36話 レンとお酒
料理が出来るまでシンは村長夫婦と、レンに出会ってから今までの事を話していた。話している間、レイナとレンが楽しそうに料理を作っており、出来た料理からテーブルに並べられた。
「よ〜し、これで最後、みんなで食べよ!」
そう言うと、レイナはテーブルに料理を置いて、席に着いた。レンもレイナに倣って席に着いた。シンの横にレンが座り、テーブルを隔てて向かえに村長夫婦とレイナが座るという席配置になった。
「では頂くとするかの。」
村長がそう言うと、みんなが料理を装って食べ始めた。テーブルにはローストビーフやとりの照り焼き、葉物のサラダに魚の煮付け、たまごスープと木のカゴに入ったバケットが置かれていて、栄養バランスの取れた美味しそうな料理が並んでいた。
「そういえば、」
暫く食べていると村長が何かを思い出したようにそう言って、キッチンの方に行き、床にある蓋のような所を開けて、床下貯蔵室からワインを持ってきた。
「こんな時ぐらいじゃないと飲まないからの〜。みんなで少し飲もう。」
そう言うと、ワインをテーブルに置いてキッチンの横の食器が色々入っている棚からグラスを四つ持ってきた。
「レイナは今日の主役だけどまだ成人してないから飲んではだめよ。」
「分かってるよ。」
おばあちゃんがレイナにそう言うと、レイナは口を尖らせながら眉を顰めていた。
「シン君はお酒は飲めるのかね?」
「一応飲めますけど、そんなに強くはないですね。」
村長の問いにシンは答えた。すると、シンはとある事が気になった。
「そういえば、レンってお酒飲めるのか?ずっと一緒だったけどお酒の話とかしなかったからお酒に強いのかとか知らないんだけど。」
シンはそう言いながらレンの方を見た。
「私は……そんなに強く無いですね。」
シンの質問にレンは微妙な間を空けて言った。
「そんな、じゃないでしょ?というか、めちゃくちゃ弱いじゃん。お姉ちゃん、十八歳の誕生日に飲んだ時には一口でベロベロに酔っちゃったじゃん。」
レイナがレンの言葉を聞いて、呆れたという顔をしながらレンのことを見てそう言った。そんな話をしている間に、村長が全部のグラスにワインを入れ終えた。
「あの時は初めてだったから仕方がなかったの。それに、今言わなくたっていいじゃん!」
レイナの方を見ていたレンが、頰を赤らめて、シンの方を見た。それから、レンはレイナの方を向き直し、ワインの入ったグラスを手に持った。
「あの時から半年以上経っているんだから、もう飲めるもん。見てなさい!」
そう言うと、レンはワインの入ったグラスを口元に近づけて、一気に全部飲み干した。すると、レンは見る見るうちに顔が赤くなっていき、目はとろんとしていた。
「ほら、見らさい!れんれん酔ってらいれす!」
レンは完全に酔っていた。呂律が全然回っていなく、体が少しフラフラしていた。だが、レン本人は酔っているという自覚が無いようで、嘲笑したドヤ顔をしていた。それを見たレイナが困まり果てた顔をしてレンの方を見ていた。
「ああ〜、お姉ちゃんこれ何本に見える?」
レイナはそう言うと、右手を出して指を二本開いてレンに見せていた。
「数字ろ、ご!」
レンは元気一杯に答えて、右手を出して指を四本開いてレイナに見せていた。それを見たレイナは手を額に当てて、呆れたという顔をしている。
「はいはい。もう寝ようね〜」
レイナはそう言うと、レンのところまで歩いて腕を持った。
「ほら、お姉ちゃん!立って!」
レイナはレンを立たせようと腕を引っ張るが、レンは酔っているせいか全く動こうとせず、椅子に座ってフラフラしていた。
「れ〜、レイナとシンで連れれって〜」
「ほら、行くよ!お姉ちゃん。」
「俺もか!?」
レンは酔っ払いながらレイナとシンの名前を呼んだ。レイナはそんな事気にせずにレンを連れて行こうとしていたが、シンは自分の名前が呼ばれた事に驚いていた。
「シン〜おれが〜い、ダメ?」
酔ったレンがシンに上目遣いで言ってきた。レンの目はとろんとしており、髪を結んでいたレンの普段とは違う雰囲気にシンは顔を赤くした。
「分かった。分かったから。」
そう言うと、シンはこれ以上レンの事を見ていると更に顔を赤くしてしまう気がしたので、レンの腕を自分の肩に回して、レイナと一緒にレンを二階のレイナの部屋にまで連れて行く事になった。
次回、レイナの考え
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