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メンタル・ディスオーダー  作者: 毒の徒華
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第55話 国王の意見




聖ラファエル病院の集中治療室は満杯状態だった。

イヴとの戦いの際に負傷した人も運び込まれていて、医師や看護師は総動員で治療に当たっていたが、治療が追い付かない状態のようだ。廊下で処置待ちの人が横たわっているのが見える。

その中、運び込まれた緋月様とシャーロットさん、光さん、日下部さんは特別集中治療室へと移され、治療が開始された。

優輝さんは両脚の骨折程度で済んでいた為、治療の順番待ちの列に琉依さんと一緒に並びに行った。

アダムは一時的にやせ細ってしまったが、イヴの残骸を食べたことにより再び元の体形を取り戻した。その巨体では病院に入れないので蛇の姿になって僕の身体に巻き付いてもらった。

特別集中治療室の部屋の「手術中」のランプがついて間もなくしてから、緋月様の治療に医師は難色を早々に示し、廊下に出てきた。


「輸血をしようにも針が通りません。針が通らないと縫うこともできませんし、これでは手の施しようがありません」

「そんな……! なんとかできないのか!?」


医師の説明に僕らが絶望していた中、どこからともなくメフィストさんが現れた。


「わたくしが対応いたします。茜様のお身体をお借りしますよ」


メフィストは茜さんの身体に自分の細胞を這わせるように寄生した。特別集中治療室に入って茜さんの手で注射器を持ち、緋月様に注射を打ち込んだ。すると針はすんなりと緋月様の身体に通り、中の液体も注射することができたようだった。


「どうなっているんだ……? この者はなんだ?」

「わたくしはメフィストと申します。緋月様の助手です。さて、集中いたしますので、赤紙の方々は外でお待ちください」


何人かの医師を助手として残し、メフィストさんは手術に臨んだ。

外に出された僕と渉さん、区代表たちはそわそわと落ち着かない様子で各々が不安そうな表情をしていた。

特に薫さんが顕著で、頭を掻き毟りながらブツブツと独り言をずっと言っていて、時折自分の頭を壁に打ち付けている。


「おい、お前ら。緋月のことも心配だろうが、各区での被害状況の確認に行くぞ。混乱の鎮静化が最優先だ」


達美さんは自分の指の爪をガリガリとかじりながらそう言った。

彼も緋月様のことが心配でここから離れたくない気持ちもあるのだろう。しかし、特別集中治療室の外の廊下でずっと待っているということに耐え切れない様子だった。


「達美の言う通りだな。俺たちは俺たちのできることをするべきだ」

「緋月様がこの状態だからこそ、混乱を沈めないと」

「じゃあまずは自分の区の確認だね。1区は優輝さんが見られないから、僕が対応するよ」

「おい、薫、いつまで発狂しているつもりだ。3区の確認に行け」


そう言われた薫さんはなおもブツブツと言いながら壁に向かっている。


「おいおい、俺も心配な気持ちはわかるけどよ、緋月ならこんなときどうするかってことを考えろよ」


葉太さんにそう諭されたが、薫さんはうつろな目のまま廊下の椅子に座り込んだ。

言葉がうまく出てこない様子だったが、落ち着くために深呼吸をした後に薫さんは話し始めた。


「私は無理です。緋月様が心配で何も手につきません……」

「区代表なのだから責任を持て」


達美さんに厳しい口調でそう言われると、顔を歪めながら大声で反論する。


「大切な方が死にかけてるときに仕事なんてしていられません! 私はここから動きませんよ!」

「馬鹿野郎! お前だけじゃねぇよ、俺ら全員緋月が心配なんだよ! そのくれぇ解んだろ!?」


胸ぐらを葉太さんに掴みあげられるが、すぐに薫さんはその手を振り払って腰のナイフに手をかけた。


「俺とやり合おうってのか、いいぜ。とれよ」

「まぁまぁ……喧嘩していても仕方ないですよ。私たちも向かいましょう」

「裏切者は黙ってろ!」


達美さんは園さんを怒鳴りつける。

どうやら不安に思う気持ちが相当強いのか、かなり苛立っている様だった。


「緋月が許しても、俺は許したわけじゃないからな。もめてないで、行くぞお前ら」


吐き捨てるようにそう言って、達美さんは病院の出口へと向かっていった。その後を他の区代表もついて行く。その中、薫さんだけは渉さんと僕と一緒に残った。

去り際にヘラヘラと笑っている園さんに向かって妃澄さんが言う。


「緋月様がもし俺を後任に選んだとしたら、お前は9区行きだ」

「それは怖いですね……ふふふ……」


園さんもニコリと僕らに笑顔を残して病院の廊下から姿を消した。

残された渉さんは顔や手についた血液をふき取るでもなく、ただ呆然としている。薫さんも、僕もメフィストさんの手術が成功することを待つことしかできない。たった1秒が過ぎていくのに、

