75話 ドーラ到着
シン達はオルターベルンを出発して一週間が経ち、ようやくドーラに着いたところだった。砂漠がある地域の為か、気温は今までの比じゃないぐらい暑く、ただ立っているだけでも汗が出てきた。上を見ると、太陽がぎらぎらと輝いていて、より一層、暑いということが実感できた。そして、ドーラの町並みは木で造られた家では無く、壁が白の石で造られている家がほどんどで、地面も家の壁に似た石を使っている様だった。
「随分と暑いな。」
「ここら辺の地域は一年中このぐらい暑いみたいで、夜になるとそれなりに涼しくなるみたいだけど、ここら辺の地域に住んでない人からしたら十分暑いから気をつけてって、馬車で送ってくれた人が言ってた。」
「あっついよ〜」
三人はドーラの気温の暑さにやられていた。
「とりあえず、トレミアムまでの食料とか必要な物を買おう。」
「そうね。」
「暑いよ〜」
それから、三人はドーラの町を歩いていくと、目的だった食料を売っているところに着いた。辺りには、精肉屋や八百屋などがあり、一通り必要そうな物と水を多めに買った。
「そういえば、あの本の神器の中に入れたら、どうなるんだろうな?」
「どうなるっていうのは?」
シンの質問にレンが不思議そうに聞いた。
「例えば、生の肉を普通に放置して置くのと、神器の中に入れて置くのだと違いがあるのかなって。」
「確かに、言われてみれば試してなかったね。」
「うんとね、多分、時間は進んで無いと思う。」
「何でそう思うんだ?」
二人の会話を聞いていたサレサがそう言うと、シンは不思議そうに聞いた。
「私があれに吸い込まれてからレンお姉ちゃんに助けられて出てくるまで直ぐだったから?」
「なるほど。じゃあ、食べ物とかも神器に入れた方が良さそうだな。」
「じゃあ、人目の付かないところでね。」
そう言うと、今いた場所から少し離れたところまで行ってフィニットブックの中に荷物などをしまった。
「後は何か必要な物とか無い?」
「う〜ん、フード付きの薄手のローブみたいなのかな。」
「え〜、暑そう〜」
シンの言葉を聞いたサレサが嫌そうな顔をして言った。
「親父から聞いた話しなんだが、何でも太陽の光が肌に直接触れるのが良くないんだと。それと、砂漠は夜になると寒くなるから暖かい服装も必要だから大変だって昔言ってた。」
「へぇ〜、そうなんだ〜」
シンの話しを聞いたサレサが関心した様に言った。
「じゃあ、服も買いに行かないとね。」
それから、三人は砂漠の厳しい環境を克服する為、服を買いに行った。そして、服屋に着くと、早速中に入り、色々と見て回った。
「どうせだったら服も色々と買っちゃおっか。」
「まあ、別に良いけど。」
「本当?!じゃあ、もう少し見てみる。」
「おお……」
嬉しそうに言ってきたレンを見てシンは少し驚いた。それから、暫くしてそれぞれが服を選んで買った。
シンは黒のズボンに黒のティーシャツ、黒のショップコートを着て、黒尽くしだった。レンは袖が無い白のレースブラウスにデニムパンツを履いていた。サレサは元々、涼しげな服装だったので服は買わなかった。
「シン……髪も黒いのに全身まで黒ばっかりだったら、黒じゃないところが茶色い目しかないじゃない……」
「まあ……ほら、白のローブがあるから……」
「まあ、似合ってない訳じゃないから良いけども……ね?」
「う〜んとね、まあ、いんじゃないかな?」
「……」
シンの格好を見て、何とも微妙な反応をする二人を見て、シンは何も言えずにいた。
「まあ、新しい服が買えて良かったね、二人とも。」
「おう。」
「そうね。」
「レンお姉ちゃんも良く似合ってるよ。」
「本当に?ありがとう。」
サレサがそう言うと、レンが嬉しそうにしてサレサの頭を撫でた。
「似合ってるよね?シンお兄ちゃん?」
「……ッ!?」
シンは笑顔でサレサにいきなり話しを振られて驚いていた。そして、シンがふとレンの方を見ると、頰を少し赤らめて、目を少し逸らしていた。
「ああ……似合ってるぞ……」
「ありがとう……」
シンが照れくさそうに言うと、レンも照れくさそうに返事をした。
「じゃ、じゃあ、出発するか?」
「そうね……」
「行こう〜!行こう〜!」
こうして、三人はドーラを後にして、トレミアムに向かった。
次回、砂漠
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