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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第二章 七つの罪人編
109/185

109話 不正解

「不気味だな」


「うん」


 石像はこのダンジョンと同じ素材で出来ていた。

 右手に剣を持ち、左手に砂時計を持っている。


「あれから変な匂いがする」


「変な匂い?魔物か?」


「分かんない」


「……」


 シンは警戒しながら石像を見る。

 と、次の瞬間、石像の目がシンを見た。


「!?」


 シンはそれを見てゾッとした。

 次の瞬間、口が少し開いて、


「我はこの世の理から外れた時の番人。貴様に問おう」


「なんだコイツ…」


「……」


「なんか不安になる…」


 三人が不気味に思いながら警戒する。


「正直に答えよ。自分の愛する者が死の危機に直面したとしよう。その時、世界を危険に晒すが助けられるとしたら貴様はどうする?」


「どういうことだ?」


 シンはそう言うと、石像の持っていた砂時計が動き、上から砂が落ち始めた。


「自分が思ったまま答えればいい」


「訳が分かんないぞ…」


 シンは困惑しながらも考える。

 が、その間に砂時計の砂はどんどん落ちていく。


「……世界が危険に晒されるんだろ?だったら、助けない方がいいんじゃないのか?」


 砂が落ち切る前に答える。


「なるほど。では、次だ」

「貴様は自分の家族を殺すことができるか?」


「? できるわけないだろ」


「なるほど。では、次だ」

「貴様は自分よりも強大な敵に相対した時、どうする?」


「…どうするって、どうにかできるならどうにかする。無理なら仕方ないんじゃないか」


「なるほど。では、次だ」

「もし、人生で一度だけなんでも願いが叶うとしたら?」


「願い?…………」


 シンは考える。

 自分にとって願いとはなんだろうかと。

 しかし、これという願いは思いつかない。


「なるほど。では、次」


「まだ答えてないぞ?」


「時間だ」


 シンが砂時計を見ると砂が下の方へ落ち切っていた。


「最後に。貴様は自分が死んでも守りたい者はいるか?」


「死んでも守りたい者?」


 シンがそう言われて思い付いたのはレンとサレサだった。

 自分の母ではなかったのはここ最近、二人と一緒に旅をしていたからだろう。


「ここにいる仲間だ」


「なるほど。分かった」


 そう言うと、石像の持っていた砂時計の砂が落ち切った。


「不正解」


「は?」


 唐突のことで訳が分からない三人。


「残念だ。そのままでは何も成せないだろう」


「どういうことだ?何が言いたい?」


「強い思いは人を強くする」

「我は時の番人。この世の理から外れた存在。またいつか会う事になるだろう」


 そう言うと、石像に亀裂が入る。

 そして、次の瞬間、石像は粉々に砕け散った。


「なんだったんだ…?」


「「……」」


 三人は砕け散った石像の残骸を見つめる。


「……先へ進もう」


「うん…」


「なんだったんだろう?」


「さあな」


 それから三人は石像で隠れていた道を進んだ。


 しばらく歩くと前方に部屋があるのが分かった。


「着いたか」


 三人の前には石でできた台座に同じく石でできた箱があった。

 すると、台座の後ろが光った。


「お久しぶりですね」


「フロリアか」


「はい」


「聞きたいことがあるんだが、さっき、ここのダンジョンで変な石像にあった」


「石像ですか」


「ああ。時の番人とか言ってたんだが、あれはなんなんだ?」


「時の番人……そうですか」


 そう言うと、フロリアは少し黙る。


「まだ私には分かりませんが、もしかしたらあなたが世界を救う者なのかもしれませんね」


「どういうことだ?」


「今、この世界は危機に陥ろうとしています」


「危機?」


「はい。私達はそれから世界を救う為にこうして動いているのです」


「一体、何が起きてるんだ?」


「そう遠くない未来、このまま行けばこの世界は死んでしまうかもしれない」


「世界が、死ぬ?」


「これ以上は私からは言えません。もし、あなたが本当に世界を救う者だと分かったら、その時は全てをお話します」


「またいつものやつか」


「はい」


「……」


「話は変わりますが、この神器、誰が使いますか?」


「はい!私が使います!」


 サレサが元気よく答える。


「そうですか。分かりました。この神器は平癒、ヴァルキュリーです」


 そう言うと、光が消えた。


「開けていいの?」


「うん」


 サレサは箱を開ける。

 すると、箱の中には銀色の素朴な指輪が入っていた。


「普通の指輪みたいだね」


「そうだね」


 そんな会話をした後、サレサは指輪を嵌めた。


「とりあえず、下まで戻るか」


「どうやって帰るんだろう」


「さあ、またあの動く床かもな」


「嘘でしょ…?」


「とにかくここは何もないみたいだし。さっきのところまで戻ろう」


「う、うん」


「ん〜?」


 それから三人は来た道を戻った。

見てくれてありがとうございます。

気軽に感想や評価、ブックマーク等をして下さい。嬉しいので。

週1〜3投稿予定。

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