アダムはずっと黙っていたが僕に話しかけてきた。


「ひづき……しんじゃうの?」


僕は胸に広がっていた不安が具現化されたようで、言葉に詰まる。渉さんも薫さんもアダムのその言葉で尚更不安に思ったことだろう。

その不安を払しょくするように、僕は頭を左右に振る。


「大丈夫……緋月様はきっと持ちこたえるから」


僕は自分に言い聞かせるようにそう言った。

隣に座っている渉さんが不安そうにしているのを励ますために、同じ言葉を僕は口にする。


「大丈夫ですよ。メフィストさんが必ずやり遂げてくれます」

「…………光、本当に死んでいました……」


ぼそぼそと渉さんは言葉を発した。声にはいつもの元気はなく、消えてしまいそうなほど弱々しい声で話している。


「光さん、シャーロットさんのおかげで生き返って良かったです……シャーロットさんは残念でしたが……」

「……緋月様まで死んでしまったら……私はどうしたらいいのか解りません……」


血まみれの指を組み、頭を抱えるように渉さんはうなだれていた。

渉さんは取り乱しているのか会話がうまくかみ合わない。


「光さんも、緋月様も……日下部さんも、無事ですよ。懸命に治療してくれてますから」

「……そうですよ、緋月様が死ぬわけないんです。緋月様は完璧な存在なんですよ……」


薫さんは僕の言葉に反応し、そう返事をしてきた。僕と渉さんの向かいの椅子に座ってガリガリと頭を掻いている。


「緋月様は私の全てなんです……私が存在し続ける為に緋月様は必要なのです……」


ブツブツとそうつぶやく薫さんに、僕はなんと言葉を返していいか解らなかった。


「私のことが怖いですか?」


薫さんに突然そう言われ、僕は動揺して目を何度か泳がせてしまった。「そんなことないです」と言うのは簡単だったが、僕はそれでは誤魔化せないと思い素直に答えることにした。


「そうですね……薫さんのこと、よく知らないですし……」

「いいんですよ。緋月様のことになると周りが見えなくなるような人は怖いと思って当然です」


どう見ても落ち着かない様子の薫さんだが、口調は妙に冷静なように感じた。


「…………どうして薫さんは、そんなに緋月様のことが大切なんですか……?」

「他の皆さんと同じですよ……緋月様に助けてもらったんです。緋月様は私なんかにも優しくしてくれるんですよ……それにどれだけ助けられたか……」


ガリガリガリガリガリガリ……


緋月様と同じ色に染めている銀色の髪が毟れるほどひっかいている。見ていてこちらが痛くなりそうなほどだった。


「薫様、落ち着いてください……」

「落ち着けるわけないですよ……! 絶対的な神を失ったら私はどうしたらいいんですか……!?」


渉さんの言葉に薫さんはさらに興奮した様子で身体中を掻き毟る。


「…………緋月様を失ったら、どうしていいのか解らないのは全国民が同じです」

「あのとき、琉依が止めなければ私が助けに入れたのに……!」

「……終わったことです。今はメフィスト様を待ちましょう」

「光が死ななければ緋月様を治せたのに……!」

「…………」


それ以上、渉さんは言葉を発しなかった。薫さんは待っている間はずっとブツブツと何か口走りながら全身を掻き毟っていた。血が出ている部分もあったが、彼はやめようとはしない。

