35話 レンとレイナ
レイナが生き返り、元気になったという事が村中に伝わり、村にいる人が全員入れ替わりで見舞いに来るという事態になっていた。レンはというと、レイナに泣きながら抱き付いていたが、少しして落ち着いたのか泣かずに抱き付くのはやめてレイナの隣に座り、手を握っていた。レイナは色々な事が一気に起こって大変そうにしていたが、笑顔でお見舞いに来てくれた村人に対応していた。お見舞いが全員終わる頃には夜になっていた。
「ねえ、お姉ちゃん、もういいでしょ?」
「いやだ……」
レイナが呆れたと言わんばかりに眉を顰めながら困っていたが、レンはそれでも一緒に居たいらしく手を繋いでいた。
「もうこんなに遅くなってしまったからね。すぐに何か料理を作るから待ってな。」
「ううん。久しぶりに私が作りたい。」
お婆ちゃんがそう言うとレイナがそんなこと言った。
「ね、お姉ちゃん!久々に一緒に作ろうよ。」
「うん。一緒に作るなら良いよ。」
レイナがレンに料理を一緒に作ろうと誘うと、レンはどこか不貞腐れながら言った。
「やった。」
レンはふてくされ気味に言っていたがレイナは笑顔で喜んでいた。
「じゃあ、お願いしようかね。久々だから包丁で指を切らないように気をつけるんだよ。」
「はいはい、分かってるって。ほらやろう、お姉ちゃん。私、上に行ってヘアゴム持ってくるから待ってて。」
「う、うん。」
そういうとレイナは吹き抜けの階段を上がり、二階に行った。レンは仕方なく了承した感じの返事をしていた。家は二階建てのログハウスでドアを開けると、レイナが寝ていたベッドがあり、ベッドに向かって右側に窓があり、窓からは村の道や家が見えていた。左側はリビング、その奥にはキッチンがあり、横にドアがある。ベッドの少し離れたところには暖炉が薪を燃やし部屋を暖めていた。更に暖炉のそばには木製のテーブルと椅子があり、恐らく食事はここで取っているのだろう。レイナが上がっていった階段は暖炉の向かえにあり、広過ぎず狭過ぎず、住みやすそうな家の作りをしていた。
「さあ、じいさんもレンのお連れさんもこっちの椅子に座って。この子たちが料理を作ってくれるそうだから、その間に色々話を聞かせておくれ。」
「それもそうじゃな。わしも気になるしの〜。」
「は、はい。それじゃあ。」
おばあちゃんがそう言うと、テーブルに村長夫婦とシンが座った。
「あの〜、なんと呼べば良いですか?」
「この歳になって呼び方なんてなんでも良いさね。好きに呼びな。」
「はい。」
シンはこれから話をしていく上でなんと呼べば良いか聞いたが、村長夫婦はなんでも良いらしかった。すると、上にヘアゴムを取りに行っていたレイナが階段を下りて戻ってきた。
「はい、これお姉ちゃんのね。こっちは私の。」
そう言うと、レイナはベッドにいるレンに三日月の形をした上半分が水色で下半分が白色をしたアクセサリーが付いてあるヘアゴムを渡した。レイナはというと、星の形をした上半分が水色で下半分が白色のレンと付いているアクセサリーの違うヘアゴムを持っていた。二人はそのヘアゴムで髪を結んで、髪型をポニーテールにした。そして、二人は料理を作るためにキッチンに移動した。二人の後ろ姿は流石は姉妹というべきか、髪の長さとヘアゴムの違い以外はほとんど変わらなかった。
「似合ってるな。」
シンは二人の姿を見て、率直な感想を言った。すると、二人はシンの方に同時に振り返った。
「そうですか?」
「ほんと!?やった〜」
レンは照れくさそうにしており、レイナは純粋に喜んでいた。すると、レイナが何かを思い出したような顔をした。
「そう言えば、あなたが誰だったか聞いてなかったわね。」
「ああ、そうだったな。俺はシンだ、よろしく。」
「私はレイナ。レンの妹です。」
レイナとシンは本当に簡単な挨拶をした。
「にしてもね〜」
レイナはそう言うと、レンの方を見た。
「どうかしたの?」
レンはレイナが自分の方を見たことを不思議に思っていた。
「いえいえ、なんでもない。じゃあ、早く作っちゃお!」
「変なの。」
そう言うと、二人は料理を作り始めた。二人が料理をしている間、シンは村長夫婦と今までの事を話した。
次回、レンとお酒
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