17話 イニルの使い方と地上
二人はサイに似た魔物がいた階層まで来ていた。
「この階層には俺たちを追ってきた、魔物がいたから早めに抜けたいな。」
「そうですね。また追われてるのは御免です。」
二人が歩きながらそんな会話をしていると、後ろから足音が聞こえてきた。
「まさか……」
シンの予感が的中した。その足音の正体はサイに似た魔物がこちらに走って来ている音だった。
「くそっ、サニアで追い払えるか?」
そう言うと、シンはサニアを振り落とした。すると、斬撃が振り下ろした方に向かって飛んでいった。魔物はそれを勘付いたのか避けようとしたが、道の幅的に躱すことが出来なかったらしく、魔物に当たった。すると、魔物は真っ二つに切れた。
「便利な能力ですね。」
「ああ、だけど、イニルの使い方がまだ分からないんだよな。次、魔物に会ったら使ってみるか。」
二人はその後、歩いてダンジョンを進み、階段のあるところまできた。二人は階段を登り、上の階層へと進んでいく。
「この階層より上は魔物は出て来なかったよな?」
「そうですけど、油断は禁物です。」
「そうだな。」
二人はまた階段を探して進んでいく。すると、小さな空間に出た。
「入って来た時には通らなかったな。」
「やっぱり、ダンジョン全部が変わっているみたいですね。」
二人が話していると、後ろからグルルと言う威嚇に似た音が聞こえた。二人はその音がした方を向くと、そこには犬型の魔物が一匹だけいた。
「さっき逃したやつか。」
「そうみたいですね。」
二人が戦闘体勢に入ると犬型の魔物の周りに黒い靄が現れた。すると、魔物の体が一回り大きくなった。
「そんなことも出来るのか。」
二人が驚いていると、魔物がこちらに向かって走って来た。
「イニルを試してみるか。」
シンはイニルを懐から取り出した。シンはサニアと同じようにイニルを振り下ろした。だが、何も起こらなかった。
「使い方が違うのか?」
「何やってるのシン!」
シンは何も起こらなかった事に思考をさいていると、レンに怒られた。すると、魔物がレンの方に襲いかかって来た。レンはそれを躱して、魔物の横腹を蹴り飛ばした。大きくなったせいかそこまで飛ばず、体勢を立て直して今度はシンに向かって来た。シンは懐からサニアを取り出し、振り下ろした。すると、魔物は避けたが、見えない斬撃に避けるのは難しかったらしく、魔物の左足に当たった。すると、怒った魔物がシンに向かって飛びかかってくる。シンはそれを躱しつつ、イニルで切りつけた。すると、魔物を真っ二つにするどころか跡形も無くバラバラになった。
「なんだ!?」
さっきは何も起こらなかったのに、今度は魔物をバラバラにした事にシンは驚いていた。
「サニアよりも威力がありましたね。」
「ああ。」
レンも驚きを隠せないといった顔をしていた。
「まだ分からない事だらけだな。」
「そうですね。世界にはまだ知らない事だらけですからね。」
二人はその後歩いて階段を探し出して、上の階層に登った。この階層で魔物が出てくることは無く、階段を見つけて無事に入って来た薬草がいっぱい生えている所まで戻って来た。
「無事に帰って来れましたね。」
「ああ。それじゃあ行くか、レンの故郷に。」
「はい。それじゃあ一度アルキトラに戻って馬車を借りましょう。」
「そういえば、レンの故郷は何処にあるんだ?」
「ああ、言ってませんでしたね。私の故郷は海を渡って、更に北に行ったエルナという村です。」
「へ〜、どれぐらいかかるんだ?」
「一ヶ月以上はかかると思います。」
それを聞いたシンは間に合うのかと思ったが、どっちにしろ行く事には変わりないので間に合う事を祈った。
「まずは、アルキトラに戻りましょう。」
「そうだな。」
二人はアルキトラに向かって歩き始め、ダンジョンを後にした。
次回、道中
のんびり書いていきたい。
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