97話 番人
作戦を伝えたシンがサニアを振り下ろした。
そのすぐ後にサレサが電撃で追撃する。
「カラカラカラ」
その攻撃をアンデッドは器用に鎌を回転させて防いだ。
そして、その回転をしたまま、今度は体を横に一回転させる。
と、その回転の勢いを使って今までより速い斬撃が青い炎と一緒にシン達に向かって飛んできた。
「よし。レン!今だ!」
「うん!」
レンは待ってましたとばかりに二人の前へ出た。
そして、リナザクラを広げて扇面を斬撃に向ける。
すると、扇面に斬撃が当たり、白く光を放った。
と、次の瞬間、斬撃はアンデッドの方へ戻っていく。
「カラカラカラカラ」
アンデッドは自分の方へ戻ってくる斬撃に驚いていた。
が、アンデッドは鎌を振り下ろしてその攻撃を防ごうとした。
しかし、
「クア!!!」
そうはさせないとサレサが電撃をアンデッドに放った。
すると、サレサの電撃はアンデッドに直撃。
体が痺れ、自由に動かせなくなったアンデッドは自分に帰ってきた斬撃をモロに喰らった。
アンデッドの体は上下に分かれ、鎌を床に落とした。
「上手くいったな。サレサ、ナイスフォローだ」
「クア」
「これで終わればいいけど…」
「アンデッドだからな。油断はできない」
三人は倒れているアンデッドに視線を向ける。
が、特に動かない。
「……少し試しておきたいことがあるんだが」
「「?」」
「ちょっと危険かもしれないから付いてきてくれないか?」
「何する気?」
「こいつの能力をハッキリさせたくてな」
そう言うと、シンは手に付けている盗取、オリフレッドシーフを見る。
「前にサレサに触れた時は力が抜けたみたいなことを言ってたろ。だから、それがアンデッドにも効くのか知っておきたくてな」
「ああ…なるほど。確かに見た目的には筋肉とかもないから分からないもんね。でも、そもそもその神器あんまり使ってないよね?」
「まあな。そもそも近づかないといけないから使い勝手が悪くてな」
「それもそうね。いつもはサニアとイニルを使ってるしね」
「そういうことだ。とにかく、動かない今のうちに試してみよう」
「少し危険だけど分かった」
「クア」
それから三人は倒れて動かないアンデッドへ近づく。
そして、目と鼻の先まで近づくとシンはオリフレッドシーフでアンデッドに触れた。
「触れてるだけでいいんだろうか」
「クア!」
シンの言葉にサレサが首を縦に振る。
肯定しているのだろう。
その後、一分程その状態を維持しているとアンデッドは骨を残さずに消えてしまった。
「消えた…な」
「うん」
「アンデッドがそういう魔物ってわけじゃないよな?」
「うん。前にウィップが作り出したアンデッドはこんな風に消えなかったでしょ?」
「そうだな。てことは、これはこの神器の能力なのか」
「多分、力なんかを奪って生命力を吸い尽くすみたいな感じの神器なんじゃない?」
「私もそんな気がする」
サレサが人の姿に戻りシンへ言ってきた。
「ふ〜ん。倒せなさそうな相手に対しては強いかもしれないな。ただ、近づかないといけないのが大変だが…」
「そこは仕方ないね。神器の能力は私達は選べないから」
「そうだな」
「レンお姉ちゃん、お腹空いた〜」
「ええ…またお腹空いたの?」
レンが困惑の表情を浮かべる。
「だって……」
そんなレンの反応にサレサがしょんぼりしていると、
「まあ、サレサには助けてもらったからな。いいんじゃないか。それにお腹が空いて力が出なかったら大変だろう?」
「それはそうだけど…このままだと私達のご飯がなくなっちゃうよ?」
「えっ?そんなに食べてるのか?」
「うん」
「あはは…」
その後、迷いはしたがサレサへ食べ物を渡した三人は部屋を出た。
部屋の外は今まで通りの変わり映えのしない景色だった。
「これを後何回やればいいんだ?」
シンが愚痴のような言葉を漏らす。
「今までのダンジョンの傾向だと後一つか二つじゃない?」
「だといいんだけどな」
そんな会話をした後、サレサの案内の下、廊下を進んで行った。
しばらく廊下を進んでいると、前方に階段を見つけた。
「また階段か」
「次の階層はどんな魔物がいるか…注意していこう」
「クア」
それから三人は階段を上がっていく。
コン、コン、コンと階段を上がる自分達の音だけが聞こえる。
と、そこでシンが気になったことを口にする。
「まだ階段か?」
一階分は上がった筈だがどこかに続く廊下はない。
もちろんどこかに扉があるわけでもない。
「ここから一気に上へ上がるのかも」
「その可能性はあるな。ただ、リネオスの地下のダンジョンみたいに無限に階段が続くところもあるからな」
「ああ、そういえばそんなこともあったね」
「ここからも警戒しながらいこう」
「うん」
「クア」
三人はそれから階段を上がっていく。
一階、二階とどんどん上へ上へと上がっていく。
と、四階分程階段を登ったところで終わりが見えた。
が、しかし、そこは今までの様子とは違っていた。
「クア」
「扉の前に何かいる」
シンがレンを止めた。
「どうしたの?」
レンはゆっくり階段の先へ目を向ける。
すると、そこには全く動かない鉄のような鎧を身に纏った人型の何かがいた。
「どう思う?」
「あれは、ここの番人みたいな感じなんじゃない?あれの後ろの扉、今までのモノとは明らかに違って物々しいし」
番人の後ろ、硬そうな鉄製でできた扉。
両開きのようで鉄のドアを二つ使っている。
「アレ、動くよな」
「まあ、どう考えても私を倒してから中に入りなさいって感じだしね」
「クア」
「だよな。…どうだ、二人ともいけるか?」
「ここまで来たらいくしかないでしょ?」
「クア」
シンの問いにレンとサレサが応える。
「よし。俺もできるだけ戦うつもりだが…」
「大丈夫よ。私とサレサでなんとかするから、シンはサポートして」
「……分かった。二人に任せる」
「うん」
「クア」
それから三人が作戦を決めると動かない番人の前へ出た。
すると、
「ギ、ゴゴゴ、侵入者…」
三人に気が付いた番人が動き出した。
「やっぱりね」
「クア」
「やるぞ」
警戒し、戦闘態勢になる。
「ここは通さナイ」
番人がそう言うと、背中に背負っていた大剣を両手で持った。
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週1〜3話投稿予定。




