5話 一つ目の神器
フロリアに言われた通り、木製の宝箱をシンとレンは一緒に開けたが、そこには予想通りというか期待ハズレというのかなんとも言い難い、この宝箱にふさわしそうな見た目をした磨かれていない宝石が埋め込まれているペンダントが入っていた。
「これは・・ペンダント?」
そうレンが言うのも無理は無い。それほどに古臭い感じがしていた。
「はい、これは大地の雫と呼ばれるペンダントを模した神器ですわ。」
「こんなのが神器なの?」
「はい、どのようなものかは私からは説明出来ませんが、ちゃんとした神器ですわ。それでどちらが持たれるのですか?」
フロリアがそう言うとシンはレンの方に顔を向けた。すると、レンも同じこと考えたのかレンもこちらに顔を向けてきた。
「レンが持てよ、お前にはこれを売ってお金にするって言う目的があるんだろ?」
「確かにそうだけど良いの?」
「ああ、俺は神器目的で旅してる訳じゃないし、お金にも困ってないからな。」
「ありがとう」
そう言うと、レンはペンダントに手を伸ばし、神器を手に取った。特に何か起こると言うわけでもなく、レンはペンダントを自分のポケットに入れた。
「なんか神器って言うからなんかこうあるかと思ったけど、特に何もないんだな。」
「神器の中にも種類がありますからね、この神器は少し特殊な方です。」
「特殊?それってどう言うことだ?」
「それは教えられません。ただ、彼女が持つのは正しいかも知れませんね。」
「どういう・・・」
そう言いかけた瞬間に今までフロリアがいた場所の光が徐々に無くなっていく。
「それは後に分かるかも知れませんね。神器は使いようで弱くも強くもなります・・・」
そういうと、そこにあった光が無くなりその部屋にはシンとレンだけがいた。
「いったい何だったんだ?それにその神器は結局どういう能力なんだ?」
「分からないわ。でも、これでとりあえずは落ち着いたわね。」
「ああ、とりあえず一度街まで戻ろう。」
「そうね」
それからというもの街に戻るまでは意外に簡単だった。宝箱のあった台座の後ろ側の蔦が無くなり、その後ろから通路が続いていた。そして、その道の通りに進んでいくと、どういう訳か自分たちがダンジョンに入った入り口から出てきた。それから、今まで通ってきた道を戻り、宿まで戻る事が出来た。
「それでこれからどうする?この神器のこともそうだけど、反乱勢力の奴らがどんな事をやるか分からないからな。」
「そうね、神器は反乱勢力が蠢いてる今じゃあ手放すのは危険すぎるわ。まだ、どんな能力かも分からない訳だし。」
「そうだな。とりあえず、数日はここで情報を集めながら、反乱勢力がどう動くのか様子を見よう。とりあえずは寝ようぜ。こんなに時間が経ってたんだな。」
「それもそうね」
こうして、二人の初めてのダンジョンは何事もなく、終わった。
次回、反乱勢力
のんびり書いていきたい。
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