72話 今までの冒険
オルターベルンを出発してから一日が経ち、オルターベルンの周りに咲いていた色鮮やかな花々から、緑色の木しかない単調な景色が広がっていた。
「ねぇねぇ、シンお兄ちゃんとレンお姉ちゃんはいつから一緒に旅をしているの?」
「う〜んと〜、どれぐらいだろう?」
「なんだかんだ、もう結構な時間、一緒に旅してるよな。」
「うん。」
「へぇ〜、そうなんだ。二人はどんな旅をしてきたの?」
「どんな旅か……」
サレサの質問にシンが今までの旅を思い返すように言った。
「簡単に説明すると、レンと初めて会ってからは、まず王都リネオスに行って、国の方針を良く思わない反乱勢力の暴動を止めたって事かな。それからは、レンにはレイナっていう妹がいるんだけど、不治の病に罹っててな。それを治すためにダンジョンを攻略したり、色々不治の病を治す方法を探してみたんだけど、中々上手くいかなくてな。それから、俺たちは治す方法が分からなかったけど、レンの故郷のエルナって村に戻る事になったんだ。」
「へぇ〜、それで、それで。」
シンの話しにサレサが興味津津に聞いてきた。
「それから、色々あったけど、俺たちは無事にエルナ村に着いた。そして、レイナに会うと、そこには今にも死んでしまいそうな程弱っているレイナがベッドに横たわってたんだ。レイナに会うことは出来たけど、何も出来ない現状に遣る瀬無さを感じていると、レイナがゆっくりと目を閉じた。」
「ええ〜、それじゃあ、レンお姉ちゃんの妹は……」
「ううん。それがね、」
シンの話しを聞いたサレサが悲しそうな顔をして言うと、レンがそんなサレサを見て話し始めた。すると、レンの言葉を聞いたサレサがレンの方を向いた。
「ダンジョンを攻略した時に手に入れた神器が死んだ人間を蘇らせる能力だったの。だから、レイナは今も元気にしているはずよ。」
「そうなんだ。良かった〜」
レンの話しを聞いたサレサが安堵の表情を浮かべていた。
「それから、今度は旅に出たレンを連れ戻すために村を出たグラートって奴を探す為に、色々なところを旅したんだ。そして、リネオスでやっとグラートに会う事が出来てひと段落ついたんだけど、今度は今も探している俺の兄のニールを追って、旅をしているって訳だ。」
「へぇ〜、なんか聞いただけでも色んなところを旅してるんだね。」
二人の今までの旅をの内容を聞いたサレサが関心したように言った。
「そうね、思い返せば色々な事があったな〜」
「また今度、二人の旅の話しをゆっくり聞かせてよ。」
「うん。」
サレサのお願いにレンが快く返事をした。
「そういうサレサはどんな旅をしてたんだ?」
「私?う〜ん、ここ数十年は特に何も無かったかな〜」
シンの問いにサレサは頭を悩ませながらも答えた。
「規模が凄いな……」
「でも、昔、女の子と一緒に少しだけ旅をした事があったの。」
「へぇ〜」
サレサの話しを聞いたシンが意外といった顔をして言った。
「その女の子は銀髪のショートヘアーに、目は綺麗な紫色をして、年齢はレンお姉ちゃんと同じぐらいだったんだけど、私が立つのもままならないぐらいの怪我をして森の中で倒れていた時に、たまたまその女の子が通りかかったの。それでその女の子は私を見ると、手当てをしてくれてね。それから、怪我が治るまで私の看病をしてくれたの。だから、私は怪我が治ると、その女の子に看病してくれたお礼がしたくて、暫く一緒に旅をする事にしたの。それで、その旅の中で、たまたま手に入ったのがこのペンダントなんだけど、魔具っていう物らしくて、人になれる代わりに力が最大限、発揮出来ないっていう能力なんだけど、今は結構、使ってるから気に入ってるんだ〜。」
「へぇ〜、それ魔具だったのか。」
サレサの話しを聞いたシンが、サレサの首につけていたペンダントが魔具だと知って関心していた。
「それでその女の子とは結局どうなったの?」
「うんとね、ダンジョンも一緒に攻略したりとか、色んな町にもを行ったりしたんだけど、暫く一緒に旅をしたある日、女の子が故郷に帰らなくちゃいけないって言われて、本当はもっと一緒に旅をしたかったんだけど、仕方がなく別れる事になったの。それから、一度も会ってないけど、もう何十年も前の話だから、多分、もうその女の子は死んじゃってるかも。」
「そっか……、そんな事があったんだね。その女の子の名前は知らないの?」
「フラージュって言うの。」
「名前を知ってるんだったら、会いに行けたんじゃないの?」
「うん……、多分、捜そうと思えば捜せたと思う。でも、会いに行って良いのかとかを考えているうちに、なんだか会いに行きづらくなっちゃって……」
「そっか……」
サレサの話しを聞いたレンが考えた表情をして言った。
「でも、また会えるなら会いたいな。」
「そうね。」
三人はドーラに向かう馬車の中で過去の話しをした。
次回、集結?
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