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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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29話 ダンジョン脱出

 二人は神器を貰った部屋から階段をずっと登っていた。


「にしても、そんなにその神器が気に入ったのか?」


「はい!凄く気に入っています!」


「おお、そうか……」


 レンの今までにない情熱にシンは圧倒されていた。すると、階段を登っていた二人の前に壁が現れ、行き止まりに差し掛かった。壁は石造りで出来ており、一つだけ石が飛び出ていた。


「フロリアが言ってたのってこれの事か?」


「そうでしょうね。」


 シンはフロリアが言っていた事がこれの事かと疑問に思いながらも、飛び出ていた石を押した。すると、石がすっぽりと嵌り、おうとつの無い壁になった。だが、次の瞬間、今まで突き出ていた石を嵌めたせいなのか、他の石が飛び出した。


「おい、どうなってるんだ。」


「もう一回嵌めるんじゃないんですか?」


 そういって今度はレンが石を嵌めた。すると、さっきと同じように他の石が飛び出した。二人が何回か石を嵌めるのを繰り返すと、壁が崩れて二人が入ってきた入り口の近くの道に出た。


「へ〜、ここに出るのか。」


「入り口に近いところに出られて良かったですね。一度、船に戻りましょう。」


「そうだな。」


 二人は入ってきた入り口まで狭い道をくっつきながら歩いた。二人は緊張と気恥ずかしさからそっぽを向きなが歩き、入っていた入り口からダンジョンの外にでた。二人は密着した状態からすぐに離れたがドキドキが止まらず、顔を赤らめていたためお互い顔を見る事が出来なかった。そのまま階段を降りて下まで行く。すると、二人が地面に足を着いた時だった。ゴオオオという大きな音と共に辺りが揺れた。


「地震か!?」


「急いで船まで戻りましょう。」


「ああ。」


 そういうと、二人は走って船のある場所を目指した。すると、二人がある事に気がついた。渦潮がだんだんと縮まっていた。


「なあ、さっきより渦潮が縮まってないか?」


「ええ。急がないとマズイですね。」


 二人は急いで船に戻る。その間にも、徐々に渦潮は狭くなっていき、二人が船まで後ほんの少しというところで、渦潮が船に届き、流されようとしていた。


「ギリギリだな。レン、飛び乗るぞ!」


 そういうと、少し前を走っていたシンがレンをお姫様抱っこで持ち上げた。


「な……ッ!!」


 レンは真っ赤な顔をしてシンの顔を見た。


「仕方ないだろ……!?」


 すると、シンも顔を赤くしてレンの顔を見た。次の瞬間、シンはレンをお姫様だっこしながら船に飛び移った。すると、渦潮は船を動かした。船は渦潮の流れに乗って辛うじて海上に向かっていた。


「危なかったな……」


「……そうですね。……あの、下ろしてもらっても良いですか……」


 シンは照れくさそうな顔で言うと、レンは顔を赤くしながら下を向いて言った。


「ああ……悪い……」


 シンが照れながらそう言うと、レンを下ろした。レンは下を向き、持っていたリナザクラで顔を隠し、しゃがみながら何も言わなかった。そうしている間にも徐々にだが船は海上に向かっていた。暫くすると、渦潮は小さくなり、二人がいたダンジョンを呑み込んだ。それからもどんどん渦潮は小さくなり、渦潮の流れが弱くなると船は無事に海上にでた。すると、渦潮は無くなりそこに何も無かったかのように静かになった。外は夕方になっていて、夕陽が凪の海に反射してキラキラと輝き、とても綺麗な景色だった。


「あんた達大丈夫か!?」


「ああ、大丈夫だ。」


 船の乗員が心配して二人に話し掛けてきたので、シンは返事を返した。


「レン?大丈夫か?」


 シンはしゃがみながら動かず、返事をしなかったレンを心配して聞いた。すると、レンはしゃがみながらシンの方に顔を向けた。


「エッチ……」


「な……ッ!?俺何もしてないぞ!?」


 しゃがみながら上目遣いで言っていたレンにシンはドキドキしながら、レンに誤解があると言う事を伝えた。シンはレンがその時どんな表情で言っていたのか真っ赤な夕陽で良く見えなかった。


次回、ラクタート到着


見てくれてありがとうございます。

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