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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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49話 七つの罪人

 ウォーマットの本屋を後にした二人は子供が捕らえられている紫色の屋根をした民家に走って向かっていた。


「あんな適当な返事で良かったの?」


 レンはウォーマットの言った言葉をあやふやな返事で済ませてきた事に心配していたシンに聞いた。


「分からない。でも、その場に行けばウォーマットの言った意味が分かるんだと思う。」


 シンも自分が適当な返事をしてきた事に気づいてはいた様だった。二人は暫く街の中を走っていると、前方に紫色の屋根の民家を見つけた。


「あれの事か。」


「どうする?真っ正面から中に入る?」


「罠か何かあるかも知れないけど、正面から行って直ぐに救出しよう。」


「分かった。」


 二人は走りながらどうやって家の中に入るかを決めた。そして、二人は正面からドアを蹴破って入ると、入って直ぐのところに下へと続く階段を見つけた。


「これの事か。」


「早く行きましょう。」


 二人は家の中に入ると、直ぐに階段を降りた。階段は意外と下まで長く続いており、レンがジッポライターを取り出して、辺りを明るく照らしながら行った。下まで着くと、そこには鉄格子で造られた牢屋があり、中には子供達が六人、一緒の牢屋に入っていた。


「お前達、大丈夫か!?」


「もう心配しないで!」


 二人が声を掛けると、子供達は泣きながら返事を返してきた。


「少し待ってろ。」


 シンはそう言うと、懐からイニルを取り出して鉄格子を切った。すると、子供達が一斉に中から飛び出してきて、レンの方に抱きついた。


「大丈夫?怖かったでしょ?」


 レンはそう言いながら子供達の頭を撫でていた。


「なんか、可笑しくないか?」


 そんなレンの状況を見ていたシンが目を細めながら言った。


「まあまあ。取り敢えず、この場所から出ましょう。」


 レンはシンの言葉に困った顔をしながら言った。その後、二人は子供達を連れて家の外まで戻ってきた。


「ウォーマットは子供達と一緒に七つの罪人がいるって言ってたけどいなかったな。」


「確かに、少し変かも……」


 二人はウォーマットの言っていた言葉を思い出し、不思議に思っていた。


「あのね、私たちを攫った人はね、瞬間移動するの。」


「瞬間移動?」


 攫われていた子供の女の子がそんな事を言ってきて、二人が不思議に思っている時だった。シンの背後に突如として、銀髪のロングヘアーに黒のドレス姿をした少女が白銀に輝くサーベルをシンに向けて振り下ろしている所だった。気配に気づいたシンは体を地面に倒れ込ませながら振り向き、サーベルから出来るだけ距離を稼ぎながら懐からサニアとイニルを取り出して、その攻撃を地面に倒れこみながらなんとか防いだ。


「私の邪魔をしないで。」


「ふざけるな!」


 シンはそう言うと、サニアとイニルでサーベルを押し返した。すると、銀髪の少女は一瞬のうちに距離をおいた。


「どうなってるんだ……」


 シンは立ち直りながらそう言った。シンが立ち上がると、銀髪の少女はサーベルをシンに向けた。


「私にはその子達が必要なの。だから返して。」


 綺麗な紫色の目をし、無表情で抑揚の無い話し方をする銀髪の少女にシンは何を考えているのか、いまいち把握出来ずにいた。


「なんの為にこんな事をするだ!?」


「それは言えない。そういう約束。」


 シンの問いに相変わらず、抑揚の無い口調で返事をしてきた。シンはそんな少女の反応に戸惑っていた。


「お前が七つの罪人の一人ってのは本当なのか?」


「そう。私は七つの罪人と呼ばれるうちの一人、サーシャ・レイオーネ。」


 シンが聞くと今度は拒むこと無く自分の名を言ってきた。


「やっぱり、お前がそうなのか。」


「早くしないと怒られちゃうから加減は出来ない。」


 シンがサーシャと名乗る銀髪の少女が七つの罪人だった事に納得していると、サーシャはそう言って、みんなの目の前から姿を消した。そして、次の瞬間、シンの目の前に現れてサーベルを振り下ろした。シンはその攻撃をサニアとイニルで防ぐ。


「同じ手は通用しないぞ。」


「なら……」


 そう言って、サーシャがまたみんなの前から消えた。そして、次の瞬間、レンの後ろに現れ、サーベルを振り下ろす。レンはそれを感じて、ギリギリのところで躱すとサーシャに向かって、右足で蹴りを入れた。だが、その時、サーシャはもうそこにはいなかった。次に、現れたのはシンから少し離れた所だった。


「あなた達、邪魔をするから嫌い。」


 サーシャはそう言うと、サーベルを二人のいる方向に向けてきた。すると、ここから少し離れた所から大勢の走ってくる足音が聞こえてきた。


「なんだ!?」


 シン達も不思議に思っていると、その音の正体は兵士達がこちらに向かって走ってくる音だった。


「兵士達か、助かった。」


「面倒な事になった……」


 シン達は兵士達に安堵していると、サーシャはそんな事を言った。


「こうなったら……、」


 そう言うと、サーシャがサーベルを兵士達の方に向けた。


「でも……分かった。」


 すると、今まで兵士達に向けていたサーベルを下ろし、独り言を言っていた。


「今度は邪魔しないでね。」


 そう言うと、サーシャはみんなの前から消えた。


「一体、何だったんだ?」


「さあ。」


 二人がサーシャの行動に不思議に思っていると、兵士達が来て今まであった事を説明した。


「ご協力感謝します。これで子供達を親の元に返す事が出来ます。」


「いえいえ。」


 兵士が嬉しそうに二人にお礼を言ってきたので、二人は謙虚に返事をした。ひと段落した頃には空は真っ暗になっていて、この日は宿に戻る事にした。


次回、サントリア出発


見てくれてありがとうございます。

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