45話 四つ目の神器
レンがフロリアに対して不服そうな顔をしていたので、シンが宝箱を開ける事にした。台座に近づいて氷で出来た宝箱を開けると、そこにはパッと見、黒い見た目をした穴あきグローブがあった。
「これは何て言う神器なんだ?」
「それは盗取、オリフレットシーフと言います。」
「へぇ〜」
シンはフロリアから神器の名前を聞くと、宝箱からオリフレットシーフを取り出してよく見て見た。見た目は黒っぽい印象だったが、手の甲には手首からそれぞれの指に向かって白と青の線が交互に交わりながら波のような模様を作っていた。そして、手首の周りにも赤と白の線が交互に交わって波のような模様を作っていた。
「どうする?レンが使うか?」
「ううん、私は良いかな、シンが使って。」
シンはレンにオリフレットシーフを使うか聞くと、レンはシンに向かって微笑みながら言った。
「なら、有り難くもらうよ。」
シンはそう言うと、オリフレットシーフを手に嵌めた。シンは嵌めると何か起こる神器かと思っていたが、特にこれと言って何か起こるという訳では無かった。
「それではまた何処かでお会いしましょう。」
シンはこの神器の使い方を考えていると、フロリアがそう言った後に光りだし、次の瞬間、光がなくなった。
「忙しない奴だな。」
「フロリアなりに何かあるんでしょうね。」
二人は早々に消えたフロリアにそんな感想を言った。すると、台座の後ろの壁が砂のように崩れ、その先には下へと続く氷で出来た階段があった。
「これを行けって事か?」
「今までのダンジョンの事を考えると多分そうだと思う。行ってみよ。」
二人は目の前に現れた下へと続く氷で出来た階段に戸惑いながらも、下へと進んでいく。それから二人は二十分以上階段を下りていた。上ってきた距離を考えれば可笑しくなかったが、ずっとただただ階段を下りるというのも大変だった。それから暫く下りると、やっと階段が終わった。辺りを見渡すと、そこは二人が最初に通った分かれ道のある空間だった。
「ここに繋がってたんだ……」
「最初に来た時はこんな道無かったけどな。」
レンが言った後、シンが直ぐに突っ掛かった。
「全く……最初っからこうなっていれば楽なんだけどな……」
「そう簡単にいかないからダンジョンなんじゃない?」
シンが呆れ気味に言うと、レンはシンのことを見ながら腰に手を当てて言ってきた。
「そうだけどな……」
二人は会話を済ませてダンジョンを後にした。外に出ると風は収まっており、それによって雪も吹き荒れず、来る時とは違って周りが良く見えた。空は気候の所為なのか灰色に染まっており、周りの木々は雪によって緑から白くなっている。
「これから二日かけてエルナまで戻るのか……」
「仕方ないでしょ?」
シンが面倒くさそうに言うと、レンは呆れた顔をしてシンに言った。
「それはそうなんだけどな……それはそうとエルナまで戻ったらどうするんだ?」
「う〜ん、これと言ってまだ決まってないけど、近くにいないんだったら遠くの街まで行ってみないといけないかも。」
「そうか……まあ、何処に行ったか分からないんじゃ、仕方ないか。」
レンの話を聞いたシンは手を顎に当てながら言った。
「まずはエルナまで戻ろ?」
「ああ、そうだな。」
二人はこうしてエルナまで雪道を戻った。
次回、次の目的地
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