僕はそんな薫さんを視界に入れながら、ひたすら廊下で待っているしかなかった。

アダムは僕の身体に巻き付いたまま黙っていた。時折自分の舌を出し入れして、ずっと黙って待っている。


1時間なのか、2時間なのか解らない時間が経過した後に、特別集中手術室の「手術中」のランプが消えた。

消えたと同時に渉さんと薫さんは同時に立ち上がって扉が開くのを待つ。

僕もゆっくりと立ち上がって重厚な扉が開くのを待っていると、数秒後に扉が開いて中から医師とメフィストさんが出てきた。


「結果は!?」


薫さんがメフィストさんの肩を乱暴に掴んで揺さぶる。


「光様、実験体水鳥麗、共に生存しております」

「水鳥麗……?」

「あぁ……今は日下部れい華という名前でしたね」


メフィストさんは手についている血をタオルでぬぐいながら淡々と話している。

日下部さんが水鳥麗と呼ばれていることに、僕らは驚きを隠せなかった。しかし、今はそれについて言及している余裕はない。


「そんなことどうでもいいです! 緋月様は!?」


何度も何度も薫さんはメフィストさんを揺さぶった。それを渉さんが止めに入る。


「薫様、落ち着いてください」

「早く答えなさい!」


メフィストさんが薫さんの手を丁寧に払い、襟を正した。


「残念ですが、彼の御方はお亡くなりになりました」


僕ら全員、その言葉に返す言葉を失った。

アダムだけは状況が理解できていないようで、首をかしげてメフィストの方を見ていた。




◆◆◆




この国はまさに混乱の渦中にある。

黒旗の大規模な騒動、イヴという巨大な悪魔が突然現れたこと、そして緋月様が亡くなったという事…………。

混乱の収拾にあたっていた区代表たちには、緋月様が亡くなったということを知らせるのが遅れた。まずは国の上層部の人間だけに知らされ、国王が霊安室に訪れてその事実を確認した際には涙を流して緋月様の死を悼んでいたようだ。


緋月様の死後3日が経った。

メフィストさんが緋月様のボロボロの身体を綺麗に復元作業を行った。

血まみれの服を着替えさせ、酷い傷口は綺麗に縫い合わされて塞がれ、緋月様が生前に培養していた彼女自身の皮膚や内臓を移植し直して、身体の損傷した箇所は綺麗に修復された。

茜さんの身体もメフィストさんが綺麗に修復し、2人の遺体は並べて横たえられていた。茜さんの方は防腐処理をして腐敗を食い止めているが、緋月様の身体は特別な処置をせずとも腐敗していくということはないらしい。

安らかな表情で眠っている緋月様の元に何人もの人が訪れ、彼女の死を悼み、悲しみ、そして苦しんだ。


特に酷かったのは薫さんを差し置けば光さんと理沙さんだ。

1日中緋月様のご遺体の前でうずくまり、時折取り乱して周りの物を破壊するということを繰り返していた。

理沙さんは壁を衝動的に何度も壊してしまうため、鎮静剤で眠らされて聖ラファエル病院に戻された。それからずっと部屋に閉じこもっているらしい。何度も自殺未遂をして、その度に聖ラファエル病院の医師によって蘇生をされていると聖也から聞いた。ラファエルの皆の注射管理はメフィストさんがしているらしい。

光さんはずっと膝を抱えて床にうずくまって泣いていた。あの気丈な光さんがだ。

渉さんも相当にショックを受けたようだったけれど、渉さんは必死に国の混乱を鎮めるように立ち回っていた。おそらく、そうしていないと気持ちのやり場がなかったのだろう。

他の区代表も必死に仕事をこなして、緋月様のいない空いた穴を埋めようとしていた。


一人ひとり、緋月様との思い出がある。

あれだけ長く生きていた人なんだ。当たり前だろう。正直に言うなら僕は、緋月様の死は実感がわかなかった。本当は生きているのではないかという気持ちがあり、緋月様の死を悼む気持ちにはなれなかった。

シャーロットさんの教会に祭られていた赤い髪の天使と、その伴侶の人間の遺体の管理もメフィストさんが行っていた。

どうしてそうしているのかと僕が訪ねると「来るべき日のために」と言っていた。

僕にはどういう意味なのか解らなかったが、深く詮索する気力はなかった。


緋月様の死後3日経った今日、一般市民に緋月様の死がついに伝えられた。

混乱の収まりつつあった国は再び混乱に逆戻りする局面もあった。区番号が少ない区民は緋月様の死を悲しみ悼んだが、区番号が大きくなっていくにつれて歓喜の声に包まれた。

特に黒旗……いや、もう解体された元黒旗の人間においては「やっと化け物が死んだ」と、お祭り騒ぎがあったという。


一命をとりとめた日下部さんは病院のベッドで微塵も動けない状態になっていた。

僕がお見舞いに行くと「やぁ」くらいの軽い言葉をかけてくれた。


「緋月様が亡くなりました」

「……そう」

「シャーロットさんも」

「メフィストから聞いた」


特に悲し気にでもなく、日下部さん……いや、水鳥さんは言っていた。


「あの……水鳥さん……」

「その名前は捨てたの。日下部れい華が今の私の名前」

「…………本当に、あの水鳥麗さんなんですか?」

「元々はそうだったみたい。記憶ないんだよね」


彼女はぎすぎすした敬語をやめ、緋月様と似ている口調で話をしていた。やはりどことなく緋月様に雰囲気が似ていると僕は不意に感じた。


「ほんと、私を死なせないで緋月が死んじゃったなんて、私は納得できないんだけどね」

「れいか……ひづき、しんじゃったの?」


アダムは相変わらず受け入れられていないのか、理解が及ばないのか、そう日下部さんに質問していた。


「……死んじゃったんじゃない? みんなそう言ってる。死に顔を拝みに行けないから私は見てないけど……」

「アダムは緋月様がいなくて寂しい?」

「さみしい……? わからない……」

「僕……僕が研究者になって、シャーロットさんの魔術がなくても生き返らせられるような方法を探すよ」


緋月様の研究を引き継げば、いつか僕の細胞を使って可能になるのではないかと考える。そうすれば悲しむことなんてない。緋月様と茜さんが生き返れば当初の目的通りになるはずだ。


