クロウラーの巣 後編
デスクロウラーもやっと出てきました。
其の八
そこには巨大な生き物が佇んでいる..
普通のクロウラーが
高さ役2m、長さが役5m程度などと
比べると、そこに存在している
クロウラーは、高さ3.5m長さ9m
はあろうかと言う、生き物であった...
「デスクロウラー」黒に金色の模様、
背中に虹色の尾鰭、
口元には牙が生えている、見ると、
尾鰭から「オーラ」が出ている
何かしらの結界が身体を包み込んでいる
クロウラーとは次元の違う風格を
漂わせているのが皆にも解った...
俺達が、じーー と見ていると、
やっと動き出した様だ、
どうやらこの空間には、
デスクロウラーしか居ないらしく、
デスクロウラーが動く音しか
聞こえてこない、非常にスローに
デスクロウラーが動いていたのだが、
此方を見ながら、急に額の辺りから、
光線を放ってきた...
「うおっ!」マルスの体に、
光の光線がヒットした...
マルスがかなり後方まで吹っ飛ば
されている、大丈夫なのか?
皆がマルスの方へ駆け寄る、
「マルスっ!」
「マルス様っ!」
「マルス!」
ダッダッダッ!
走っている、しかしデスクロウラーは、
ただ見ていてくれはしなかったのだ、
次々に光線を放って来る!
堪らず、岩陰に皆、隠れる...
しかし 光線は岩事破壊して来たのだ、
どんどん隠れる岩が破壊されて行く...
今度はタムリンが狙われ始めた、
避けて逃げ回るタムリン、
しかし隠れる岩がない、やばい!!
と その時、雷鳴が轟いた...
マルスが立ち上がり
サンダーアッシュを打ち放ったのだ...
流石のデスクロウラーも
サンダーアッシュを食らって
怯んでいる.. しかし、
致命症にはなっていない様だ、
かすり傷程度のダメージしか
与える事が出来ていない..
それを確認したマルスは、
次の矢を打ち放つ...
「ビュッ カチン ドカーーン!」
更に次の矢も
「ビュッ カチン ドカーーン!」
連続攻撃だ! 「これでどうだっ!」
「うっ!」
激怒したデスクロウラーが、
マルスに向けて突撃して来たのだ!!
「やべぇ」
マルスが、後ろへ逃げ始める...
その時、ドミニクとタムリンが、
デスクロウラーに、攻撃を仕掛けた!!
思い切り振りかぶり、会心の一撃を
ドミニクは叩き込む..
「グギャャー!」
デスクロウラーは堪らず悲鳴を上げる、
続けざま、今度は、タムリンが
「光剣・ハウアーバーグ」
に必死の思い込めて打ち下ろす..
すると.... 「ハウアーバーグ」から
強烈な光の大剣が具現化し
デスクロウラーに必殺の一撃を
食らわせたのだ...
デスクロウラーの体が縦に真っ二つ
に切られて、二つに分裂している、
見ると切られた部分は、炭化していて、
体液は出て来ない..
デスクロウラーは完全に沈黙している。
「おー! タムリンお主やりおったのぉ♪」
ルゴルが物凄い喜びを表現した...
ドミニクも
「タムリン、やっぱりあんた
凄い奴だね♪」
「タムリンさん、凄い~♬」
クラウディアも大喜びだ!
最後にマルスが
「タムリン... やったな!!!」
タムリンと抱き合う...
ルゴルとドミニクが、デスクロウラーの
死体を調べている、すると、
ルゴルがデスクロウラーの額に
付いている、巨大な宝石を外し始めた!
宝石は、デスクロウラーの身体の
一部のようだ、人間の目の様な、
感じでくっ付いていた、
「ブチッ」っと引き千切りつつ、
くっ付いている
細胞をドミニクが短剣で切って行く...
ようやく外れたのか、
二人が巨大な宝石を持って来る...
「でけぇ」
タムリンが叫ぶ!
「うはっ♪ 大きぃ~♪」
クラウディアが喜ぶ♬
「本当に大きくて奇麗な宝石だね!」...
マルスはそれを見ながら言った、
そして、最初にデスクロウラーが
居た場所へと歩いて行く.....
