78話 鳥の魔物
「レンお姉ちゃん!起きて!」
「う〜ん……」
レンはサレサに体を揺さぶられて目を覚ました。すると、サレサは心配した顔をしてレンの事を見ていた。
「良かった〜、心配したよ〜」
サレサは目を覚ましたレンを見て、安堵の表情を浮かべていた。
「ここは?」
「分かんない。でも、さっきまでいた場所では無いみたい。」
レンが周りを見渡すと、後ろにはさっきまでいたところと同じ壁があり、前の方には真っ直ぐ奥の方まで道が続いていて、どこかの広い通路の途中に自分たちがいるという事が分かった。
「そういえば、シンは?」
「私が目が覚めた時には何処にも居なかったの。」
「そんな!?大丈夫かな……」
サレサの話しを聞いたレンは心配そうな顔をしてシンの心配をした。
「シンお兄ちゃんならきっと大丈夫だよ!」
「うん……そうだね。」
「私たちは私たちで道を進もっか?」
「そうね、ここにずっといても仕方がないしね。」
サレサに元気付けられたレンはいつもの調子に戻り、二人は道の先に進むことにした。
明かりは壁が不自然なぐらい明るい明かりを灯しており、光源に困ることはなかった。
それから暫く二人が先に進むと、開けた空間に出た。すると、その空間はかなり広く、建物の中だからなのか屋根のある、円形の観客席がある闘技場のようになっている場所だった。
「ここはどんな場所なんだろう?」
「広〜い!」
レンは建物の中なのにも関わらず存在するこの場所に疑問を持っていた。それに比べてサレサはというと、この場所を見て、ただ単純に思った事を言っているだけだった。
それからレンは辺りを注意深く見ていると、自分達が出てきたところと反対側のところに石で出来た鳥のような石像の下に同じような出入り口があるのが見えた。
「あそこに行けば良いのかな?」
「行ってみようよ。」
「うん。」
二人は向こう側にある出入り口に向かって歩いた。すると、二人がこの場所の真ん中まで歩いた時、二人を囲むようにして火がボッという音を立てて燃え始めた。
「どういう事?!」
「なんかヤバいかも。」
二人は突然火が点いて燃え始めた事に警戒していた。すると、二人を囲むようにして燃えていた火が観客席の上の方まで燃え移り、周りがどんどん火の海になっていった。二人がその様子を見ていると、今度は向こうの出入り口の上にある石像にバキッという音を立ててヒビが入った。
「何が起きてるの?!」
「レンお姉ちゃん、私変身するね?」
レンが今のこの状況に不安を感じていると、サレサは何かを感じ取ったのか、魔具の能力を使って魔物の姿へと変身した。
「クア!」
サレサの行動を見て、レンも警戒をしてリナザクラを取り出した。すると、ヒビの入っていた石像に更にヒビが入り、どんどんヒビの大きさが増していった。そして、次の瞬間、ヒビの入った石像が崩れた。崩れた石はそのまま下に落ちて進もうとしていた出入り口を塞いだ。
「キイイイイイ!!!」
石像のところからは、急ブレーキをした列車の様な声を発しながら、緑色の羽毛で赤い目をした、頭に黄色いアホ毛が二本生えている体長三十メートル程の鳶の様な見た目をした魔物が飛び降りてきた。
「魔物!?」
「クア!!!」
「キイイイイイ!!!」
魔物の姿を見た二人に羽を大きく広げて威嚇をした。すると、次の瞬間、大きく広げていた羽を自分を守るようにして体の前で重ねると、アホ毛が黄色に光り出した。
「サレサ、私の近くまで来て!リナザクラで防ぐから!」
「クア!」
サレサはレンの言われた通りにレンの肩に乗ると、魔物の黄色に光っていたアホ毛から黄色の電気が放電された。それを、レンは構えていたリナザクラで受け止めた。すると、魔物の放った電気は魔物の方に跳ね返り、電気を放った魔物自身に当たった。だが、魔物は自分の放った電気を羽で受け止めると、羽を勢い良く開いて、ジッと二人の事を睨みつけていた。
「サレサ、大丈夫だった?」
「クア!」
レンの言葉にサレサは頷いて返事をした。そして、二人は魔物の方を見ると、お互いに目が合った。こうして、二人は突然の出来事に戸惑いながらも魔物との戦いが始まった。
次回、サレサの力
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