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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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82話 矛と盾の扉

 シンが蠍の魔物と戦っている頃、レンとサレサはさっきまでいた闘技場のような場所から暫く奥に進んでいた。道はここに来るまでと同じ造りで出来ており、真っ直ぐな一本道が続いていた。


「レンお姉ちゃん!お腹空いた〜!」


「ああ、ごめんごめん。ちょっと待ってね。」


 レンはそう言うと、肩から背中に下げていたリナザクラ用の巾着袋に入れていたフィニットブックを取り出した。


「そういえば、今すぐに食べれる物が無いけど……」


「え〜、生のお肉とかもないの?」


 レンがそう言うと、サレサは困った顔をしながら聞いた。


「生のお肉?あるけど……食べるの?」


「うん!」


 レンは心配してサレサに聞くと、サレサは笑顔で返事をした。それを見たレンが渋々、フィニットブックから生の肉を取り出すと、サレサに渡した。


「やった〜!美味しそう……」


 レンから肉を貰ったサレサは目を輝かせ、涎を垂らしながら肉を見ていると、じゅるりと音を立てて自分の涎を啜って齧り付いた。


「おいしい?」


「ん!」


 レンがサレサに聞くと、飯を何日も食べていない子供の様にむしゃむしゃと食べながら返事を返してきた。それからサレサは肉を食べながら奥へと進み、レンはそんなサレサの様子を見て困った表情を浮かべていた。

 少し進むと、二人の前にこの場所に来た時と同じ様な扉があるのが見えた。そして、二人は扉の近くまで行くと、扉には盾の模様が彫られていて、その下にはここに来る時に触った扉同様、手を嵌め込むことが出来る窪みがあった。


「この扉さっきの扉と同じだね?」


「うん。」


「ここに来るまで他に道も無かったし、この扉の窪みに手を触れて先に進まないとダメなのかも。」


「シンお兄ちゃんどこに居るんだろうね?」


「う〜ん、その内会えるんじゃないかな?」


 サレサの言った事にレンはどこか不安そうな声色で答えた。


「私たちはシンを信じて先に進もう。」


「そうだね!」


 そう言うと、サレサがレンの体に触れた。そして、レンが扉の窪みに触れると、前回同様、触れたところから青い光りがドア全体へと広がった。すると、青白い光りが二人を包み込んだ。




 その頃、シンは蠍の魔物を倒し、道の奥へと進んでいた。真っ直ぐな道で壁には何かの太くて長い蛇の様なくねくねと波の様にうねっている、だが、どこか違う様な何かの生物の様な模様があった。シンはそれを横目に見ると、先へと進んだ。すると、前の方にここに来る時に触れた扉と同じ様な扉が見えた。


「また扉か……」


 シンは面倒くさそうにしながらも扉に近づいた。

 そして、シンは扉を見ると、中世ヨーロッパの様な剣とどこにでもありそうな槍が交差するように描かれていて、その下には手が嵌りそうな窪みがあった。


「またこの窪みに手を嵌めろって事か?」


 シンはそう言いながら窪みに手を嵌めた。すると、ここに来た時同様、触れたところから青い光がドア全体へと広がり、次の瞬間、シンを青色の光が呑み込んだ。


「ここは?」


 シンが目を覚ますと、そこにはシンの視線の先に今までと同じ扉があった。この空間は縦長の長方形のような造りになっていて、壁には松明がこの空間を明るく照らしながら奥にある扉のところにまで等間隔に置かれていた。


「次から次へと他の場所に飛ばして何の意味があるんだ?」


 シンは不思議に思いながらも扉に向かって歩き出した。扉までは五十メートルぐらいあり、横幅は十メートルほどの今までの部屋と比べると大して大きく無い空間だった。それからシンが扉の方に近づくと扉の両隣の壁にそれぞれここに来る時に見た剣と槍が描かれていた。


「あの模様、さっき見たな。」


 シンが扉の横の壁に描かれている剣と槍を見ていると、何か違和感を感じた。その違和感とはこの空間に来た時の扉に描かれていた剣と槍を見た時と今とでは素材の違いというのか、物凄く本物に近い見た目をしていた。すると、次の瞬間、剣と槍が壁から落ちた。


「何だ!?」


 シンは金属のような音を立てて落ちた剣と槍の方に目を向けた。その時、動かないはずの剣と槍が床に傷をつけながら一人でに動き出した。


「どうなってるんだ?!」


 シンはそう言って、懐からサニアとイニルを取り出すと、剣と槍が空中に浮いた。

 そして、何が起こったのかと困惑しているシンに向かって槍が飛んできた。それをシンは左手に持っていたイニルで弾いた。すると、槍は後方へと弾かれたが床に落ちるという訳でも無く、空中に浮いたままだった。


「何が起きてるんだ?」


 シンは突然の事に何が起こっているのか分からずに困惑していた。


 次回、剣と槍の正体


見てくれてありがとうございます。

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