奥の、小さな洞穴を見ると、
物凄く奇麗なブルーに光る
水晶が、台座に飾ってあった、
「誰がこんな所に飾ったんだ?」
マルスがそんな事を思っていると、
後ろからクラウディアが、
「うわぁ♪ 奇麗ぃ~♪」
と 言って現れた...
タムリン達もやって来て、それを見た
「おー!」
マルスが、その水晶をつんつんして
見る...別に何にも起こらない事を
確認し、安心したのか、
水晶を鷲掴みにした...
すると、水晶の光がマルスを包み込み、
その光がマルスの身体の中へ
入って行ったのだ...
マルスの身体が横向きになり空中に
浮いているマルスの意識は無い様だ..
「マルス!」
タムリンが叫ぶ..
「マルス! マルス! マルス様~♪」
三人が呼ぶ...
しかし反応はない... 暫くしていると、
マルスの身体が地面にゆっくりした
速度で降りて来た....
..................................
皆が心配している頃、マルスは夢の中に
居たのだ...
「マルス起きなさーい」
メリンダの声が聞こえて来る..
「あれれ?」 ここは!
何故か、マルスはベルマ村のメリンダの
家にあるマルスの部屋のマルスのベッド
で寝ていたのだ...
「確か、俺はデスクロウラーを倒して」
奥にある水晶を取った、
所までは覚えているんだが」
何故ここに居るんだ?.....
「うふふ♪ マルスー♡
何してるのー 早く起きて~♪
朝食が出来ているわよー♪」
メリンダが 弾んだ声で、
マルスを呼んでいる.....
マルスは、一階へ下りて行く、
見るとメリンダがエプロン姿で、
コップにミルクを注いでいた...
「お顔を 洗ってらっしゃい♪」
見ると、とても幸せそうな、
メリンダが、見える.....
マルスは言われる通り、顔を洗い、
歯磨きしてから、朝食を食べに、
テーブルへやって来て、食べ始める...
「朝はしっかり食べるのよマルス」
「うん メリンダ叔母さん」
「ダメよマルス、二人の時はメリンダと
呼んでちょうだい!!!
それがダメならメリンダ
お姉さんでも良いわ!!!」
「えー何で~! メリンダ叔母さんは
メリンダ叔母さんでしょー! 」
「違うのマルス、叔母さんと
呼ばれるとババ臭く聞こえるでしょ?
私はまだピチピチなのよ...」
「ピチピチってなーに?」
「えっ!マルスはピチピチを知らないの?」
「うん、知らないよ..」
「そっかぁ、私の体は、まだまだ、
ピチピチのツヤツヤで若いのよ!」
「ふーん、そうなんだぁ! じぁ、
メリンダお姉さん♪」
マルスが言った!
すると
メリンダが喜んで、マルスに
「チュ♪ チュ♪ チュ♪」
と キスをして来る、
「マルスー 愛してるぅ♬」
堪らず、
「大袈裟だよ、メリンダ叔母さん」
と また叔母さんに戻して言った...
「もー マルスの けちんぼ~!!」
と プンプンしだした
そんな二人だけの世界を過ごしていた
のだが、外が騒がしくなって来た、
何事だろうと、外の様子を
メリンダが見に行った、後から、
マルスも見に行く...
「大変だぁー!! ブーマルク共和国の
大軍が、襲って来ているぞぉー!!!」
見ると、もう村の住人を敵の騎馬隊が
殺して回っているのだ..慌てて、
マルスは、ショートソードを取りに
行く、メリンダ叔母さんを守らないと!
家の中に戻り、ショートソードを
身に着け、メリンダと共に、
敵の目を盗みつつ、外へ逃げて行く、
西門の所まで辿り着き、マルスは、
タムリンとフローラを探して来ると、
メリンダにいい、ラーカイムの方へ
先に逃げてと、メリンダに言った!
しかし、メリンダは一緒に行くわ、と
言う事を聞いてくれない、仕方なく
俺達は、一緒に、
タムリンとフローラを探す事にした、
フローラの家へ着いた、
外からフローラと呼ぶ...
