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知識チートと解析スキルで無人島を『理想の都市』に創り上げる  作者: 佐藤 凛


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20/23

迎賓館作成

夜が明け、淡い光がヴェルセリアの街を包み込む頃。

アレンはすでに目を覚ましていた。


ステラとロシュを会議場に呼び出すと、二人はすぐに姿を現した。

「おはようございます、アレン。」とステラ。

「本日もよろしくお願いします。」とロシュは丁寧に頭を下げる。


アレンは頷き、会議卓につくと本題を切り出した。

「まずは、グランデ商会の支店についてだ。」


アレンがそう言うと、ロシュは少し緊張した面持ちで口を開いた。

「アレン殿……。実は、こちらからお願いしたいことがございます。」

「聞こう。」

「アレン殿……僭越ながら一つだけお願いがあります。支店の建設場所として、港に商会の店舗を建てる許可をいただきたい。そして、本土から約三十名の人員を迎え入れる許可も……。」

遠慮がちな言い方であったが、その内容はそれなりに大きな要求でもあった。


アレンは少し考え、すぐに答えた。

「構わない。商会の運営について口出しするつもりはない。

ただし、店舗の建設や、人員の宿舎の建設はこちらで手助けできる。」


ロシュは驚きと喜びを混ぜた表情で深く頭を下げた。

「……それほどまでしていただけるとは。ありがとうございます。必ずや、ヴェルセリアの発展に寄与してみせます。」

ステラも微笑む。

「ロシュなら任せられるわ。よろしくお願いする。」


次にステラが口を開いた。

「それでアレン、ミドロア王国側に作る店はいつ頃の建設を予定しているの?」

アレンは少し悩んだ様子で返答する。


「売る製品と、人材が揃ってからだな。製品はいくらでも作れるが……人材の確保の方が難しい。」

「どれくらいの目途は立っているの?」とステラが尋ねる。

アレンは肩をすくめた。

「正直なところ……まだあたりがついていない。」


するとロシュが提案を口にした。

「であれば、グランデ商会から推薦もできます。それと……一度、ミドロア王国の商会が運営する学校を視察してみてはいかがでしょうか。若い職人見習いや商人志望者も多い場所です。」

「なるほど。人材確保の参考になりそうだ。」とアレン。


ロシュはさらに続けた。

「それに、店舗を作るには当然資金も必要になります。商品の試験販売も兼ねて、王国へもう一度来ていただければ資金調達の方法もご案内できると思います。」


アレンは納得したように頷いた。

「わかった。貿易の準備が整ったら、改めて王国に行こう。」

こうして朝の会議は締めくくられた。


会議を終えたアレンは、ロシュのように他国からの客人が増えていく将来を見据え、

「来賓館」を建設することを決めた。

場所は、中央広場に面する会議場の隣。

アレンは素材を集め、加工し、基礎を整えるとステラに指示を伝えて近衛隊を招集。建設作業が本格化した。


その間、アレンは会議場二階の自室兼執務室に戻る。

作業机、椅子、本棚、仮眠用ベッド。どれもアレンのスキルによって特性を付与され、高い機能性を備えた家具だ。


ステラが作ってくれた弁当を机に広げ、ヴェルセリア産の米と野菜、魚を食べながら、アレンは頭を悩ませていた。

「……船から住宅区画まで貨物を運ぶ『輸送機械』、どう作るか……。」

前世の知識のおかげで今までは何とか形になっていたが、機械設計となると話は別だった。


そのとき、ふとミドロア王国で交わした「技術交流」の話を思い出す。

「……あの王都まで向かった時に使ったような、王国には馬車を作っている職人がいたはずだ。彼らの技術を聞ければ……。」


考えついたアレンは、隣の部屋で作業していたミランのもとを訪ねた。

「ミラン、ミドロア王国の職人と交流できる機会はないだろうか?」

ミランは少し考え、ぽつりと答えた。


「実は……昔、王国の機械をつくる工房で働いていた隊員がいる。何を作ったのかあまり詳しくは知らないのだが。」

「本当か。それは助かる。」


こうして二人は迎賓館建設現場へ向かい、作業中の隊員たちの中から該当の人物を探し出した。

「隊長、ミランさん。どうされたんですか?」

元工房勤務の隊員ヒルダは困惑した様子で頭を下げる。


アレンは本題を切り出す。

「輸送機械の設計で相談がある。手伝ってほしい。」


隊員は恐縮しながら答えた。

「申し訳ありません……私は設計には関わっていなくて。

ですが、作っていた工房を紹介できますし、組立工程なら詳しいです。監督役としてなら協力できます。」

「なるほど……。やはりミドロア王国を一度訪れて、資料や工房をヒルダに紹介してもらい見学した方が良さそうだ。」


アレンはこの時、明確に決意した。

「貿易の準備が整い次第、王国に行こう。目的に工房訪問も加えておく。」


夕暮れが近づく頃――。

「アレン殿、完成しました!」

近衛隊員の声にアレンとミランが現場に向かうと、そこには立派な迎賓館が姿を現していた。


白石の外壁、重厚な扉、広々とした応接室、手入れされた中庭、そして複数の高級感ある客室。

まるで王城の別館のような仕上がりで、ロシュのような来賓を迎えるには十分すぎる施設であった。


アレンは思わず息を呑む。

「……素晴らしい。みんな、よくやってくれた。」

隊員たちは誇らしげに微笑んだ。


その後、皆で食事をとり、静かに一日の終わりを迎えた。

迎賓館の灯がゆっくりと夜の街に溶けるように灯り、

ヴェルセリアはまたひとつ、国家としての形を確かなものにするのだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

[名前] ロシュ

[年齢] 28

[レベル] 17

[職業] 代表代理

[スキル] 在庫管理

[魔力] 4/4

[体力] 5/5

[攻撃力] 2

[防御力] 3

[素早さ] 3

[政治力] 13

[交渉力] 31

[洞察力] 34

[ステータスポイント] 0


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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