「緋月は生き返ることは望んでないと思うよ。やっと茜と一緒になったんだから、そっとしておいたほうがいい。個人の勝手で生き返らされると迷惑だから」


日下部さんはちょっと不機嫌そうに言った。実際に生き返った彼女が言うと、やけに説得力がある。


「もう不老不死や、死者蘇生なんて自然の摂理に反することは考えないことだね」

「…………そうですね……」


軽率に僕は生き返らせると言ったものの、やはり緋月様がずっと悩んでいたように、簡単に決められることではないと僕は反省する。


「アダム、これからどうするの?」

「ひづきのそばにいる……」

「そう……」


そう言って日下部さんは閉め切ったカーテンの端が揺れるのを見ていた。

その後に医師がきて、面会はここで終わりとなった。


ひとしきり混乱が落ち着いたのは緋月様の死後7日経った頃だ。

僕らは悲しみが消えない中、止まってしまったような時間が過ぎた。人々の心は止まっているのに、容赦なく一日一日が経過していく。

それが突如として動きを見せたのは、7日経ってメフィストさんが区代表や王を収集した際だ。

集められた各代表者たちはかなりの疲弊の色を見せている。渉さんは無理やりに光さんをその場に連れ来た。光さんは抵抗する気力も乏しいらしく、死んだような顔をして着席していた。


「本日はご多忙の中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。早速本題に入らせていただきます」


メフィストさんは深々とお辞儀をして、話し始めた。


「まだ混乱の渦中にいるところ、このようなことを申し上げるのは気が引けますが……彼の御方の生前の願いを叶えたいとわたくしは考えました」


――生前の願い?


全員が固唾を飲んでメフィストさんの言葉を全員が待っている。


「端的に申し上げますと、茜様と緋月様の結婚式をあげたいと考えております」


ガタン!


会議室がざわめく前に、いち早く立ち上がった人がいた。

達美さんだ。


「葬式もしていないのに、結婚式だと!? 2人とも死んでいるのにふざけているのか!?」

「ふざけてなどおりません。イヴの脅威が去ったら茜様と2人、慎ましく生きていくということが彼の御方の最たる願いでした。ささやかながら結婚式もあげたいとおっしゃっておりましたし、現世で彼の御方と茜様に結ばれてほしいのです。それが唯一の彼の御方の供養となりましょう」

「緋月が結婚式を……? とてもそんなふうには見えなかったが」

「彼の御方は、時折純白のドレスを羨ましそうに見つめておりました。それでも何もおっしゃらず、ひたすらに白衣を汚しながら研究に没頭なさっていたのです。それに、彼の御方は達美様のお考えになったドレスを着て式に臨みたいとおっしゃっておりました。ご協力いただけると彼の御方も大変お喜びになられると存じます」


そう言われた達美さんは険しい表情をした後に目を押さえながら乱暴に座った。

達美さんは人前で涙を見せないように顔を下に向け、肩を小刻みに震わせている。


「ここに彼の御方の記憶がございます。どうか、彼のお方の想いを聞き届けて差し上げてくださいませ」


メフィストさんは、小さな電子媒体を取り出してパソコンに取り付けた。

会議室の大きなモニターに映し出されたのは緋月様の映像記録だった。生きている緋月様が白衣を着てカメラに向かって話をしている映像が流れる。


〈これ……大丈夫か? 本当に使えているんだろうか。……後で確認すればいいや。えーと……1002年、申の月、第23の日 実験記録を開始する。本日より被検体『A』の悪魔細胞適合試験を行う。被検体Aの口の中の粘膜部分から細胞を採取し、それをアダムの細胞との適正検査を進める……被検体Aは死後2年が経過している。細菌による腐敗を防ぐために、悪魔細胞を体内や体外に使用することによって腐敗は起きていない。生前の彼のそのままの状態で………………っ……やば、いったん切ろう〉


言葉を詰まらせ、涙を見せた緋月様がカメラの映像を止めた。

実に200年前の映像だった為、画質が非常に悪かったが、緋月様の様子に変わりはなかった。

まったく変わらない緋月様の姿に僕は複雑な気持ちになる。


――本当にずっと、一人で戦ってきたんだな……


メフィストさんが別のファイルを開くと、新たな映像が流れる。


〈1027年、酉の月、第3の日 相変わらず被検体Aは、悪魔細胞との結合がうまくいかないままだ。何がいけないのか……もうあれから25年も経ってしまった……。本当にこれは成功するのだろうか……いや……成功するまでやる他ない。私にはこれしか生きる希望がないのだから〉