するとカーテンの隙間からフローラが
俺達を見て、慌てて外へ出て来た、
タムリンも一緒だ!
俺達はラーカイムへ逃げようと誘い、
西門の方へと路地を走っていた、
しかし...
路地の前を敵の兵士に囲まれて
しまったのだ、後ろへ
引き返そうとするが、
後ろも塞がれてしまっている、
じわじわと追い詰められていく...
「マルス」
メリンダがマルスにくっ付く、不味い!
マルスが前の敵にショートソードを
突き立てる、しかし弾かれ、
敵のロングソードの一撃を食らい、
腕を切られてしまった!
「ぐはっ!」
「マルスっ!!」
メリンダがマルスを必死で庇い
敵のロングソードで貫かれて
しまったのだ!!!...
「メリンダー!!!」
マルスが絶叫する........」
その時、マルスの体が光のオーラに
包まれて行きメリンダの体、
フローラ タムリン、全ての体を
包み込んで行く.....
マルスの前にブルーの光に包まれて
いる宝玉が現れた...
「今 見せたのはイメージです、
マルス貴方の大切な人に危険が迫って
います、直ぐに、その人の元へ
戻りなさい、マルス あなたなら
「運命」を変えられます...」
..............
暫くして、マルスは目覚めた...
「おお、マルス目覚めたか、配したぞ」
「マルス心配させるなよー」
タムリンが言う
「マルス様~♪ もう、
私も心配しましたわ!!」
「大丈夫なのかマルス」
ドミニクが言った
「ええ、 皆 心配ありがとう!
メリンダ叔母の所へ戻らないと!」
マルスが立ち上がって、そう言った、
ラーカイムに、今すぐに戻ると....
「何故なんじゃ? 訳を話せマルス!」
するとマルスは、宝玉にお告げを
見せられた事と、メリンダとフローラに
危険が迫っている事を言われたと
皆に説明をしたのだ...
タムリンが直ぐに、急ごう!
といい、出発したのだ...
................
俺達はロバに乗り、ナザリ村に戻って
来ている、ナザリ村にあるロバの
牧場に、ロバを売って貰いに来たのだ..
そのまま、ラーカイムに
向かいたいからだ...
「ロバの叔父さん、このロバをそのまま、
売って貰えませんか!
ラーカイムに直ぐ出発したいんです」
すると、ロバの飼い主が出て来て、
こう 提案して来た...
その ロバ達は、ちよっと疲れて
いるみたいだ、ロバ小屋から、
元気な、ロバを売ってやろう!
そう言ってくれたのだ!
「おお、叔父さんありがとう、
助かるよ!」
「ハハハ! 困った時はお互い様じゃて!!
では此方に付いておいで」
と ロバ小屋の方へ向かって行く...
俺達がロバ小屋に入ると、
この中から好きなロバを選べと言った!
「気に入ったロバを連れ出しなさい!」
俺達は、それぞれ、気に入ったロバを
見つけ、小屋の外へ連れ出したのだ...
「親父、代金を教えてくれ直ぐ払うよ」
するとロバの親父が言った!
「そうだな、5頭で、銀貨2枚だね、
前のロバを返却して貰ったので、
其処から銅貨500枚引いて、
銀貨1枚と銅貨500枚だね...」
すると直ぐに。ルゴルが銀貨3枚
渡して、こう言った..
「感謝する!!!」
そう言って直ぐに、ラーカイムに、
向け出発したのだ...
....................
マルスは焦っていた..
肝心な時に大事な人の傍に居ないと
言うのでは、どうする事も出来ない、
マルスはメリンダの死を見て
しまっているのだ!
心の底からの恐怖を覚えている、
それはまるで現実にそれが起こった
のを自覚して覚えているようだ、
それ程 生々しいビジョンだったのだ!
しかし心の望みはある! ビジョンでも、
マルスなら「運命を変える事」が
出来ると言っていたからだ!
もしあれが本当の事でも運命を変え、
絶対に、メリンダを救って見せると
心に誓って、ロバを走らせて行く
マルスだった...
