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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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63話 魔物VS魔物

 二人はワイ路に別れた道を魔物の教えてくれた教えた通りに左の道を進んでいた。暫く歩くと、またさっき通った開けた空間に出た。


「本当にこっちの道で合ってたんだろうな?」


「そんな事言わないでよ。」


「クア!」


 シンが呆れた感じの口調で言い、魔物に疑いの目を向けると、レンは魔物を擁護して不服そうな顔を浮かべていた。そんなレンに魔物は同調して満足そうにしていた。


「……」


 シンはそんな様子を見て不満そうな顔をしていた。

 それから二人は道を進んでいく。道は二人が通ってきた道から向こう側の道まで真っ直ぐ一直線上に出来ている単純な道だった。それから二人は開けた空間の道を進み終わると、先へと進んだ。暫く進むと、今度は今までの開けた空間とは違い、広めの空間で長方形の造りをした空間に出た。この空間の壁には等間隔にちょっとした窪みがあり、この窪みには緑色に光る石が置かれており、空間をその色に染めていた。


「クア!!」


「どうしたの?」


 空間の中に入ると魔物がレンの肩から下り、毛を逆立てて威嚇をしていた。その様子を見ていたレンが不思議そうな顔をして見ていた。すると、空間の奥にある道から何かがこちらに向かって来るのが見えた。


「なんだ!?」


 シンは向こうからやって来る何かに懐からサニアとイニルを取り出し警戒した。シンが警戒していると、徐々にこちらに近づいて来る何かがこの空間の壁にある窪みから光る緑色に照らされてその正体がハッキリと見えてきた。それは四足歩行の赤い目をしたサーベルタイガーに似た、全身をサファイア色の毛が覆い、一つ一つの毛が透き通っているためかキラキラと輝いている魔物だった。手足からは鋭い爪が生えており、その鋭さから爪が当たっている床に傷がついていた。また、上顎からも鋭い牙が二本生えていて、顔の下の方まで伸びていた。


「魔物か。」


「うん。」


 魔物を見た二人はそう言うと、レンが肩から背中に下げていた巾着袋からリナザクラを取り出した。


「グルルルルル〜」


「クアアア〜」


 レンがリナザクラを取り出すと、魔物同士が睨み合い、威嚇をしていた。


「この魔物はこんなに小さいのに何でここまで啀み合えるんだ?」


「この子だって私達と一緒に戦ってくれようとしてるんだから、そんな事言わないでよ!」


 睨み合っている魔物を見たシンがそう言うと、レンが眉間に皺を寄せて言ってきた。


「そうは言っても、あんなに小さい体なのにどうやって戦うんだよ……」


 レンに言われたシンが呆れた感じで言った。


「グルルア〜!!」


 すると、サーベルタイガーに似た魔物が睨み合いに嫌気が差したのか、イタチに似た魔物に向かって走り出した。魔物は見る見るうちに距離を詰めて、あと少しで噛み付ける距離まで近づいていた。


「クアアア!!!」


「なんだ!?」


 イタチの魔物は自分のところまでサーベルタイガーの魔物が近づくと、大きな声と共に体から大量の電気を放電した。その威力は凄まじく、空間全体が青白く光り、近くまで近づいていたサーベルタイガーの魔物はもろにその電撃を食らい、体から黒の煙を出して痙攣していた。


「クア。」


 すると、体から黒い煙を出している魔物を見て、目を瞑り、片方の口角を上げて、キメ顔を満足そうにしていた。


「この魔物、マジか……」


「凄い!」


 シンはそんな魔物の様子を見て困惑していたが、レンは目を輝かせていた。


「グルル〜〜〜」


「!?」


 イタチの魔物の威力に二人は感心していると、黒い煙を上げていた魔物がさっきよりも荒々しい声で唸っていた。すると、上顎から生えている二本の鋭い牙から黄色い澱んだ液体がポタポタと床に垂れた。その液体の垂れた床は溶けて白い煙が上がっていた。


「あれに咬まれたら相当ヤバイな……」


「うん……」


 二人は魔物の牙から垂れている液体の様子を見て警戒していた。


「クア!!」


 魔物の様子を見ていたイタチの魔物が体から全身に青白い電気を纏う様に放電した。すると、魔物の電気は体に電気を帯びた状態を保っていた。


「グルルル〜」


「クアアア〜」


 お互いに警戒しているのか睨み合い、様子を伺っている様だった。魔物同士の戦いを初めて見た二人はそのピリピリとした雰囲気に息を呑んだ。

 すると、サーベルタイガーの魔物が先に動いた。それに呼応するようにイタチの魔物も動き出す。二体の魔物の距離が縮まり、お互いに噛みつけるまで近づいた瞬間、サーベルタイガーの魔物がイタチの魔物に向かって口を大きく開け、牙で今にも噛み付こうとしていた。

 だが、それをイタチの魔物は体に覆っている電気の力を強くしてさっきよりも青白い光りを放っていた。すると、電気に当たったサーベルタイガーの魔物が黒く焦げて横に倒れた。


「これが魔物の力なのか……」


「クア!」


 シンが魔物同士の戦いを見て驚いていると、イタチの魔物は体に電気を帯びたまま二人の方を向いて鳴いた。


「私達の出る幕は無かったね。」


「ああ。」


 二人がそんな会話をすると、魔物の体を覆っていた電気が無くなった。二人はこうして魔物の強さを目の当たりにして、この空間の奥にある道の先へと進んだ。


次回、性格の悪い奴ら


見てくれてありがとうございます。

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