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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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80話 蠍の魔物

 時は少し遡り、三人が謎の大きなドアに触れてから少しからの事。シンが目を覚ました。


「ここは?」


 シンが目を覚ますと、そこにはさっきまでいたような広い場所で無数の柱があった。


「レン、サレサ、どこだ?」


 シンは辺りを見渡しながら二人の名前を呼んでみた。しかし、どこにも二人の影は無く、返事どころか物音一つしなかった。


「二人はどこに行ったんだ?もしかして、別々の場所に飛ばされたのか?」


 シンは今の状況をなんとか理解しようと今の状況をまとめていた。


「とりあえず、明かりには困らなくて済みそうだ。二人を探しながら少し歩いてみるか……」


 明かりは壁や柱が光っていたので困る事はなかった。シンは二人を探す為、辺りを歩いてみることにした。しかし、二人はどこにも居なかった。


「流石に居ないか、ここから離れて先に進んでみるか。」


 シンはそう言って、その場から離れ、先に進む事にした。

 シンが先に進むと、柱が同じ様な距離を保って等間隔で並んでいた。どこまで進んでも同じ様な造りをしていて、代わり映えのしない景色にだんだんと自分がどこに居るのかが分からなくなってきた。


「さっきもここを通った様な……」


 シンはふと周りを見渡した。すると、無数の柱が等間隔に並んでいるだけの単純な造り。シンは完全に迷っていた。自分が今どこに居て、どっちが北でどっちが南なのか、自分の位置と方向感覚が麻痺していた。


「参ったな……レンが居ないと直ぐに迷っちまうな〜」


 シンは頭を掻いながら改めて自分が方向音痴だというを認識した。それから小一時間、シンはこの空間から出られずに彷徨っていた。


「クソ……、いつになったらここから出られるんだ?」


 シンがどこに行けば良いのか分からず道に迷いながらそんな事を言っている時だった。突然、シンの向いている方からドーンという大きな音と共に地面が揺れた。


「なんだ!?」


 シンは突然の事に何が起きたか分からなかった。シンはそのままその場で待機していると、大きな音も揺れもあの一回だけで、それ以降起こらなかった。


「なんだったんだ?行ってみるか。」


 シンは何が起きたのか気になり、大きな音のした方に向かって歩いた。

 そして、歩いてから暫くすると、前の方に壁があるのが見えた。その壁の途中に大きな何かの石像があり、その下に出入り口らしきものがあった。


「お!やっとここから出られる!」


 シンはようやっと見つけた入り口に安堵していた。そして、シンはこの空間から出るために出入り口に向かって歩いた。すると、その時、出入り口の上にある石像にヒビが入った。


「ん?」


 シンはいきなりヒビの入った石像を不思議に思っていた。

 それからシンがその場で石像のヒビが見る見るうちに広がっていく様子を見ていると、石像は崩れた。


「なんだ?!


 シンは何もしていないのにも関わらず、崩れた石像に驚いていた。すると、石像のあった部分から紫色をした硬そうな殻で覆われた二つの大きな鋏に、尻尾の先端には鉤状の尾節のある体長二十メートルぐらいある蠍の魔物が無数の足を動かして地面まで降りてきた。


「なんだこいつ!?」


 シンは突然現れた魔物に驚きながらも懐からサニアとイニルを取り出して警戒した。

 魔物はというと、大きな二つの鋏を開いたり閉じたりして、ガシンという音を立てながらシンの事を見ていた。すると、魔物は右の鋏をシンに向けて腕を伸ばし、攻撃してきた。それを見たシンはサニアでその鋏に向かって振り下ろした。サニアの斬撃が当たった鋏はその衝撃から軽く後ろに飛ばされた。


「サニアの斬撃で切れないのか?!」


 シンは今までの魔物だったら鋏ぐらい簡単に切っても可笑しくないと思っていた。だが、この魔物は切るどころか、傷すらつかず、軽く跳ね返るぐらいだった事に驚いていた。シンが魔物の硬さに驚いていると、サニアの斬撃を受けた魔物は自分の鋏を見て開けたり閉めたりを繰り返し、大丈夫な事を確認しているかの様だった。


「サニアが駄目ならイニルで攻撃するしかないな。」


 魔物の硬さを知ったシンはイニルの威力なら傷をつけられるかもしれないと考え、イニルを振り下ろした。すると、イニルの斬撃が魔物に向かって飛んでいった。だが、魔物はそれを見て鋏を二つ、自分の前に出して自分を守る様にした。そして、イニルの斬撃が魔物に当たると、魔物の鋏には少しの傷が付く位だった。


「イニルの威力でも駄目なのか……」


 シンは魔物の鋏の傷を見てどうやってこの魔物を倒すか考えていた。


次回、蠍の魔物の弱点

見てくれてありがとうございます。

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