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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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89話 二回戦

「もしかしたらこの魔物、顔の数だけ復活するのかもしれない。」


「じゃあ、後三回は倒さないといけないって事?」


「多分……。この魔物、ニール村の時に戦った、三つ頭があるアンデットと似ている気がする。」


「ああ、あの時の……」


 レンはシンの話しを聞いて、ニール村の近くにあった墓地の時の事を思い出していた。


「ただ、腕が減ってる分、多少は倒しやすくなっている筈だ。」


「うん。」


「クア。」


 シンの言った事に二人が返事をすると、魔物が武器を構え、三人に向かって近づいてきた。


「気を引き締めていくぞ!」


「うん!」


「クア!」


 三人がそう言って気を引き締めると、魔物が電気でやられた事を根に持っているのか、サレサに向かって武器を振り払った。それをサレサは後ろに飛んで躱すと、体に電気を帯び始めた。すると、それを見た魔物がサレサの電気を帯びる事を阻止しようとして、勢いよく足元を蹴り、サレサに向かって突撃してきた。


「そうはさせない!」


 レンはそう言うと、魔物の前に立ち、リナザクラを開いた状態で構えた。すると、魔物の攻撃はレンの持つリナザクラの扇面に当たった。そして、レンは魔物の攻撃がリナザクラの扇面に当たった事を手に伝わる衝撃で確かめると、魔物がいる扇面とは反対側のレンが構えているリナザクラの扇面にレンは蹴りを入れた。魔物はレンの蹴りの力で後方へと押し飛ばされた。


「よし!」


 魔物がレンによって押し飛ばされると、シンがサニアとイニルを魔物に近づいて薙ぎ払った。すると、魔物はシンの攻撃を左右の四本の腕に持っていた武器で受け止めた。


「流石に倒せはしないか……」


 魔物に攻撃を受け止められたシンがそう言うと、魔物は正面の両腕に持っていた武器をシンに突き刺そうとした。


「今だ!」


 魔物がシンに武器を突き刺そうとした瞬間、シンは魔物の武器を上に弾いて、後方に飛んだ。すると、魔物の後方からサレサが放った電気が魔物に向かってきていた。それを見た魔物は躱そうとするがサレサの電気を躱す事が出来ずに体に当たった。魔物の体はサレサの電気によってさっきと同様、筋肉が痙攣し、動きを止めていた。それを見たシンは透かさず魔物に近づき、サニアとイニルを魔物の心臓目掛けて突き刺した。それからシンは魔物からサニアとイニルを抜くと、魔物がその場に倒れ込んだ。


「上手くいった。これを後二回繰り返さないといけないのか……」


 シンは魔物から少し離れ、額に汗をかきながら少し疲れた顔をして言った。


「シン、大丈夫?」


「ああ、何とかな」


 シンの様子を見ていたレンが心配した顔をして聞くと、シンは平気な顔をしながら返事をした。シン達がそんな会話をしていると、魔物は先程と同様、武器を支えに使いながら体を起き上がらせ、立ち上がった。すると、魔物の左の顔と左側に付いていた両腕が砂の様に崩れ落ち、持っていた武器が床に落ちた。そして、シンの付けた傷は白い煙を上げながら修復した。


「もう一度やるぞ!」


「うん!」


「クア!」


 シンはそう言うと、魔物に向かって走り出した。それを見たサレサも戦闘に備えて再び体に電気を帯び始めた。魔物はというと、シンの動きを見て武器を構えていた。そして、シンが魔物の近くまで近づくと、サニアとイニルを振り下ろした。魔物はそれを右側の腕に持っていた武器で受け止めた。すると、魔物は正面に持っていた武器でシンに向かって突き刺した。それをシンは後ろに飛び、魔物と距離を取りながら躱した。


「サレサ!」


「クア!」


 シンの掛け声にサレサが返事をすると、サレサは魔物に向かって電気を放った。魔物はサレサの攻撃を避ける為、後方に飛んで躱した。すると、サレサの攻撃は魔物の元いた場所に当たり、辺りの床を粉々にした。


「はあああ!!」


 レンは魔物がサレサの電気を躱す事が分かっていたので魔物の背後まで近づき、リナザクラで攻撃をした。魔物はレンの攻撃を正面に持っていた武器で受け止めた。すると、魔物の背面がシンの方を向いた。シンはその隙を突いて背後に勢い良く近づくと、サニアとイニルを魔物に向かって突き刺した。サニアとイニルは魔物の背中に刺さると、シンは素早く抜き、後ろに飛んで離れた。


「はあ、上手くいったな。」


 魔物は背中に刺された傷から床に左膝をついて、剣を支えにして痛みに耐えている様だった。


「サレサ、今よ!」


「クア!」


 レンがサレサにそう言うと、サレサは傷ついている魔物に向かって今まで溜めていた電気を放った。すると、魔物にサレサの電気が当たった。サレサの電気は今までよりも強力だったらしく、魔物の全身を黒く焦げさせ、全身から黒い煙を出しながら倒れていた。


「次で最後だ……」


「うん。」


「クア。」


 シンの予想通り、魔物は黒焦げになりながらも武器を支えにして震えながらも立ち上がった。すると、魔物の右の顔と右側についていた両腕が今までと同じ様に崩れ落ち、持っていた武器が床に落ちた。すると、魔物は全身の傷が見る見るうちに治った。


「ん?なんか、様子が……」


 シンが見ていたのは今までとは違い、魔物の体からサレサの電気を食らった時とは別の白い煙が全身から出ていた。


「シン、あれって……?」


「分からない。でも、嫌な予感がするな……」


 二人がそんな事を話していると、魔物の筋肉が徐々に徐々に大きくなっていった。そして、魔物は今までの魔物の姿とはまるで違い、全身が筋肉室でガタイの良い、如何にも力がありそうな見た目をし、体からは白の煙を出していた。


次回、戦いの先に

 

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