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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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81話 蠍の魔物の弱点

 蠍の魔物がイニルの斬撃を二つの鋏で防ぐと、魔物は両方の鋏を開いたり閉じたりしていた。


(イニルの斬撃でも大した傷は出来ていない……どうすれば良いんだ……)


 シンがこの魔物の倒し方を考えていると、魔物が今度は自分の尻尾を伸ばして鉤状の尾節をシンに向けて勢いよく突き刺そうとした。


「あぶね!」


 シンは魔物の攻撃を横に飛んで躱すと、魔物の鉤状の尾節が当たったところが白い煙を出していた。


「あれ食らったらヤバイな……」


 シンは魔物の攻撃が当たった部分を見て、そんな事を言った。すると、魔物は尻尾を引っ込め、鋏を上手く使って大きく上に飛んだ。


「そんな事も出来るのか!?」


 シンが驚いていると、魔物はどんどんシンに向かって落ちてきていた。それを見たシンはサニアを魔物に向かって振り払いながらその場を離れた。だが、サニアの斬撃を魔物は鋏で軽々防ぐと、シンのいた場所に鋏を使って器用に降りた。そして、逃げているシンに向かってそのまま追い掛けてきた。


「クソ……でかい割りに器用だな……」


 シンは魔物の様子を見てそんな事を言った。


(あの魔物、サニアやイニルの攻撃は必ず鋏を使って防いでくる。特に警戒する事の無い攻撃だったら、わざわざ何回も鋏を使って防いでこないはずだ。もし、体本体はそこまで硬くなくて、サニアやイニルの攻撃を鋏で防ぐしか守る方法が無いんだとしたら、それに、あの魔物は攻撃するときに必ず体から距離の取れる攻撃をしてくる。如何にかして攻撃をあの魔物の体に当てる事が出来れば、倒す事が出来るかもしれない。一か八か、やってみるか……)


 シンは走っていた足を止めて振り返り、イニルを魔物に向けて薙ぎ払った。すると、魔物は追いかけるのを止めて両方の鋏を前に出してイニルの斬撃を防いだ。イニルの斬撃はさっきと同様、少し傷がつくぐらいでしかなかった。だが、シンは魔物がイニルの斬撃を防いでいる間に魔物の近くまで近づいていた。

 そして、魔物は自分の近くまでシンが近づいていた事が分かると、腕を伸ばして鋏をシンに向けて勢いよく挟むと、シンは魔物の攻撃を上に避けて腕に乗った。すると、シンは魔物の腕を伝って魔物の体の方へと走った。魔物もそれを阻止しようともう片方の腕でシンを攻撃した。シンはそれをイニルとサニアを振り下ろして腕を弾いた。そして、体までもう少しというところで魔物が尻尾の尾節をシンに向けて突き刺そうとした。だが、シンはそれを器用に回転して躱すと、遂にサニアとイニルに攻撃が当たるところまできた。


「よし!これで!」


 シンがサニアとイニルを魔物の体に向かって振り下ろそうとした時、それを察したのか魔物が大きく暴れ出し、シンを振り落とそうとした。シンはなんとか振り落とされないように魔物の体にしがみ付いた。すると、今度は魔物が鋏を使ってさっきと同じ様に空中に向かって大きく飛んだ。


「うわ!?」


 シンは何とかしがみ付きながら落ちないようにした。そして、上まで飛ぶと、だんだん落ち始めた。


「仕方がない、こうなったら。」


 シンは魔物にしがみ付きながらそう言った。だんだんと落ちていく中でシンはタイミングを見計らっていた。そして、シンが今だと決めた時、シンは足で魔物の体蹴ると、そのタイミングでサニアとイニルを薙ぎ払った。すると、サニアとイニルの斬撃が魔物の体に当たった。シンの思っていた通り、体は鋏よりも硬くなかったようで、蠍の魔物を真っ二つにした。


「上手くいった。」


 シンは魔物の様子を見て、上手くいった事に安堵していた。


「ここからだな。」


 シンは魔物が上に大きく飛んだ事によって結構な高さになっていてそのまま落ちると、怪我をするだろうと何となく思っていた。シンは今魔物を蹴った事によって無数にあった柱の一つに向かいながら落ちていた。そして、次の瞬間、シンは柱を蹴り、魔物の方に向かって飛んだ。すると、シンは魔物まで戻り、落ちる時のクッションとして魔物を使った。それから、ドスンという音と共に地面に落ちた。シンは魔物を落ちた時の衝撃のクッションにした為、特に怪我などもする事無く、魔物を倒す事が出来た。


「ふぅ〜、何とかなったな……」


 シンが安堵していると、倒した魔物がどんどん石化していき、次の瞬間、砂のように崩れ、跡形もなく消えた。


「一体どうなってるんだ?」


 シンは不思議に思いながらもこの空間を後にして、先に進んだ。


次回、矛と盾の扉


見てくれてありがとうございます。

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