77話 六つ目のダンジョン
「何とか助かったな。」
「ふぅ〜……」
三人は穴に落ちると、落ちたところに砂があり、クッションとなったためゲガをする事は無かった。
「大丈夫か、レン?」
「全然、大丈夫じゃない……」
シンがレンに尋ねると、レンは涙を流しながら返事をした。
「レンお姉ちゃん、高いところ苦手なの?」
「うん……」
サレサもレンに尋ねると、レンは弱々しく答えた。
(ここは一体何処なんだ?)
シンは辺りを見渡した。すると、辺りは薄暗く、天井まで三十メートルぐらいの高さがあり、この空間を支えるように無数の太い神殿の柱の様な物があった。自分達が落ちてきたところを見ると、岩が穴を塞いでいたが、隙間から光りが漏れていて、似たような光りが天井の所々から漏れ出していて、その光りが、この空間の光源となっていた。
「レンお姉ちゃん元気出して?」
そう言って、サレサはレンの頭を優しく撫でていた。
「ありがとう。もう大丈夫だよ。」
レンは優しくしてくれたサレサに笑顔でお礼を言った。
「元気になったか?」
「うん。」
「そうか、それは良かった。」
シンはいつも通りのレンの調子に戻って安心した。
「ここが何処だか分かるか?」
「ううん。」
「そうか……サレサはなんか分かんないか?」
「さあ〜?何処だろうね?」
「まあ、そりゃそうか。」
三人は突然放り込まれたこの場所が何処か分からないでいた。すると、この空間の奥の方からビューという音を立てて、強い風が吹いてきた。
「地面の中なのに風が吹いてるって事はもしかしたら外に通じてるのかもしれない。」
「行ってみよう。」
「おお〜」
こうして、三人は風が吹いてきた方に進んだ。
「もしかしたら、この先、暗くなるかもしれないから一応、ライター渡しておくね。」
「おお、ありがとう。」
シンはレンからジッポライターを受け取った。それから数分歩くと、三人の前に壁が見えてきた。
「アレなに?」
サレサが何か気づいたようで、前の方を指差した。そこには、規則正しく造られた長方形の石で出来た壁に、人間が使うには明らかに大き過ぎる、床から地面までの両開きのドアがあった。
「ドア?」
「そうみたいだね?」
三人は不思議に思いながらもそのドアの近くまで行った。すると、そのドアの壁の左右にはそれぞれ何かの生物が彫られていた。左には大きな鳥が羽を広げて飛んでいる姿が彫られていて、右には無数の足に鋏が体の左右に二本生え、尻尾には尾節がある蠍のような姿をした生物が彫られていた。そして、その生物たちが彫られている下にそれぞれ人間の右手が丁度嵌りそうなくらいの窪みがあり、ドアの隙間からは風が漏れていた。
「これは何だろう?」
「この先を進めって事じゃないか?」
「でも、どうやって開けるのよ?」
「丁度、手が嵌りそうな窪みがあるから、そこに手を入れるんじゃないのか?」
「でも、明らかに怪しくない?」
「そうだけど、他にどうしようもないだろ?」
「色々、試してみれば良いんじゃない?」
どうするか話している二人を見てサレサが会話に入ってきた。
「う〜ん、分かったよ…」
レンは渋々といった返事をした。そして、大きな鳥が彫られている下の窪みにレンが立ち、その後ろにサレサが近づいた。蠍のような生き物が彫られている下の窪みにはシンが立った。
「じゃあ、一緒に触れるぞ?」
「うん。」
「せ〜の。」
二人はそう言って、同時に窪みの中に手を入れた。すると、その瞬間、手の触れた場所からドア全体へ青い光りが広がっていった。
「これ本当に大丈夫なの?」
「さあ〜?」
「さあって……」
シンの返答にレンが呆れていると、青い光りがドア全体まで広がり、次の瞬間、その光は二人を呑み込むように強い光を放った。
「レンお姉ちゃん!」
その様子を見て心配になったサレサがレンに触れた瞬間、ドアの前には誰もいなくなった。
次回、鳥の魔物
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