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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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44話 グラートの行方

 二人が会話をしていると、人型の魔物が二人に向かって勢いよく走ってきていた。氷で出来ている所為か、さっきの犬の魔物よりは動きは鈍かったが、その大きさから迫力はあった。


「私がリナザクラで攻撃を受けるから、シンはその隙を見て攻撃して。」


「分かった。」


 二人は人型の魔物の攻撃に備えてレンが前でリナザクラを構えて、後ろでシンがサニアとイニルを構えていた。すると、二人まで近づいた魔物は右手に持っていたランスをレンに突き刺してきた。レンはそれをリナザクラで受け止めた。次の瞬間、例の如く攻撃を跳ね返し、ランスを持っていた右腕まで粉々にした。そして、その隙を見てシンはサニアを振り下ろした。だが、魔物はサニアの斬撃をすんでのところで躱し、後方に下がった。


「くそ……もう少しだったのに……」


 シンは顔を顰めながら言った。すると、粉々にしたはずの魔物の右腕が徐々に元の形まで戻り、武器のランスまで完璧に復元していた。


「氷だから体ごと飛ぶ前に壊れたみたい……」


「もう一度やるしかないか……」


 二人が魔物に苦戦して目を合わせながら話していると、魔物はまた二人に向かって走ってきた。二人はさっきと同じ陣形を取り、魔物の攻撃に備えた。だが、魔物はさっきとは違い、上に高く飛んでランスをシンに向かって投げつけてきた。それを見たシンはサニアをランスに向かって振り払った。すると、サニアの斬撃はランスを粉々した。


「そう簡単に倒させてくれないって訳か……」


 シンは今までと同じ氷の魔物だったらさっきと同じ攻撃をしてきたが、この魔物はそうでは無く、状況を判断して距離をとって攻撃してきた。このことから、他の魔物とは違って、より一層、苦戦を強いられるという事が予想できた。そんな魔物の行動にシンは自然と深刻な表情になった。魔物はというと、投げつけたランスの代わりに新たなランスを作って右手に持ち、二人に向かってランスを構えていた。


「シン、もしかしたら、一気に倒さないと無限に復活する魔物なのかもしれない。私が攻撃をリナザクラで受け止めるから、シンはサニアとイニルで魔物の隙を見て攻撃して。」


「物は試しって事か……分かった、それでやってみよう。」


 二人が魔物を倒すための作戦を話していると、魔物が大盾で体を守りながら二人に向かって走ってきた。魔物はそのまま二人のところまでくると、大盾を前にいたレンに向かって振り上げた。レンはそれをリナザクラで受け止めた。すると、リナザクラの能力によって大盾は粉々になり、左腕まで壊していた。たが、魔物はレンがリナザクラを構えている隙をついてレンの真上に飛び、右手に持っていたランスで突き刺そうと右腕を構えていた。シンはその瞬間、サニアを魔物に向かって薙ぎ払った。すると、魔物は上半身と下半身に分かれて、サニアの斬撃の威力から、二人の前方の地面に落ちた。魔物は体が上下に分かれていたが、すぐさま元の状態に戻ろうと復元を始めていた。


「シン、イニルで今のうちに粉々にして!」


「分かってるよ。」


 魔物を見たレンがそう言うと、シンはイニルを振り下ろした。イニルの斬撃は魔物に向かって飛んでいき、魔物を跡形も無くバラバラにした。


「はぁ〜、何とかなったな……」


「ええ……でもあんな魔物もいるなんて……」


 二人が魔物を倒して安堵していると、道を塞いでいた氷が砂のように細かくなり、崩れていった。


「これで先に進めるな。」


「うん、行こっか。」


 二人はこの空間を後にして先に進んだ。道は上り坂の一本道で二人はこの道をどんどん進んでいった。暫く進んでいると、道の先に空間が有るのが分かった。その空間とは氷で造られた台座があり、その上には同じく氷で造られた宝箱がある空間だった。二人はこの空間を見た瞬間に神器がある部屋だという事が分かった。すると、台座の後ろ光りだした。


「フロリアか……」


 シンが腕で目を隠しながらそう言うと、シンの予想通りフロリアが二人の前に現れた。


「随分と遠くまで来ましたね。」


「ここまで来たのはグラートという人がここにいるかも知れないので来たんです。何か知っている事はありませんか?」


 フロリアが二人に感心しているのかそんな事を言うと、レンがここまできた理由を簡単に説明し、フロリアに真剣な表情でグラートの事を聞いた。


「そうですね、そのグラートという人がどんな人なのかは分かりませんが、少なくともここには誰も来ていませんね。」


「そうですか……」


 フロリアの話を聞いてレンが少し残念そうな表情をしていた。


「この近くのダンジョンには誰か来てないのか?」


 フロリアの話を聞いたシンが他のダンジョンならとフロリアに訪ねた。


「そうですね……余り私から言うといけないのでこれが最後です。少なくとも、ここ数ヶ月は来ていないですね。私からはここまでです。」


「そうか……だとしたらグラートは一体どこに行ったんだ……?」


 フロリアの話を聞いたシンはグラートの行方が更に分からなくなった。


「もしかしたら、何かあって行き先を変えたのかもしれない……とりあえず一度エルナに戻ろうか。」


「そうだな。」


 グラートの行方が分からなかった二人は予定通りにエルナに戻る事にした。


「私から一つ質問しても?」


「質問?」


 話が終わった二人にフロリアが質問があると言ってきた。唐突なフロリアの意外な発言に二人は不思議に思った。


「妹さんは元気ですか?」


「ええ、おかげさまで元気です。やっぱり、知ってたんですね。大地の雫に死者を蘇らせる能力があるという事を」


 どこか態とらしく聞いてきたフロリアにレンは少し尖った口調で言った。 


「フフ……ごめんなさい。でも、私は不治の病に効く薬の有無しか聞かれていなかったものですから。その代わりに妹さんの所に行くことを勧めたので良いではありませんか。」


「むぅ……」


 レンはフロリアが全てを知りながら言わなかった事に怒っていたが、結果的にはレイナを救う事が出来たので強く言えずにいた。


「お話はここまでにして、それでは宝箱の中身をお受け取り下さい。」


 フロリアはそう言ってきたが、レンはまだ納得しきっていないのか不服そうな顔をしていた。シンはというと、そんなレンを見て困った顔をしながら頭を掻いた。


 次回、四つ目の神器


見てくれてありがとうございます。

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