最初の記録から一気に随分月日が飛んだ。

一番初めの映像よりも緋月様の顔から明るさが明らかに消えているのが解った。その後に続く映像も、諦めが多く混じっている。


〈……っはいはい、実験は今日も進展なし! はぁ……こんなことして、意味あるのかな……もう、解らない……A、もしこれをあなたが見ることがあるなら……はは、こんなこと言っても仕方ないか〉


結局、茜さんは緋月様のこの記録を見ることはなかったし、生き返ることもなかった。

映像の緋月様は自虐っぽく笑っていたが、悲しそうな顔をしている。いつも緋月様が窓の外を眺めるときの表情だ。


〈1040年、酉の月、第7の日 今日は六翼の天使の教会の司祭が私の元へ会いに来た。色々突飛な話が多くてにわかには信じられないけど……どうやら司祭のシャーロットという女性は0年より前から生きている魔女らしい。信じられない気持ちが強いが……魔女だということは本当だ。驚いた。正直驚いたという感想以外の言葉が出てこないんだけど、六翼の天使の教会に、ご神体のノエルとその伴侶の遺体を回収しに行った。生前に結ばれなかった魔女と人間らしい。なんだか……自分とAの境遇に似てるなと思って複雑な気持ちだったよ……それとは少し関係ない話だけど、その教会では今日では珍しい結婚式をあげたりしていたらしい。結婚式か……してみたいなぁ…………まぁ、私、ドレスとか似合わないんだけどさ〉


苦笑いをしていた緋月様は結婚式の話をしたときに、はにかんでいるように見えた。

また次の映像が流れる。


〈1045年、寅の月、第1の日 ついに死者を生き返らせることに成功した。被検体は水鳥麗。ミイラになっていた彼女に悪魔細胞と魔術の技術を総動員して実験した結果、彼女は生き返った。生き返らせるということ自体は成功したが、彼女の生前の記憶は欠落しており、感情的にも平坦になってしまっていた。元々か……? いや、元々はよく笑う人だったと記録が残っている。…………果たして、これは成功と呼べるのか? 私たちの方法に問題があったのか精査が必要だ。あるいは遺体の保存状態が劣悪だったせいか……? 大きな1歩だったが、生き返った彼女を見ていると、してはいけないことをしてしまったような気がしてならない。それは彼女が生前は大量殺人鬼だだったからという理由ではない。最愛だった木村冬眞のことを忘れてしまっていたからだ。Aを生き返らせても、私のことを覚えているのだろうか……それを考えなければならない。彼女は新たな名を名乗り始めた。日下部れい華、それが彼女の今の名前だ〉


その事実を知らなかった人たちは動揺していた。

本人がこの場にいないことを幸いに思う。きっとこの場にいたらものすごく嫌な顔をしていただろう。

「10区代表が水鳥麗なのか」と全体に動揺もあったが、メフィストさんが「詳細は別途説明いたします」と言うと、納得できていない様子の人も映像の続きを黙って見ていた。


〈1197年 丑の月 第18の日 ………最近ね、渉って子を自分の側近にしたんだ。まぁ、保護観察も兼ねてるかな。渉君はね、私は『わ子』って呼んでいるんだ。私とAが生まれた時代は……差別とか根強かったけど、最近はね、そうでもないから、彼……いや、彼女も生きやすくなったと思うけど、まだまだ私も努力が足りないかな。国も……Aが生き返った時に生き返って良かったって思える国にできるよう頑張らないとね。わ子はしっかりしてて、子供区01の主席卒業だったんだ。ちゃんとした試験を受けないで私の側近として赤紙に入れちゃったから、そりゃもう達美には非難轟々だったけど……わ子の実力なら徐々に認められていくと思う。達美に詰られても反論ひとつしないでさ、ほんと、できた子だよ。私にはもったいないな〉


