜県の内陸4県への運輸方法として河川水運が選ばれ、昨日試作艇が完成したという。船内据え置きのエンジンではスクリューの位置や舵の問題も有るのでやはり浅瀬の運行に問題有りとして船外機になったと。300馬力以上有る大型船外機複数を取り付け流れを乗り切るそうだ。喫水を浅く取るための幅広平底船で急流での操縦安定性はかなり悪いそうだ。試運転では事故に気をつけてな。




 66日目


 河川水運用に急遽開発された試作艇の運転試験は無事成功したそうだ。1艇で燃料油8キロリットルを積める中型艇と20キロリットルを積める大型艇の両方だ。内陸4県まで大型艇が乗り込めるので大型艇の量産を開始すると。大型艇は既に週4艇の量産体制に入っており200艇を目途に製作するという。中型艇も週1艇程度を作るという。日本の気候なら水面の凍結もなく冬季でも運用可能だろうということだ。

 また、物資輸送用として中型汎用艇と大型汎用艇をそれぞれ20艇制作する予定だとも。汎用艇の艇首には折りたたみ式の渡り板を取り付けてある。艇体はほぼ同じで燃料油専用のタンク構造になっているか、バラ積み用になっているかの違いだという。中型艇で最大5トン。大型艇で最大16トンが積載可能だという。




 67日目


 韓国で大規模なテロ事件があったと報告が上がる。まさか噂の地下通路からかな、などと思う。韓国自体はどうでもいいが周辺に不安定国家が出来上がると困るな。




 68日目


 前日の報告にあった韓国の事態だが、やはり北朝鮮軍が地下から侵攻したらしい。大丈夫か?




 69日目


 韓国国内で収拾が付かないようだと報告がある。偵察はと聞くと今の状況で自衛隊機など飛ばせば対空ミサイルによる攻撃を受けかねないので飛ばせませんと言われた。




 70日目


 河川水運で運び入れる燃料油を受け入れるためのポンプ施設が特急で完成したという。もうか。え?臨時なので建家も川に突き出ている桟橋も足場で組んだだけのかなりの手抜き。この事態に建築基準法や河川法など守っていられないと。ポンプの土台も怪しい。しっかりした物を作るには緊急すぎて資材が不足しているので、10月を目途にしっかりした受け入れ施設が出来る予定?


閲覧いただきありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。

次回更新 2026年1月3日 05:00


河川水運に使うエンジンは大型船外機に変更。船外機なら船自体を作るのに難易度が下がる。舵やスクリュー問題と言っているが、貫通シャフト部分が特急作業には間に合わなかった。300馬力以上有る船外機も有り複数取り付けることで大型艇でも川を遡るのに必要な推進力を得る。

中型艇で積載時推奨水深1,2メートル以上。大型艇で1,6メートル以上。

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