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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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70話 旅に出る前日

 シン達は来た道を戻り、ダンジョンをもう少しで出られるところまで来ていた。


「やっとここまで来たな。」


「うん。」


 二人が外に出ると、辺りは月明かりに照らされて薄暗い夜になっていた。下の方を見ると兵士が三人、警備をしながら待っていた。


「おお、シン様にレン様!」


 ダンジョンから帰ってきたシンとレンに一人の兵士が気づくと、他の兵士もその声に気づいて二人の事を見ていた。そして、二人が階段を下りると、そこに兵士達が近づいてきた。


「ご無事でしたか!」


「ああ、待たせて悪かったな。」


「いえいえ。ところでどうでした?」


「ああ、どうやら兄さんはトレミアムっていう町に向かったと思う。」


「トレミアムですか……、少し遠いですね……」


 シンの言葉を聞いた兵士が難しそうな顔をしていた。


「それはそうと、レン様の肩に乗っているその魔物は一体?」


「この子はサレサ。オルターベルンにいた青髮の女の子の正体です。」


「この魔物が?!」


 兵士の質問にレンが答えると、兵士が驚いた顔をして言った。


「クア!」


 すると、レンの肩からサレサが下りて、首元のアクセサリーが紫色に光り、変身して人間の姿になった。


「これは?!」


「驚いた……」


 サレサの姿を見た兵士達が驚いていた。


「私はサレサ!よろしくお願いします。」


「はあ……」


 サレサが軽い自己紹介をして、頭を軽く下げて丁寧に挨拶すると、その様子を見ていた兵士が呆気にとられていた。


「と、とりあえず、オルターベルンまで戻りましょう。」


「そうだな。」


 こうして、シン達はオルターベルンに向かって馬車を走らせた。


「おお〜、早〜い。」


「落ちないでね?」


「は〜い」


 馬車に乗っていると、サレサに馬車から落ちそうなぐらい体を乗り出して外を見ていたので、レンが心配してサレサに言った。


「ところで、これからシン様たちはどうなさるおつもりですか?」


「う〜ん、兄さんがトレミアムっていう町に向かったっていうのが分かった以上、後を追ってトレミアムまで行こうと思う。」


 兵士の質問にシンが真剣な面持ちで言った。


「そうですか。我々は一度、リネオスに戻ってこの事を伝えに行こうと思っています。シン様達も一緒にリネオスまで戻ってからトレミアムまで向かいますか?」


「いや……、オルターベルンに戻ったらトレミアムの近くまで行ける馬車でも見つけて、それに乗って行こうと思う。」


「そうですか。では、我々で馬車の手配をしておきます。今日はもう遅いので、最短で明日の朝になるのでそのつもりでいてください。」


「ああ。悪いな。」


「いえいえ。」




 それから、暫く馬車を走らせると、オルターベルンに着いた。


「それでは、我々は今まであった事を町に残っていた兵士に伝えるので、先に宿に行ってお休み下さい。」


「ありがとうございます。」


「それでは私たちはこれで。」


 兵士はそう言うと、シン達から離れて町の中に向かって行った。


「それじゃあ、俺たちは宿に行くか。」


「うん。」


 それからシン達は宿に向かった。そして、宿に着くと部屋に入って荷物を置いた。部屋にはベッドが二つにあり、テーブルとイスがある何処にでもある部屋だった。


「早く休みたいけど、お腹減ったな。」


「私もお腹空いた〜」


「じゃあ、ご飯食べよっか。」


 シンが言ったことにサレサも同調すると、そんな二人を見たレンが微笑んで言った。それから宿にある食堂でご飯を頼んで待っていると、少ししてご飯がきた。


「やった〜、ご飯だ〜」


「いただきます。」


 ご飯を見たサレサが嬉しそうにしていると、レンがそう言ってみんながご飯を食べ始めた。すると、サレサが余程お腹が空いていたのか、ずっと何も食べていない子供の様にむしゃむしゃとご飯を頬張っていた。


「そんなにお腹空いてたの?」


「うん!」


「もう少し落ち着いて食えよ?」


 レンがサレサに聞くと、サレサはご飯が食べれて満足そうに笑顔で言った。そんなサレサを見て、シンが呆れた感じで言った。

 この時、シンとレンは後にサレサの食欲に頭を悩ませるとは思ってもいなかった。

 それからご飯を食べ終わったシン達は自分達の部屋に戻った。


「サレサは私と一緒に寝よっか。」


「うん!」


 レンがそう言うと、サレサは嬉しそうにしていた。


「じゃあ、今日は疲れたし、寝るとするか。」


「うん、お休み。」


「お休みなさい。」


 三人はこうしてベットに入って、その日は眠りに就いた。


次回、三人旅の始まり


見てくれてありがとうございます。

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