不意に渉さんを見ると、顔を押さえて泣き始めてしまった。ここ数日は涙を見せまいとずっと仕事に励んでいた渉さんだが、緋月様の生前の姿を見て堪え切れなくなったようだ。

蓮一さんが隣にいる渉さんを抱きしめて慰める。


〈1198年、卯の月、第13の日 また新しい子を側近にしたんだ。もうね、笑っちゃう。わ子と大喧嘩だよ。あはははは。光っていう名前の子なんだけど私は『レイ』って呼んでいる。色々あって心の傷は深いから、少しずつでも改善してくれるといいんだけど……。それでも徐々に馴染んでくれたのか、生意気な口きくからさ、わ子とソリが合わなくてもうね、ふふ。でもいい子だよ。今私がいろいろ教えてあげているんだ。なんかさ……放っておけなくてつい世話を焼いちゃうんだけど、わ子に怒られるんだ。「甘やかしすぎです」って。わ子だけじゃなくて赤紙の上位者のほぼ全員に怒られるよ。特に達美に関しては鬼の形相でさ。ははは。……でもさ……厳しくするのって……ちょっとできなくて。わ子の言い分もわかるんだけどさ。まぁ、私みたいなのが家族じゃ嫌かもしれないけど、家族だと思ってくれて、あの子が幸せになっていってくれるならいいかなって思うんだよね〉


光さんはその映像が流れているさ中、机に土足で上って机を渡って勢いよく中央に駆け下りた。メフィストさんの手元にあるパソコンに近づいて、拳を振り上げた。

僕は慌てて血の裁量を伸ばして光さんを止める。


「放せよ! こんなもん見たくねぇんだよ!」


光さんはパソコンを破壊しようと尚も暴れた。


「ふざけんなよ……! バカ緋月! ふざけんな!!」


泣きながら怒声をあげて暴れる光さんを、その場にいた誰も責めたりしなかった。

ひとしきり抵抗をした後に、光さんはその場にうずくまって肩を震わせていた。蹲った光さんの身体から僕は血の裁量を戻し、再び流れる映像に意識を集中した。


〈1200年、兎の月、10の日 聞いてほしい! 悪魔細胞の完全適合者を見つけんだ!! 智春君っていう子なんだけどね、私を立ち直らせてくれた如月って人に良く似てる。初めて顔を見た時は驚いたよ。そんなことはともかくとして、長らく実験をしてきて完全適合者なんて初めて見た。彼は私よりも強く結合できるんだ。…………でも、だとしたら適合させてしまえば、私と同じ苦しみを背負わせてしまうことになる。だから彼には細胞だけ提供してもらうことにした。彼の細胞を実験に使ったらきっと今までの拒否反応の傾向と比較して、それから解決策が見えれば……!〉


緋月様は研究の話を嬉々としてしている。僕が悪魔細胞と結合することを緋月様は回避したい様子だったが、結局僕は自分で選択して結合してしまった。

そのおかげで今こうしてここにいる。結合していなかったら僕はとっくに死んでしまっているだろう。

この選択が正解だったのか、間違いだったのかは解らない。


〈あの子が入ったら、多分レイと喧嘩しちゃうだろうなぁ……。わ子とレイは最近普通に話しているよ。あんなに喧嘩ばっかりだったのに。レイも大人になったんだね。まぁ、まだワガママだけど、ワガママなほうが可愛いっていうかさ。わ子に相変わらず怒られちゃって……。甘やかしすぎですって。そんなに甘やかしているかな? レイのこと大好きだからさ。わ子の事も大好きだし……。Aがいなくなってから私、ずっと空っぽだったけれど誰かを信じたり、こうして深く関わったりして私の心の傷も少しは癒えてきたのかなって思うんだ。でも、Aのことを諦めることができないままだ。死んだ人が生き返るなんて、自然の摂理に反しているし……いっそのこと、もう自然に還した方がいいのかな……なんて、どうせ今回失敗しても私は諦められないと思う。今更……普通の女みたいに生きるのなんて無理だよね。こんな身体だしさ〉


映像を見ていて、僕も目頭が熱くなってきて袖で目を拭った。

緋月様は人間でないものになってしまったことを本当に悔やんでいる様子だった。時折誰にも見せない弱音が記録されている。

生きていた時にもっと緋月様の苦悩を解ったら良かったのに、もうそれは叶わなくなってしまった。そう思うと酷く悲しい気持ちになる。


「記録は他に大量にございますが、次が彼の御方の残した最後の記録となります」


メフィストさんは手慣れた手つきでマウスを操作して、一番新しい日付のファイルを開いた。

戦いの前日に撮られたと思われる映像だった。


〈……これが、最期になるかもしれない。私は……結局、A……茜の為にこの国すらも巻き込んで私の願うまま、人々を利用してきた。結局私が生きてきた時間のほぼすべて、いつでも茜の為だけに生きてきたと思う…………私を慕ってくれる人も何人もいたのに。でも、いくら茜の為に生きてきたと私が思っていても、今まで出逢ってきた人たちのすべてが私の心にいる。全員がかけがえのない存在だよ。私が何度くじけそうになっても、周りの人たちの笑顔が私を支えてくれた。一人でも多く幸せに思ってくれるだけで、私は満足だよ。……何言っているんだろう、恥ずかしいな。ははは。…………この戦いが終わったら、私は一線を退くことにする。イヴがいなくなって茜が生き返ったら、隠居生活でもしようかな。もう歳なんでね……。次の赤紙代表は誰が良いのかな? んー……いや、代表なんていなくていいか。区代表それぞれが赤紙を支えて行ってくれたらいいと思う。まぁ……区を撤廃して大昔みたいに懲役刑とか採用してもいいのかもね。私の思想をいつまでも引きずる必要はないと思うから。あー……なんて締めくくったらいいか解らないけど、この辺で。健闘を祈る〉


