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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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38話 レンの幼馴染

 次の日の朝。シンはまだ寝ていた。昨日の夜のレイナの事で疲れているせいか深い眠りについていた。シンは無意識のうちに寝返りを打った。するとその時、シンは顔の辺りに柔らかいプニプニした、何処かで嗅いだ事のある香りのする何かに違和感を感じて、目を覚ました。


「な……ッ!?」


 シンが目を覚ますと、そこには気持ち良さそうに寝ているレンの姿だった。そして、シンはこの時自分の顔の辺りで感じた違和感の正体がレンの胸だった事に気がついた。


「ん〜……」


 レンが今にも起きそうな声を発した。シンはその声にビクついた。すると、レンが目を擦りながら起き、欠伸をすると、シンとレンは目が合った。


「あ〜……おはよう。」


 シンはどうしようも無いだろうと覚悟を決めて、挨拶をした。すると、レンは頰を赤くして、胸を守るように手で覆った。


「朝から人のベッドに入り込んでるだけじゃなくて、私の胸まで……」


 レンは頰を赤らめながらそう言い、眉間にシワを寄せていた。


「違う!これは俺の所為じゃ無い!朝起きたらレンが隣にいたんだ!」


 シンは何とか弁明しようと必死にレンに言った。


「へぇ〜、言いたい事はそれだけですか?」


 レンは目を細めながらシンの事を見ていた。シンは本当のことを言ったはずなのにと思ったが、これ以上何か言っても返ってレンを怒らせてしまう気がして何も言えなかった。するとその時、ドアがノックされて開いた。


「シンさん、こっちの部屋にうちのお姉ちゃんがきてませんか?」


 ドアをノックして入っていたのはレイナだった。どうやらレイナはレンを探しに来たようだった。


「ここに居るよ……」


 シンは困った顔をしてレイナに言った。


「お姉ちゃんが居ないと思ったら、やっぱりこっちに居たのね。」


「レイナ聞いて。今シンが私の……」


「違う!これはそんなんじゃなくてだな……」


 レンがレイナに今あった事を話そうとしたので、シンはレンの言葉に被せるように言った。


「何も違わないじゃん!そもそもなんで私の隣にシンが居るのよ!?」


「はいはい、どうせ朝起きたらお姉ちゃんとシンさんが一緒に寝てたんでしょ?」


 レンが怒った口調でシンに話してきた。レイナはそれを呆れたといった顔をしながら、今あったであろう出来事を指摘してきた。


「そうだよ?朝起きたらシンが隣に居たんだもん……」


 レンはしょんぼりした口調で頰を赤らめながら言った。


「お姉ちゃんは夜中にトイレに行ってから、いつものように自分の部屋のベッドで寝ちゃったんでしょ!?」


「でも、それだったら覚えてるはずだし……」


 レイナの発言にレンがどんどんしょんぼりした口調になって、声が小さくなっていく。


「お姉ちゃんは昨日、お酒を飲んで酔ってたから覚えて無いんじゃ無いの?」


「うう〜……」


 レンはレイナの発言に何も言い返せなくなり、体を小さくしてしょんぼりしていた。


「別にお姉ちゃんが心配することなんて無いでしょ?シンさん、しっかりしてるから。」


「まあ、確かに信頼はしてるけど……」


 レイナはレンを見ながら話していたが、最後の事を言った時だけシンの事を見た。シンはその時、昨日の事かなと思った。レンはというと、反省したのかますますしょんぼりしていた。


「さてと、ほら!朝ご飯食べよ!先に降りてるからね。」


 レイナはそう言うと、部屋を出て行った。


「俺も悪かったよ。今度、なんかお詫びするからそれで元気を取り戻してくれ。」


「ほんとっ!?」


「おお……本当だ。」


「絶対だからね!」


 シンは自分にも非はあったかなと思い、レンに何かお詫びをしようと言ったが、レンが思ったより良い反応したので驚いていた。


「分かったよ。ほら、行くぞ。」


「うん。」


 シンとレンは下の階に降りた。すると、テーブルには朝食が並んでいた。


「よく眠れたかい?」


「はい、ありがとうございます。」


 シンはおばあちゃんにお礼を言った。すると、みんなが昨日と同じ席に座った。


「それじゃあ、いただきま〜す。」


 レイナがそう言って食べ始めると、みんなもご飯を食べ始めた。


「レンとシン君は今日、どうするんじゃ?」


 ご飯を食べていると、おじいちゃんが二人に聞いてきた。シンは特に何かしなければならない事がある訳でもないので、レンの方を見た。


「う〜ん、特に無いけど。」


 レンは色々考えたようだったが、何も無かったようだ。すると、村長夫婦が顔を合わせて、何かを考えているようだった。すると、おじいちゃんが頷き、何かを決めたようだった。


「実はな、今から三ヶ月ほど前の話じゃ。レンが旅に出てから三ヶ月近くが経ち、どんどん体調が悪くなっていくレイナの姿を見兼ねたグラートが、レンを連れ戻して来ると言って旅に出てしまっての。」


「グラートが!?」


 どうやらグラートという人物がレンを連れ戻すために旅に出た事はシンにも分かったが、そのグラートという人物が一体誰なのか全く分からなかった。


「グラートって誰だ?」


「グラートはお姉ちゃんの幼馴染で、結構やんちゃな所もあるけど面倒見の良い、優しい男の人かな。」


 シンがグラートという人物の事を尋ねると、レイナが教えてくれた。


「それでじゃ、レンがこうして戻ってきて、レイナも元気になった今、グラートが旅をしなくても良いという事になるのじゃが……」


「それを伝える手段が無いと……」


「そうなんじゃ。」


 おじいちゃんの説明でレンは何を言いたいか理解したようだった。


「旅をしてきて疲れてるとは思うが、グラートを連れ戻してきて欲しいのじゃ。」


 おじいちゃんは申し訳なさそうに頼んできた。


「何か当てはないの?」


「ん〜、とりあえずはどこか近くのダンジョンに行ったとかいう話は聞いたのじゃが、如何せん、レンがどこにいるか分からないかったのでな。グラートも何処に行ったかは何とも言えんのじゃ。」


 レンの質問におじいちゃんが答えたが、これといった情報はないようだった。


「因みに如何してダンジョンへ?」


「恐らくじゃが、レイナの為じゃろうな。昨日のような事ができるのは神器ぐらいじゃからのう。レイナを治すことができればレンを探しに行かなくてもいつかは帰ってくると踏んだのじゃろう。」


「そっか……」


 おじいちゃんの考えにレンは何かを考えていたようだった。


「でも、ダンジョンに一人で行って大丈夫なのか?」


 シンはグラートが一体どんな人物なのか分からなかったので、身の心配をした。


「グラートは私よりも力はありますからね。多分、大丈夫だと思います。」


「へ〜、そうなのか。」


 シンはグラートの心配をしたが、レンの話を聞く限りだとその必要は無さそうだった。


「とりあえず、分かったわ。明日になったら、近くのダンジョンに行ってみましょう。」


 レンは何となく今の状況を把握して、シンの方を見てそう言った。


「それもそうだな。どこ行ったか分からない以上、何処に行っても同じだしな。」


 レンの提案にシンは快く返事をした。


「そうと決まれば、早速準備しましょう。」


「まずは、ご飯食べてね、お姉ちゃん?」


 レンがそう言うとレイナが目を細めて言った。


次回、姉妹の会話


見てくれてありがとうございます。

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