表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
90/185

90話 戦いの先に

「クア!」


 魔物の姿を見たサレサが体に電気を帯び始め、警戒している様だった。


「ちょっと、まずいかもな……」


 シンはサニアとイニルを構えながら言った。すると、魔物は全身から白の煙を出しながら武器を構えた。


「二人とも気をつけて!」


「ああ。」


「クア。」


 レンの掛け声に二人が返事をすると、魔物が三人に向かって走り出した。その速さは今までの比ではない程であっという間に三人との距離を詰めた。


「こいつ、明らかに動きが俊敏になってやがる……!」


 魔物の俊敏性に驚いていると、魔物がサレサの方に近づいた。


「クア!!」


 サレサは魔物に向かって電気を放った。だが、魔物はサレサの電気を横に躱すと、透さずサレサに蹴りを入れた。


「クア……っ」


 サレサは魔物に蹴り飛ばされると、ドアの方まで勢い良く飛び、ドアに当たってようやくその勢いを無くした。


「サレサ!!!」


 魔物に蹴り飛ばされたサレサを見て二人が声を掛けた。だが、サレサは魔物の攻撃が余程強かったのか、ドアの近くでぐったりしていた。すると、今度は魔物がレンに向かって勢い良く近づき、持っていた武器を振りかぶるとレンに向かって振り下ろした。レンはそれをリナザクラを閉じた状態で受け止めた。だが、魔物はそれを予測していたかの様な速さで腰を落とすと、右足でレンの鳩尾に蹴りを入れた。


「くぁ……っ」


 レンは魔物の攻撃を受けると、その場にしゃがみ込んだ。


「レン!!」


 シンがレンの名を叫ぶと、魔物はしゃがんだレンに向かって勢い良く蹴りを入れた。すると、レンはしゃがんだ状態でなんとか両腕を蹴ってくる魔物の足に向かって構えると、魔物の蹴りはレンの構えた腕に当たった。魔物の蹴りを受けた止めたレンは、直接体に蹴りが当たらなかったものの、その威力は絶大でレンを壁まで飛ばした。


「う……」


 壁に当たったレンはその場に倒れてぐったりとしていた。


「お前!!!」


 シンは怒りの表情を浮かべながら言った。すると、魔物はシンの方に振り向き、武器を構えた。


「レン、サレサ、今手当てしてやるから待ってろよ。」


 シンはそう言うと、魔物に向かって走り出した。そして、シンは魔物の近くまで行くと、サニアを魔物に向かって突き刺した。それを魔物は左手に持っていた剣でサニアを弾いた。

 そして、今度は魔物が右手に持っていた刀でシンに向かって薙ぎ払った。すると、シンは魔物の攻撃をイニルで受け止めた。

 それからシンは魔物に向かって左足を一歩踏み出すと、右足を魔物の顎に向かって下から蹴り上げる様に攻撃した。シンの攻撃は魔物の顎に当たり、魔物を少し後方に蹴り飛ばした。


(筋肉の所為か重いな)


「シン……」


「レン!大丈夫か?!」


 弱々しい声のレンにシンは心配そうな表情を浮かべながら言った。すると、蹴り飛ばされた魔物がレンの事に気づき、レンの方に目線を向けた。そして、次の瞬間、魔物はレンに止めを刺す為、レンの方に勢い良く走り出した。


「クソっ!!こいつ!!」


 シンは魔物の後を追う様に走り出した。だが、魔物が先に動いた分、距離が出来ており、このままだと、魔物の方が先にレンのところに着くのは必然だった。


「レン!早くそこから離れろ!」


 シンがレンに強く言うが、レンは今までの疲れやダメージからか立ち上がれず、その場に倒れ込んでいた。すると、魔物が先にレンのところに近くと、大きく上に飛び上がり、武器を下に構えて、レンに突き刺そうとしていた。


「レン!!!!!」


 このままだと魔物の武器がレンの体を突き刺してしまう。そう思ったシンは自然とレンの名を叫んでいた。徐々に徐々に魔物がレンに向かって落ちていく中、シンは一心不乱にレンに向かって駆け寄っていた。すると、魔物がレンに武器を突き刺す前に着く事が出来た。だが、魔物は後少しでレンの体を突き刺すぐらいまで近づいていた為、シンはレンの盾になる事しか出来なかった。


「ぐは……っ」


 シンは右肩と左脇腹の辺りに魔物の武器が突き刺さり、口からは大量の血が出ていた。そして、シンの血が辺り一杯に飛び散り、魔物に刺された傷口からは今も血が流れ出ていた。


「シ……ン……?」


 レンは自分にシンの血が大量についている事など気にもせず、唖然の表情を浮かべ、自分の事を庇って血を流しているシンの姿を倒れ込みながら見ていた。すると、魔物はシンから武器を抜き、シンから距離をとった。


「く……っ」


 シンは痛みを堪える様にその場に蹲った。


「シン……」


 レンは血を流しながら蹲るシンの姿を見て、涙を流し、恐怖の表情すら浮かべていた。


「くは……っ、大丈夫か?」


 シンは血反吐を吐きながらも、レンに向かって苦しそうな表情を浮かべながら言った。


「私の心配よりも自分の心配してよ……」


 レンは涙を流しながら震えた声で言った。


「大事な人が目の前で死ぬのは……もう、沢山なんでね……」


 シンが今にも消えてしまいそうな声で言った。すると、距離をとっていた魔物が止めを刺そうとシンに向かって走ってきた。


「シン……お願い……逃げて……」


 レンはぼやける視界の中で見える魔物の動きを見て、震えながら言った。だが、シンは魔物に受けた傷によって動けずにいた。そして、魔物はシンに近づくと、シンに向かって武器を振りかぶった。


「シン!!!」


 レンがそう叫んだ瞬間、魔物に青白い電気が当たった。


「クア!!!」


 サレサは電気を全身に帯びながら、魔物に近づいていた。魔物はというと、サレサの電気によって全身が麻痺しており、筋肉が増えた分、前よりも大きく痙攣していた。すると、怒った表情を浮かべながら魔物に近づくサレサの体から溢れ出るように電気がバチバチと音を立てていた。

 そして、次の瞬間、サレサは体に帯びた電気を魔物の真上に放った。すると、電気は魔物の頭上で留まり、バチバチと弾けるような音と青白い光を増していった。

 そして、次の瞬間、魔物の頭上にあった電気が魔物に向かって物凄い速さで大きな音を立てて、青白い光と共に落ちた。すると、魔物の居たところには塵一つ無かった。


「クア。」


 サレサの首につけていたネックレスが紫色に光り、人間の姿になった。


「大丈夫!?」


 サレサが走って二人の元に駆け寄った。


次回、シンの思い


見てくれてありがとうございます。

気軽に感想や評価、ブックマーク等をして下さい。嬉しいので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