40話 エルナ出発
ダンジョンに出発する日の朝、二人は朝食を食べ終わったところだった。
「じゃあ、温熱石を準備したら行きましょう。」
「ああ。それで温熱石って、どんなやつなんだ?」
「ちょっと待ってて下さい。」
シンがレンに温熱石の事を聞くと、キッチンの方に行って、床下貯蔵室から真っ黒な拳骨より少し大きな石を二個とアンティークランタンの容れ物のような物を持ってきた。
「それが温熱石なのか?見た目はただの黒い石みたいだけどな。」
「はい、でもこれを火で温めると所々が赤くなるんです。」
そう言うと、レンは薪用のトングで温熱石を挟むと暖炉の火に温熱石を当て始めた。すると、真っ黒だった温熱石が所々赤くなり、熱を帯びているようだった。
「そしたら、温熱石をこの入れ物に入れて準備完了です。」
そう言うと、レンは持ってきたアンティークランタンの容れ物のような物に温熱石を入れた。温熱石からは熱を帯びているのが分かるぐらい熱を発していて、名前の由来がなぜ温熱石なのか分かるぐらいだった。すると、レンはもう一つも準備をして、二個の温かい温熱石が完成した。
「これで後はリュックとかに付ければ準備完了です。」
「おお〜、確かにこれだけ暖かいと大分楽だな。」
シンは温熱石からの温もりに感動していた。
「それじゃあ、行きましょう。」
レンがそう言うと、レイナがレンに近づいてきて耳打ちをした。
「素直になるんだよ?頑張ってね、お姉ちゃん!」
「……ッ!?」
レイナは耳打ちを止めるとニコニコしながらレンの事を見ていた。レンはというと、レイナの言葉に頰を赤らめていた。
「どうかしたのか?」
それを見ていたシンが気になり、レンに聞いた。
「何でも無いです……何でも無い。」
「そうか?」
レンは小恥ずかしそう言った。シンはそんなレンを見て不思議そうにしていた。その後、荷物を持ち、出発する準備が出来たので二人はダンジョンに行く方向の村の外れに向かう。レイナも村長夫婦もそこまで見送ってくれるようでみんなで一緒に行った。村の外れまで来ると、エルナに来るまでと同じで針葉樹が周りにある小さな道があった。
「気をつけて行くんだよ?」
「すまんがよろしく頼む。」
「うん。任せといて。」
おじいちゃん、おばあちゃんがそう言ってきたので、レンは元気に返事をした。
「シンさん、お姉ちゃんをよろしくお願いします。」
「ああ。」
シンはレイナが頭を軽く下げて、レンの事を頼まれたので笑顔で返した。レンは小恥ずかしそうな顔をしていた。
「じゃあ、行くか。」
「うん。」
シンがそう言うと、レンは返事をした。
次回、吹雪と四つ目のダンジョン
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