111話 二回目のレジアル
空中城塞ルネイリア。
ここの一階部分に当たるとある部屋。
何もないだけの部屋に三人はいた。
「サレサ、どう?」
「特になにもないね」
サレサが自分の体に触れたり、手を振ってみたりする。
現在、三人は手に入れた新しい神器の使い方を色々と模索していた。
「できればレジアルに着くまでにその神器の能力を知りたいよな」
「そうね」
「手に入れてからずっと考えてたんだけど、どうすればいいんだろうね」
サレサが指輪を見つめながら言う。
「指輪だからな。武器にはできないだろうし、やっぱり特殊な能力なんじゃないか?例えば、フィニットブックみたいに便利な能力とかさ」
「それで言うと、平癒ってフロリアが言ってたよね?」
「そういえばそうだな。もしかして、怪我が回復するとか?レン、いま怪我してたよな?」
「うん」
「試してみよう。レンお姉ちゃん、触っていい?」
「いいよ」
それからサレサがレンの体へ触れた。
「……」
「……」
「……特に何も起きないな」
「そうだね」
「どうやって使うんだろう」
「結構、いい線いってたと思ったんだけどな」
「うん」
と、その時、部屋の扉が開いた。
「三人とも、もう少しでレジアルに着きます」
「もうか。意外と早かったな」
「準備を」
「分かった。その神器の使い方はまた今度だな」
「うん」
「せっかく手に入れたのに…」
サレサはしょんぼりしながらレジアルへ行く準備をしたのだった。
それから転移の塔へ移動したシン達は前と同じようにシエスタに見送られた。
「……」
シンが気付くと、まず最初に感じたのは海独特の香り。
「久々に来たな、レジアル」
「そうね」
「あの時はエルナに向かってたんだっけか」
「そう。あんまり時間は経ってないけど忙しい日々を過ごしてるから遠い昔のように感じる」
「そうだな」
太陽の光でキラキラと光る海を見ながらそんな会話をする二人。
「スン。魚の匂いがする」
鼻をピクつかせたサレサが言う。
「着いて早々、また飯の話か?」
「いいじゃん!」
「先にご飯を食べてから行こうか」
「本当?!」
サレサは嬉しそうな表情でレンに詰め寄る。
「うん」
「あんまり食べすぎるなよ?」
「大丈夫だよ」
そんな会話をした後、三人は昼ごはんを済ませた。
「さてと、それじゃあ、酒場に行くか」
「うん」
「案内頼む。よく覚えてなくて」
「え?私場所知らないよ?」
「ん?」
シンの思考が止まる。
「私、コナンさんには会ったけどお店には行ってないし」
「そう…だっけ…」
シンは言われて思い出す。
あの時はコナンに宿まで送ってもらっていた。
レンはお店の場所を知らない。
「ああ…まずいな…」
「シンは方向音痴がたまに傷よね」
「うう…」
「場所分からないの?」
「なんとなくの方向なら分かるかも…」
サレサに言われてなんとか酒場の場所を思い出そうとする。
「ほら!あれ!」
と、少し離れたところから女の子の声がした。
「?」
シンはその声の主へ視線を向ける。
と、そこには茶髪のボブヘアーの女の子がいた。
そして、その隣、白髪で白い口髭を生やした黒いバーテンダーの服を着た男がいる。
「!?マナにコナンさん!」
「本当にいるとは。よく分かりましたね」
「ふふ〜ん」
シン達の前にはマナとコナンがいた。
「シン様、レン様、お元気でしたか?」
「「はい」」
「そうですか。それはよかったです。そちらの方は?」
「私はサレサ!今、シンお兄ちゃんとレンお姉ちゃんと一緒に旅をしているの」
「なるほど。二人と旅を」
「うん」
「どうしてお兄ちゃんとお姉ちゃんがここにいるの?」
マナが不思議そうにシンとレンへ聞く。
「ああ、そのことなんけどな」
「少し訳ありのようですね」
「そうなんです」
「…分かりました。立ち話もなんですから私の酒場で話を聞きましょう」
「はい」
それからシン達はコナンに案内されてコナンの酒場へと向かった。
「どうぞ、こちらです」
酒場の扉を開けたコナンがシン達を中へと入れた。
「お好きな席へ。少し待ってください。今、飲み物を入れますから」
「ありがとうございます」
コナンはコップを取り出して飲み物を用意し始めた。
「お酒の匂いがする」
中に入って鼻をピクつかせたサレサが言う。
「ここは酒場ですからね。お嬢さんには少し早いかもしれません」
「私はお酒飲めるよ?」
「おや。これは失礼しました」
そう言うと、手際よく用意された飲み物が全員に出された。
「それで私に何か用でしょうか?」
「ええ。実は今、七つの罪人を倒す為に人を集めてるんです」
「ほう。あの七つの罪人を」
「はい。コナンさんが昔ダンジョンを攻略する為に旅をしていたと言っていたのを思い出して」
「それでここに来たということですか」
「そうです。リネオスの王様から頼まれまして」
「ふむ……」
コナンは顎に手を当て考える。
「おじいちゃん、七つの罪人って何?」
「ん?七つの罪人というのは悪い人たちのことです」
「悪い人?」
「簡単に言うとお金を盗んだり、人を殺したりしているそれはそれは悪い恐ろしい人達なんですよ」
「そうなの…?」
「ええ。しかし、この老耄が戦って戦力になるかどうか…」
コナンは色々思考する。
自分が旅をしていたのはもう何十年も前の話。
しかも、今は酒場を開いている。
簡単にはいと言うことはできない。
七つの罪人と戦うとなれば死ぬ可能性もあるだろう。
そうなるとそれに見合うだけの何かが必要だ。
と、コナンが色々考えているとマナが、
「おじいちゃんなら悪い奴を倒せるよ!いつも私に何かあったら助けてくれるもん!」
「マナ……そうですね」
そう言ってマナの頭を撫でる。
「七つの罪人の件、引き受けましょう」
「本当ですか?!」
「ええ。マナが大人になった時に平和な世界になっているように。私も協力します」
「よかったね」
「ああ」
レンとシンがほっとする。
「ですが、少しお時間をいただきたい。明後日まで待ってもらえませんか?私も旅の準備やこのお店、そして、マナのこともありますので」
「もちろんです」
「マナ。これから私が戻ってくるまで昼間は家でパパかママに見てもらいなさい」
「うん。早く帰ってきてね」
「分かりました。できるだけ早く戻ります。……この歳でまた旅をすることになるとは…これから忙しくなりますね」
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週1〜3投稿予定。