そこで記録は途切れた。

映像ファイルを閉じて、メフィストさんが全員に向かって話し始める。


「彼のお方の記録は膨大な量ございますので、今回はわたくしの方で抽出させていただきました。彼のお方の貴重な遺品ですので、どうか丁重に保管ください。さて、達美様。結婚式にご不満があったようですが、心変わりはありましたでしょうか? 心変わりしていただけているとわたくしとしても嬉しいのですが」


名指しでそう言われた達美さんは涙を拭いながら「好きにしろ」と力なく言った。


「光様も、よろしいですか?」


うずくまってメフィストさんの隣で泣いている光さんは答えられないのか、あるいは答えたくないのか、黙ったままだった。

メフィストさんは光さんから視線を外し、一番上の席を見上げた。


「……法に乗っ取った婚姻を許してもらえますか、国王様」


ずっと黙って聞いていた国王様は、呼ばれたことに対して少し嬉しそうに微笑んだ。


「ふふ……私に同意を求めるか。緋月は私に対して同意を求めることがなかったから不思議な感じがするな」


国王様はそう言って優しい笑顔で微笑んでいた。しかし、話し始める際には凛々しい表情になり、冷静な口調で話し始める。


「結論から言うが、死者同士の婚姻というのは許してはいない。双方の気持ちを確かめられない上に、他者が勝手に婚姻を進めたら秩序が乱れてしまう」


場の空気に流されない冷静な判断をした国王様に向かって、渉さんはすぐに席から立ちあがって会議室中央に走って行き、すぐさま国王様の方に向かって土下座をした。


「国王様……どうか……どうかお願いです! ……緋月様の悲願を叶えてさしあげてください……!」


渉さんが国王に向かって必死に頭を下げる様子を見て、妃澄さんが立ち上がった。国王様の方を向いて話し始める。


「私からもお願いです。緋月様が亡くなった原因は頬の傷と同様、愛する者からの傷つけられた場合はその傷が塞がらないという法則性に乗っ取ったもの。イヴが茜の身体を乗っ取り、緋月様に致命傷を与えました。イヴも茜を取り込んだことにより緋月様からの攻撃が効くようになり、仕留められました。以上のことから相思相愛であったと証明が可能です。国王様、ご承諾をお願いします」


妃澄さんは深々と国王様に頭を下げた。それに続いて優輝さんも立ち上がった。


「あたしからもお願いします。ずっと恋人も作らないでお高くとまってると思ってたけど……そうじゃなかった。お洒落なんかに目もくれずに茜の為に努力してたって知って、緋月を妬んでた自分が恥ずかしくなったわ。それが緋月の悲願だったなら、国王様、お願いします」


優輝さんも国王様に頭を下げる。

次々と区代表らが立ち上がり、口々に国王様に口添えしていく。


「ぜんっぜん俺に靡かねぇと思ってたら、こういう訳があったんだな。俺は一人に絞れねぇから、そういう気持ちってのは正直わかんねぇけど……緋月が俺じゃない男を選んだんだ。それだけが真実だ。ここまで純愛だと俺も負けを認めねぇわけにはいかない。国王、俺からも頼む」


葉太さんは国王様に向けて頭を下げた。


「国王様、この琉依からもお願いです。緋月様は花を贈りたい相手がいると言っておりました。白い薔薇の花束をご所望でしたが、国王様、白い薔薇の花言葉をご存じですかな? 『純潔』『深い尊敬』『私はあなたにふさわしい』です。まさに緋月様と茜様のことを表す言葉。そう思いませんかな、国王様。ご一考お願いします」


琉依さんは国王様に向かって頭を下げた。


「好きにしたらいい。それをしても緋月が戻ってくるわけじゃないし、こんなものは遺された者の自己満足だ。だがな……国の根幹から何から全部、茜のために支配して作ってしまった。それを終わらせるには区切りが必要だろう? その区切りとしてこの際、葬式でも結婚式でもいいが……いつも黒い服ばかり着ていた緋月に、たまには白衣以外の白い服を着せてやってもいいんじゃないか?」


