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エッセイ

なんでこれここに建てる?

作者: 七宝

 ある日スーパーで買い物をして駐車場に戻ると、隣の敷地に「ホストクラブのキャスト募集中」というような看板を見つけた。


 ここは近くに駅もなく、遊ぶ場所もなく、食料品が売っているスーパーと小さなラーメン屋くらいしかない地域だったので、私はとても驚いた。


 もともとその場所はギフト屋さんで、私もお歳暮の品を見に行ったりしたことがあったのだが、どう考えてもホストクラブに適した場所ではなかった。

 誇張なしに、この世で1番ホストクラブが向いていない場所だと思った。


 月日は流れ、ついにホストクラブはオープンした。


 スーツを着たイケメンが店の前に立って呼び込みをしているが、悲しいくらいに誰も見向きもしていなかった。


 それからも、前の道を通る度に彼らが店先に立っているのを目撃した。12月のド寒い中、上着も着ずに立っている数名のホスト。なんだか可哀想になってきた。


 この辺りの人間はこうなる事は100%分かっていたので、ここで働いている人間は1人残らず遠方から来ているのだろう。


 経営者は何を思ってここに来たのだろうか。スーパーから出てきた女性がそのままホストクラブへ流れるとでも思っていたのだろうか。


 案の定、その店は一瞬で潰れた。

 そこにホストクラブがあったことすら知らない地元民がいるくらい、一瞬で跡形もなく消え去った。


 その後、そこには歯医者が出来た。オシャレな消しゴムみたいな外装で、「おいしそうだな」と思った。

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