27話 緑色の目の持ち主
二人は鰐のいた空間から先に進んでいた。道の大きさは落ちてくる前の道とは違って余裕がある為、二人は並びながら前に進んでいく。
「み、道が広くて良かったな。」
「そ、そうですね。良かったです。」
二人はなんとなく声色に残念という気持ちを込めながら話したが、気恥ずかしさからかそれ以上会話が続く事はなかった。無言のまま先に進んで行くと二人の前の道に、水が道の天井から流れて薄い水の壁が出来ているところにきた。辺りは水で濡れていて、足元には水が流れてきており、歩く度にぴちゃぴちゃと音をたてた。
「綺麗ですね。」
「ああ。でもなんのためにあるんだろう。」
レンが流れている水の光景に感動をしている中、シンは理屈を考えていた。
「せっかく綺麗なのにそれだけですか?」
「それはそうだけど、この先がどうなっているか気になるだろ?」
レンがシンの返事に眉を顰めていると、シンは薄い水の壁を手で遮って先に進んだ。レンもシンに置いて行かれないように後をついて行った。薄い水の壁の向こう側にくるとそこには、さっきの空間よりも大きなところに出た。その空間とは建物の中なのにも関わらず、地面が土の大地で緑の草が生えており、その緑の大地を分けるように何本もの小川が流れていて水の草原という表現が合っている。そして、このダンジョンの特徴だからなのか水が青白く光っており、神秘的な景色が広がっている場所だった。
「すごく綺麗ですね。」
「ああ。これは綺麗だな。」
神秘的な光景にレンだけではなくシンも感銘を受けるほどだった。二人はこの空間の真ん中へと進んで行く。
「なんのためにあるんだろう?本当にダンジョンってのは分からんな」
「でも、綺麗だからいいじゃないですか。」
シンが不思議に思っていると、レンは水を見ながら言った。水の光がレンの体を青白く映し、目も元の色と相俟ってさらに青白く光り輝いて見えた。シンはその光景に見惚れていた。すると、この空間の奥の道から何かが水を掻き分けながら近づいてくる音が聞こえてきた。
「何かくるぞ。」
「はい。」
二人が警戒していると、そこに現れたのは全身が大きな樹木の幹で出来ていて、目は緑色をした、全長五十メートルはある大きな蛇だった。
「なんだあれ!?」
「蛇ですかね?」
二人が驚いていると、その大きな蛇がこちらに向かってきていた。シンは懐からサニアとイニルを取り出し、レンは腰を落として二人とも戦闘体勢になった。大きな蛇が二人の近くまでくるとじっと見つめてきた。すると、視線を流れている小川の方を向き、顔を近づけ水を飲み始めた。その光景に二人はきょとんとした顔をして不思議がっていたが、その蛇は何をしてくるという事も無かった。二人はこの蛇が来た道に向かって、警戒しながら歩いた。だが、蛇の魔物は何もしてこないまま、この空間を後にした。
「あの蛇はなんだったんでしょうか?」
「分からないけど、襲ってこなかったから大丈夫だとは思うけど。」
二人は結局あの蛇が何なのか分からず道を進んだ。すると、結構歩いたところで左右に分かれた突き当たりまで来た。左はさらに道が続いていた。そして、右にはさっきの空間に入る時と同じ、水が天井から流れており薄い水の壁を造っており、床は水が張っていた。
「また水のやつか。」
「中に何かあるかもしれませんね。どうしますか?」
「中に入ってみよう。」
二人は水を手で遮って中に入った。すると、中には壁から水が流れていて、奥に水が湧き出ている台座があり、床は水でまるで鏡のようにうっすら天井を写していた。そして、台座の上には青白いクリスタル色の少し大きめの長方形の形をした宝箱があった。
次回、三つ目の神器と真相
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