93話 信頼
前に書いていたものです。
レンの為に暫くその場に留まっていると、大分落ち着いたようで体の震えは止まっていた。
「落ち着いたか?」
「うん、ありがとう」
シンがレンに聞くと、レンは苦笑いで答えた。
それから三人は神殿の様な場所から少し離れた。すると、三人の視界に、緑の大地に聳える洋風の城があった。その城は石で出来た円形の外壁があり、何処かの王族が住んでいてもおかしくない程、立派な見た目をしていた。
「これがフロリアの言っていたダンジョンなのか?」
「多分そうでしょうね」
「立派な建物だね」
三人は城を見ながら驚いていた。
「とりあえず、近くまで行ってみよう」
「うん」
「行こう〜」
それから三人は城に入る為に近くまで歩いた。
三人が居た神殿の様な場所から城までは歩いて十分程度で着いた。
すると、城の外壁の一角に分厚そうな石で出来た高さが二十メートル程ある両開きの扉があった。
「近くまで来るとやっぱり大きいね」
「うん」
「というか、こんな大きい扉誰が開けれるんだよ」
人が開けるには大き過ぎる扉を見てシンがそんな事を言っていると、閉じていた石の扉がゴオオオという音を立てて一人でに開いていった。
「何で勝手に開くんだ?」
「中に入れって事なんじゃない?」
「……」
罠の可能性を疑ってシンが渋い顔をしていると、開いていた扉が完全に開いて中に入るのを待っているかの様だった。
「覚悟を決めて行くしかないのか……」
「多分ね」
「どっちにしろ、私たち帰り方分からないから行かないとね」
「ああ……そういえばそうだったな……」
サレサの言った事にシンが思い出した様な反応をすると、面倒そうな表情を浮かべた。
「じゃあ、行くか……」
「うん…」
「うん!」
それから三人は扉の向こう側へ歩いた。
そこは緑の地面に一本だけ緑の葉が生い茂っている木がある中庭の様な場所だった。そして、中庭の様な場所の先には木製で出来た両開きの扉があり、城の中へ入れる様だった。
「二人にお願いがある」
「ん?」
「どうかしたの?」
三人が中庭を歩き、城へと続く扉に向かって歩いていると、シンが唐突にそんな事を言ってきた。
突然の事に二人は不思議な顔をして聞いた。
「ダンジョンっていうからにはそれなりに危険も伴うだろうし、魔物もいる筈だ。だけど、俺は一緒になって戦うって事が出来そうにない。それどころか、走る事さえ儘ならない。だから、色々と迷惑を掛けると思う。」
シンが神妙な面持ちで二人に言った。
「何だそんな事?大丈夫よ!今更改まらなくても」
「そうだよ。シンお兄ちゃんは怪我人なんだから本当は安静にしてないといけないんだからね?」
シンの言った事に二人が微笑みながら言った。
「おお……そうか?悪いな」
シンは二人の反応を見て、キョトンとした顔をしていた。
「困った時は助け合うのが仲間でしょ?」
「うん、うん」
レンの言った事にサレサが同調する様に首を縦に振っていた。
「そうだな」
シンは二人が快く言ってくれた事に感謝していた。そんな会話をしていると、三人は城の扉の前に着いた。
「いよいよだな」
「うん」
「ダンジョンって最初っから分かってるんだったら万が一の時に備えて置かないと」
三人が扉の前で中に入る決心を決めていると、サレサが二人から少し離れたところで魔具の能力を使って魔物の姿へと変身した。
「クア」
サレサが魔物の姿に変身すると、二人の近くに近づいてきた。
「じゃあ、開けるぞ」
「うん」
「クア」
シンが扉のドアノブに手を掛けると、扉を開いた。
すると、開いた扉の先には奥の方まで続く、赤のカーペットが敷かれた長い廊下があった。
そして、廊下の右側の壁には窓が等間隔で並んでいて、そこから太陽の光が射し込んでいた。
「入るぞ」
「うん」
「クア」
そう言って三人は扉を通り、城の中へと入った。すると、その瞬間、一人でに開いた外壁の扉がゴオオオという音を立てて勝手に閉まった。
「なんとなく予想はしてたけど、やっぱり閉まったな」
「うん。これで益々、このダンジョンを攻略しないといけなくなったね」
「ああ」
「クア」
三人はそんな会話を済ませると、廊下の奥へと進んだ。
次回、七つ目のダンジョン
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