92話 六つ目の神器?
階段は黄土色の石で出来ていて、ここに来るまでにあった石と同じ石の様だった。
また、壁も階段と同様、黄土色の石で出来た長方形の石が規則正しい綺麗な壁を造っていた。それから三人が階段を下っていると、階段の終わりが見えた。
「何処かに繋がってるのか?」
「どうだろうね?」
シンの言った事にサレサがそう言うと、三人は階段を下り終えた。すると、目の前には台座から砂が湧き水の様に溢れていた。そして、ふと横に目線を移すと、上から下に砂が滝の様に流れていて、溜まっている砂に流れていた。だが、どういう訳か溢れ出すと言う事も無く、一定の量を保っており、台座から溢れ出ている砂も床を伝ってそっちの方に流れていた。
「これは、なんだ?」
「さあ?」
「多分、フロリアが居るところじゃない?」
シンとレンがこの場所を見て不思議に思っていると、サレサがそんな事を言った。すると、台座の近くが光りを放ち、三人は眩しさから腕を目を隠した。
「お久しぶりですね。」
光が弱くなると、そこにはフロリアが居た。
「フロリアか。」
「はい。」
「ここはダンジョンだったの?」
「ええ。まあ、あなた方は気づいていない様でしたけどね。」
「じゃあ、さっきまでいた所で神器が使えなかったのはダンジョンだったからか?」
「はい。あなた達がさっきまでいた場所は神器を無効化する部屋です。なので、自分自身の力が試されるダンジョンでも少し特殊な場所でした。」
「なるほど、だから神器が使えなかったって訳か……」
フロリアの説明を聞いたシンが納得したと言った口調で言った。
「そういえば、この部屋は宝箱が無いね?いつもフロリアが出てくる場所には神器を渡すからって宝箱があるのに。」
「ああ、その事ですか。」
サレサが言った事にフロリアは何かを思い出したかの様に言った。
「無くて良いのですよ。というよりも、宝箱に入らない神器なので。」
「そんなに大きな神器なのか?」
「ええ。あなた達に渡す神器は、ダンジョンでもある神器です。」
「ダンジョン?」
「それはどういう意味だ?」
フロリアの言っている事に三人は意味が分からず、不思議に思ってシンがフロリアに聞いた。
「あなた方に渡す神器は、普通の神器とはちょっと違い、特殊な神器です。ダンジョンでもあるため注意しながら最深部まで行って下さい。後はなんとかなる筈です。」
「何とかって……そんな無責任な……」
「それで、そんな大きな神器なのにどうやって俺たちに渡すんだ?」
フロリアの話しを聞いたレンとシンが渋い顔をして言った。
「フフフ、安心して下さい。あなた達三人を神器のある場所にまで飛ばします。」
「なんか凄そう〜」
「飛ばす?」
フロリアの話しを聞いたサレサが楽しそうな顔をして言っているのに対し、シンが眉を顰めて言った。
「はい。これ以上は言えないので後は実際に行ってから自分たちで何とかして下さい。」
「そんな他人任せな。」
フロリアの言った事にレンがそう言うと、三人のいる床に黄色い光りを放った魔法陣が三人を囲む様に現れた。
「何だ?!」
「おお〜」
「神器の名は空中移動要塞ルネイリアです。」
「空中?!」
フロリアの言葉を聞いたレンが顔を引き攣ると、三人を囲んでいた魔法陣がより一層光った。すると、次の瞬間、三人はその場所から居なくなった。
「ここはどこだ?」
「さあ〜?」
気がつくと、三人は屋根のある正方形で出来た、壁が無い代わりに白の太い柱がある神殿の様な造りをしているところに居た。
「空中……」
「ど、どうした?」
シンがふと横を向くと、レンが蹲って震えていた。
「見て見て〜!凄いよ〜!」
「ん?」
シンがサレサの声がする方を見ると、サレサが後少し進むと緑の地面が無くなるという崖の様なところで手を振っていた。
「危ないな……ていうか、ここって…」
シンが手を振っているサレサを見ていると、とある事に気づいた。
それは、辺りには物どころか雲一つ無い快晴の空が遥か向こうまで見えていた。そして、視線を少し下にずらして見ると、雲が自分よりも下のところにあった。
「ここは雲よりも上の場所なのか?!」
「怖いよ……」
シンが驚いていると、レンがしょんぼりして言った。すると、サレサが二人に近づいてきた。
「あのね!下で雲がず〜と繋がっててね、ふわふわで柔らかそうな見た目をしてんだよ!」
「そうか……」
サレサが目を輝かせて言うと、シンが返事をした。
次回、信頼
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