タムリンも、マルスと一緒で、
フローラの事を心配しながら、
早く早くと、ロバを走らせている、
こう言う風に離れて、初めて、
フローラの大切さが身に染みて
分かって来ていたのだ、それが
死の危険が迫っているかもしれない
と言う、マルスの話を、
タムリンも信じている、マルスの
焦りを身に染みて感じているからだ!
そんな思いを察知して、ルゴルが言った
「タムリン、気持ちは分かるが、
こんな場所から焦るんじやない!
ロバも労わって乗らんと
肝心な時に、失敗に繋がるぞ」
「はい ルゴルさんすみません」
タムリンが気落ちする...
「タムリン、こう言う時は淡々と、
やれる事を実行して行く!
とにかく、情報も仕入れないとな!」
ドミニクが言った...
ドミニクとクラウディアは、
俺達に付いて来てくれて居た、
ロバの牧場で、ルゴルが二人に
此処で別れるだろう?
と聞いたが、二人はマルス達に
付いて行くと言い出したのだ、
戦利品も、十分にあり、これ以上の
危険の中に行く必要もない二人を
ルゴルは、諭したが、
ドミニクは、あんたらに付いて
行った方が、面白そうだ!
と 言い出し、
クラウディアはマルス様と、
こんな別れ方したくありませんわ!
と 言い出し、結局、
二人共付いて来ているのだ!
.............................
..................
..........
メリンダとフローラは、上等な馬車で、
首都ラーカイムへと向かっている、
この馬車を護衛しているのは、
ムルタイド王国アーマーナイト兵団
統括のグランベル・ロイと、
10名の近衛部隊のメンバー達だ、
1民間人の護衛にしては、
凄まじい護衛の者達だったのだ、
それはそうだろう!
グランベル この人はアーマーナイト
兵団統括の地位にいる王国騎士団
の中でも、TOP10の中の一人なのだ、
しかも近衛騎士といえば、
騎士団の中の騎士団、王を直接守る事も
ある人達なのである、そんな騎士が10名
も付いてるのだ..
知る人が見ると何事かと思うだろう!
途中、何度か襲って来る野党がいたが、
軽く近衛の方があしらって、
追い払ったりしている、この人達
からすると野党なんて雑魚なのだ...
3日目に立ち寄った村、
「スーザ村」にて、食事をしていると、
この村の自警団の方が、グランベル
統括に、話をしにやって来たのだ...
自警団の隊長が話をし始めた...
「ウォルリッシュからの
アーマーナイト兵団の方が滞在
していると言う事を聞きつけて、
お話したく尋ねて来ました、
お食事中なのに、まこと、恐縮
なのですが、急ぎのお知らせにて、
何卒 ご容赦して下さい...」
「あーかまわん、聞かせたい話が
あるなら、聞かせてくれ」
グランベルが言う...
メリンダとフローラも同じテーブルで
食事しているが食事の手を置き、
話に耳を傾ける...
「実は私達の自警団に所属する者の、
親戚の者から、知らせが在りまして、
グリッチ村がブーマルク共和国の
大兵団によって、壊滅させられ
応援に来た王国兵団の方達も全滅
したと言う情報が来ているのです..」
それを聞いた、グランベルが
「それは、誠かぁ!!!」 と
声を張り上げ立ち上がったのだ!
「メリンダ様、フローラ様、私達は
こうしてはいられません、
直ぐにシャーロット様の安全を
確認しにラーカイムに向かいます、
メリンダ様とフローラ様は、
ウォルリッシュに戻られる方が
良いかと思いますが!...」
「いえ、グランベル様、私達も、
シャーロット様の無事を確認して、
一緒に行動した方が良いと思いますわ」
「了解しました、メリンダ様!
では 出立しましよう」
直ぐにメリンダとフローラも
立ち上がり、馬車へと歩いて行く...
「皆、聞いてくれ、話を聞く限り、
もしかすると、首都ラーカイムも
攻撃されている可能性がある、
その時までに作戦を立てて置く、
今は、出来るだけ急いでラーカイムに、
辿り着こう!」
皆が了解の合図を送る...
馬車一台と、近衛兵を乗せる馬9頭が
急ぎラーカイムへと向かって
行ったのだった......
以外な人が結構活躍しました。