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知識チートと解析スキルで無人島を『理想の都市』に創り上げる  作者: 佐藤 凛


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魔窟探索

住宅区間を出て魔窟へと向かったアレンたちは、ステラに残りの護衛隊隊員の訓練を任せ、ガランが選抜した少数精鋭の護衛隊員とともに

魔窟上層を通り、上層と下層を隔てる壁まで到達する。

「ここを越えれば……下層だ」

アレンが短く告げる。


ガランが頷き、剣を構え、一気に壁へ斬撃を走らせた。

木壁が砕け、下層へと続く暗い坂道が姿を現す。

「気を引き締めろ。ここからは未知の領域だ」

隊員たちは武器を構え、静かに息を整える。


坂を下っていくと……

空気が一気に冷たくなった。

「……来るぞ!」

ミランの声が響いた瞬間、暗がりの奥から複数の影が飛び出した。

金属を擦るような低い唸り。牙の間から青白い光が漏れている。


ダイアウルフだ……

魔鉱を捕食し、魔力のコアを内部に宿した狼型の魔物だ。

「全員、隊形を維持!『統率』」

ガランの声と同時に、統率のスキルを発動すると淡い光が隊員たちへ広がる。


集団統率のスキルが隊員の動きを鋭くし、隊員たちの能力が一気に引き上げられる

「ミラン、右側の群れを抑えろ!」

「了解っ!」

ガランが前へ踏み込み、ミランが横から切り込み、隊員たちは二人を中心に連携しながら次々に迎撃していく。


ダイアウルフたちは強靭な顎で噛みついてくるが、隊員たちの攻撃に押され、やがて全て倒れ伏した。

「はぁ……さすがガラン隊長だ」

「統率のバフがあると、全然違いますね……」


敵が沈黙すると、アレンは死骸に近づき、胸部に硬質な光を宿す核を見つけた。

「これが……魔鉱とは違う“魔核”か」

素材解析を発動すると、体内コアの特性が浮かび上がる。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【解析結果】


[名称] 魔核

[危険性] 中

[基本情報]

魔物の身体の中心部に生成される、凝縮魔素の固体結晶。

[特性]

魔素を安定して蓄え、魔物の特徴を一つ引き継ぐ

[採取難易度] 高

[備考] 魔物の種類によって大きさや密度が異なる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


アレンは魔核を丁寧に取り出し、アイテムボックスへ収納した。

「じゃあ、次は魔鉱だな」


ガランが周囲へ目を向ける。

しばらく進むと、壁の奥に青白く輝く鉱脈が現れた。

「……見つけた。これが魔鉱か」


アレクが魔鉱を解析すると

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【解析結果】


[名称] 魔鉱

[危険性] 低

[基本情報]

魔素を含んだ金属鉱物の総称。

[特性]

軽く強度が高い

[採取難易度] 中

[備考] 加工の難易度が高い

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


護衛隊員数名が採掘作業に入り、アレクのアイテムボックスへ魔鉱が次々と収められていく。

アレンとステラは採掘作業中の護衛をし、周囲の魔物を警戒し続けた。

採掘が終わると、奥に古い扉が見えた。

小部屋……それも、何かを守るかのように存在している。


「どうする、アレン殿」

ガランが問いかける。

「……行ってみよう。気になる」

アレンは頷き、皆で扉の前に立つ。


重い扉を押すと、軋む音とともに内部へと続く通路が露わになった。

全員が中に入った瞬間……

背後の扉が、轟音とともに閉まった。


「閉じ込められた……?」

ミランが焦りをにじませる。

暗闇の奥から、巨体がゆっくり姿を現す。

アーク・ゴーレム。

魔鉱の核から生まれた、魔窟下層の守護者。


「来るぞ!」

ガランとミランが同時に跳びかかり、剣を振るう。

だが、刃は硬質な外殻に弾かれ、火花を散らすだけだった。

「くっ……全然効かねぇ!」

「攻撃が通らない……!」

ゴーレムの腕が唸りを上げ、二人を吹き飛ばす。

護衛隊員が声を上げるが、前へ出るには危険すぎる。


その瞬間――

「……ここです!」

ケリーが前に飛び出し、槍を構える。


千里眼が発動し、ゴーレムの魔力の流れ、その弱点の一点が視界に浮かぶ。

喉元……

外殻がわずかに薄く、内部コアへ直通する一点。

ケリーは迷いなく跳び、槍でその一点を貫いた。


ゴオオォォン――!

ゴーレムが震え、大地を揺らすような音を響かせて崩れ落ちた。

「や、やった……?」

「ケリー……すごいぞ!」


ガランとミランは驚愕と称賛を隠せなかった。

アレンも思わず頷く。

「見事だ、ケリー。期待通りだ」

扉がゆっくりと開き、通路が戻る。


「今日はここまでだ。戻ろう」

ガランが告げ、全員が島の住宅地へと帰還した。


夕方、アレンは今日手に入れた魔鉱を前に腕を組んで考えていた。

「魔鉱……強度、魔力伝導率……どう使うべきか……」


そこへミランが近づき、頭を掻きながら声をかけた。

「なぁアレン、ケリーへのご褒美っていうか……功績を讃えてさ。

あいつ、いい槍を持ってないんだ。魔鉱で……作ってやれないか?」


アレンは一瞬驚いたが、すぐに頷いた。

「……やってみる。魔鉱は扱いが難しいが、いつかはやらないといけないことだしな」


その言葉通り、制作は難航した。

魔鉱は高い魔力を帯び、加工の仕方によっては魔力が放出されてしまう。

槍に適した軸強度とバランスを出すのに何度も失敗した。


しかし……

アレンはついに形として納得できる一本の槍を仕上げた。

黒銀色に輝く刃。

魔力の流れる紋様。

軽いのに強度は鋼よりはるかに上

「……よし。これなら、ケリーに渡せる」

ミランとアレンはケリーの元へ向かった。

「ケリー、これを……受け取ってくれ」

「今日の働きは、君がいなきゃ突破できなかった。これはその報酬だ」


ケリーは目を丸くした。

「え……これ、私に……?」

震える手で槍を持ち上げると、その軽さと強度に息を呑んだ。

素振りすると、しなりと切れ味が最高のバランスで噛み合っている。


「すごい……すごい……っ!

こんな武器、私……初めて……」

ケリーは目を潤ませながら何度も槍を見つめた。


生まれ育った貧しい環境では、夢にも見られなかった武器だ。

「アレンさん……本当に、ありがとうございます」

アレンは軽く微笑み、言葉を返す。

「その槍は君の力をさらに引き出してくれる。大事に使ってくれ」


その夜、皆で作った夕食を囲みながら、今日の戦闘の話で大いに盛り上がった。

ケリーは何度も槍を見つめては、嬉しそうに微笑んでいた。

こうして、魔窟下層での初探索は幕を閉じた。


しかし、魔窟の奥深くにはまだ未知の脅威が潜んでいる。

アレンは新たな力と仲間の成長を胸に、次なる一歩へ思いを巡らせていた。


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