88話 三人VS魔物
三人が話していると、人型の魔物がレンに向かって切りかかってきた。その攻撃をレンは開いてないリナザクラを使って受け止めた。
「能力は使えなくても、普通の物としてなら使えるみたい。」
レンが魔物の攻撃を受け止めながら言った。すると、魔物の後ろ側に付いている両腕がレンに向かって剣と刀を突き刺そうとしてきた。
「レン!危ない!」
魔物の攻撃を見たシンがレンを守る為に魔物に向かってサニアとイニルを振り下ろした。だが、シンの攻撃を魔物は右側に付いている両腕で防いだ。すると、サレサも魔物の攻撃を見て危ないと感じていた様で、魔物に向けて電気を放っていた。サレサの攻撃を見た魔物はサレサの攻撃を避ける様にしてレンから離れた。
「二人ともありがとう。」
「ああ。」
「クア!」
レンが二人にお礼を言って二人が返事をすると、魔物の全ての腕が武器を構えて腰を落とした。
「何かしてくるぞ。」
「うん。」
「クア。」
魔物の行動を見た三人が身構えると、魔物は勢いよく三人のいる方に向かって走ってきた。そして、どんどん距離を詰める魔物があと少しで三人に攻撃が当たるぐらいの近さまで近づいた時、いきなり魔物がくるりと右に回転し始め、見る見るうちに回る速度を上げた。
「何だ?!こいつ!」
今までにない攻撃の仕方に驚いていると、三人に攻撃が当たる頃には、剣と刀で八本あった筈の武器が回転する速さから、一本の繋がっている武器の様に見えていた。
「範囲が大きいからバラバラに離れよう。」
「ああ。」
「クア。」
レンの言葉に二人が返事をすると、三人はバラバラになる様に離れた。すると、魔物はシンに向かって突撃してきた。
「俺か……」
シンは魔物の攻撃に備える為にサニアとイニルを構えると、魔物はそんな事を意図せず、そのまま真っ直ぐシンに向かってきた。そして、魔物がシンに近づき、魔物の持っていた武器が当たる範囲まで近づくと、シンの持っていたサニアとイニルが魔物の持っていた武器と当たり、大きな火花が散っていた。
「こいつ、凄い力だ!!」
シンは魔物の攻撃を受け止めながら徐々に徐々に後ろに下がっていた。
「シン!!」
シンの様子を見たレンが心配して声を掛けた。
「分かってるよ!!」
シンはそう言って、魔物の攻撃受けながら、魔物の持っている武器を上に弾かせる様に力を思いっきり入れた。すると、その瞬間、シンの力によって魔物の武器が上に弾かれ、胴体に隙を作る様にして一瞬、動きが止まった。
「今だ!!」
シンは魔物に出来たほんの一瞬の隙を突いて胴体を蹴り、魔物をシンの前方へ蹴り飛ばした。すると、魔物は手に持っていた刀と剣を刃の無い部分を器用に使って受け流し、体勢を立て直した。
「こいつ、なんだか戦い慣れてるみたいな身のこなしだな。」
シンが魔物の様子を見て渋い顔をしながら言った。
「シン!大丈夫!?」
レンが心配そうな顔をしながらシンに近づいて言った。
「ああ、大丈夫だ。にしても、あの魔物ほとんど隙が無い。三人で上手くやらないと返り討ちにあっちまう。」
「うん。サレサの電気を戦いの中で上手く当てないとね。」
「クア!」
「俺たちがなんとか隙を作るからサレサはその隙を見て電気で攻撃してくれ。」
「クア!」
シンの話しにサレサがコクリと頷いた。三人が作戦を話し合っていると、魔物が武器を構えて三人に向かって走ってきた。
「私がリナザクラで魔物の攻撃を止めるからその隙にサレサが電気で攻撃して。その後はシンが攻撃をして。」
「分かった。それでやってみよう。」
「クア。」
三人が話し合っていると、魔物がすぐ近くまで迫っていた。そして、魔物は三人に攻撃が当たるまで近づくと武器を上に振り上げた。それを見たレンはリナザクラを開いた状態で魔物の前に立って構えた。すると、魔物はレンに向かって振り上げた武器を振り下ろした。レンはそれをリナザクラの扇面を使って受け止めると、魔物が先ほどと同様に背後の両腕をレンの方に向けて武器を突き刺そうとした。
「サレサ!今だ!」
「クア!」
シンの掛け声に合わせてサレサが返事をすると、サレサは体に帯びていた電気を魔物に向かって攻撃した。サレサの電撃は魔物の方に一直線に向かっていくと、レンはサレサの電気が魔物に当たりそうになったタイミングを見計らって後ろに飛んだ。すると、レンと魔物が接触していないタイミングで魔物にサレサの電気が当たった。
「上手くいった!」
「クア!」
サレサの電気に当たった魔物は体が痺れて上手く動けない様でフラフラしながらその場を行ったり来たりしていた。その隙を突いてシンは魔物に近づくと、サニアとイニルを構えて魔物に突き刺そうとした。魔物もシンの攻撃を防ごうと腕を動かそうとしていたが、上手く動かなかった様で、サニアとイニルが魔物の胸の辺りに突き刺さった。
「よし!」
作戦通りにいったシンがそう言うと、サニアとイニルを抜いて魔物の鳩尾を蹴ると、魔物はシンの前方に蹴飛ばされた。そして、シンに蹴飛ばされた魔物はシンに受けた傷が致命的だったのか先ほどの様に受け身をとると言う事も無く、床に倒れた。
「何とかなったな……」
「うん。」
「クア。」
倒した魔物を見ながら三人が安堵の言葉を口にした。すると、倒して横になっていた筈の魔物が剣と刀を床に突き刺しながら支えにして立ち上がった。
「こいつ?!まだ立ち上がれるのか!!」
「まだ、戦わないといけないの!?」
「クア!?」
魔物の姿を見た三人が魔物に対して不安や焦りなどを感じていると、シンが胸の辺りに付けたサニアとイニルの傷が見る見るうちに白い煙を上げて回復して元の状態に戻った。
「な……っ?!」
魔物の様子を見た三人が唖然としていると、今度は魔物の背後にあった顔と両腕が砂の様に崩れ落ち、手に持っていた剣と刀もガチャンと言う音を立てて床に落ちた。
「どういう事……?」
魔物は四つある顔と八本の腕から三つの顔と六つの腕へと姿を変えた。
次回、二回戦
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