達美さんは誰に言うでもなく、恥ずかしそうにそう言っていた。


「国王様、僕からもお願いします。正直に言うと……緋月様に恋人がいたということはショックでしたし、未だに緋月様の死も受け入れられていません。達美さんの言う通り、僕らにも区切りが必要です。なら、研究と仕事ばかり熱心にされていた緋月様の悲願を叶える形で区切りをつけさせていただきたいです。お願いします」


佳佑さんも国王様に頭を下げる。


「国王様、僕らは緋月様に認めていただいてここまで来ました。緋月様が認めて信じてくれなかったら、僕らはここにはいません。今度は僕らが緋月様を信じる番だと思います。どうか、国王様お願いします」


蓮一さんも国王様に頭を下げる。

園さんと薫さんは黙ってそれを見ていた。正確に言うなら、薫さんは酷く落ち込んでいて言葉を発することができないようだった。


「おい、薫と園、お前らは何もないのか」


達美さんが2人にそう尋ねる。


「ふふふ……私は発言しても怒られないんですかね?」

「言いたいことがあるならさっさと言え」

「そうですか。私は緋月様が特定の相手と結ばれるというのは反対ですよ? 死んだことで永遠になったのですから、それでいいのでは――――」

「空気読めボケ! 黙ってろ!」


葉太さんは園さんの言葉を遮って怒鳴った。

怒鳴られた園さんは「ふふふ……」といつもの乾いた笑いをしながらそのまま口を閉ざす。


「薫は? お前も反対か?」

「………………」

「黙っていたらわからないだろ。お前もはっきりしろ」

「…………緋月様は絶対正義です……緋月様がしようとしていたことなら、間違いはありません……しかし……もう緋月様はいらっしゃいません……この世に正義はなくなったのです……この世の終わりです……もう終わりなんです……」


ブツブツと喋り出した薫さんは止まることを知らずにしゃべり続けたが、達美さんはそれを無視して話をまとめた。


「まぁ、俺らは満場一致ってことだ」


意見を無視された園さんは「やれやれ」と言った様子で肩をすくめている。

その意見を聞いて国王様は蓄えている灰色の髭を撫でつけた。難しい表情をしながら「うーん」と短く唸る。


「そうだな、皆の気持ちは良く解った。……だが、私は許可をすることは出来ない」


国王様がそう言うと、園さんだけは楽しそうにニヤッと笑った。他の区代表は険しい表情で国王様を弾劾した。


「なんでだよ!? 俺らの話聞いてたか!? おい!」

「こればかりは葉太に同意見です。なぜですか? 国王様。理由をおっしゃっていただきたい」

「いくらなんでも話が分からな過ぎるぞ、国王」


区代表から罵声にも似た言葉が次々と飛び出した。国王様は手を少し上げ、皆を牽制する。不平不満がまだまだあるようだったが、区代表たちは黙る他なかった。

区代表たちを黙らせた後に国王は「まぁ、聞きなさい」と言葉を続ける。


「私は許可できないが……ただな……まぁ、緋月は私の意見など全く聞かずに事を進めるのがいつもの流れなんだがなぁ……?」


全員が見つめる中、国王様はそう言って微笑んでいた。

その言葉で全員が悟っただろう。国王様は表立っては許可できないが、特例を許可してくれたということだ。


「ありがとうございます!」


全員が再度頭を下げて国王様に礼を言った。園さんは「はぁ……」とつまらなそうにしている。

メフィストさんはそれを見て、総合的に話をまとめた。


「かしこまりました。賛同いただけない方もいるとは思いますが、六翼の天使の教会で結婚式を挙げたいと思います。衣服、花の飾りの準備等がございますので、区代表の皆さまにはご協力をお願い申し上げます。挙式の日取りが正式に決定いたしましたら招待状をお送りいたしますのでそれまでお待ちください」


そうして会議は終わった。


光さんは納得している様子はなかったし、園さんも納得できている様子ではなかった。結婚式の日に参列できないかもしれない。

ラファエルの理沙さんも納得はできないだろう。聖也も、他の人も。

準備時間が多少あっても、やはり心の準備はそう簡単にできるものじゃない。日下部さんは式に出られるのだろうか。出たいと言いそうにないが、車椅子が許されるならそれで出てもらってもいいなと僕はぼんやり考える。


具体的な日にちはまだ準備があるから解らないが、もう少し先になるのだろう。

それまでは国の混乱の鎮静化と1区の被害地域の復興に尽力しなければならない。

何をしたらいいか解らない。


僕は緋月様の部屋に戻ると、彼女が座っていない椅子にやけに哀愁を感じた。


――もう……ここに座ることはないんですね……


外から入ってくる暖かい風が、ボロボロのカーテンを揺らしている。

見慣れた風景の一部が欠落してしまったことに、こんなに喪失感があるものだとは知らなかった。




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