1話 初めての出会い
五話ぐらいからまともな文章になります。
「まったく、ここ何処だよ!」
シンは故郷の村から出て一ヶ月が経過したが、未だ、村どころか人にも会っておらず、絶賛迷子中だった。
「まったく、故郷を出て一ヶ月経ったのに、町や村どころか人にも会わないなんて、どんだけ田舎なんだ。昔、俺が五歳ぐらいの時に親父と一緒に町に行った時は歩いて、二週間ぐらいで着いた気がするんだけどなぁ。」
この絶賛迷子中の男、シンの事を紹介すると、年齢は十八歳、身長は百七十七センチで顔は整っているが、絶望的に方向音痴なのがたまに傷の至って普通の少年である。だが、この時、この少年が後に歴史に名が残るほどの人物になるとはだれも予想していなかっただろう。
「まったく、十八歳になったから村を出て、世界各地を旅したいと子供の頃から想って十数年。ようやく、村から出れたと思った矢先に一ヶ月迷子になるなんて、幸先の良いスタート過ぎて、涙が出てくるな。」
そんな事を思いながら歩いていると、シンはある事に気がついた。シンが気づいた事、それは念願の村だった。
「やっと村に着いたか……母ちゃんの弁当は一日目で食い終わっちまったからなぁ。」
一ヶ月前
「あんたはすぐ道に迷うからねぇ。一週間分はリュックに詰めておいたから大事に食べる事!」
「分かってるって、母ちゃんはいつまで俺を子供扱いするんだ?」
シンの母親はやれやれと言った顔をしていた。
「じゃあ、行ってくるよ。」
「ちょっと待ちな!」
シンが行こうとしていたが母親に止められ、何か言われるのかとビクッとした。
「シン。気をつけてね。」
「おう。」
シンは母親の言葉に笑顔で答えた。
それから一ヶ月が経った今、シンは村の中にいた。
(リュックはボロボロになった上に無くしたからな、まずは、飯だな。とりあえず、人に聞くか。)
シンはすぐ近くにいた村の人にご飯が食べられる場所がないか聞いた。すると、村人はこの村に唯一あるという、すぐそこの酒場を教えてくれた。
「ありがとう。」
シンが礼を言った後、早速、酒場に行く事にした。酒場のドアを開けて中に入ると、席はほぼ満席状態だった。
「あの、すいません。何処か空いている席はないか?」
「それなら、そこにいる客の向かえの席しか空いてないから、自分で相席がいいか聞いてくれ、悪いな、にいちゃん。」
「ああ、いいよいいよ。」
店主にそう言われ、その客の方に近づいていく。その客は黒いフードを羽織っていて、顔は見えなかったが体格と身長が百六十センチ前後ということもあり、おそらく女子だろうということは予想ができた。
「あの〜」
「……」
話しかけると何も言わなかったが、こちらに顔を向けた。
「相席しても良いですか?席が空いてないらしんですけど、何週間もろくなもん食べてなくて、お腹が減っちゃって。」
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
快く返事をしてくれた。予想通り、女子だった。シンは正面に座ると自分と同じぐらいの歳で黒髪のセミロングで女子というよりも、女の子という言い方があっていた。少し待っていると飯がきた。すると、数週間ぶりのまともな飯に、他人の目など気にせず一心不乱に食らいついた。
その時、酒場のドアが荒々しく蹴破られた。すると、今まで盛り上がっていた客達が一斉に静まり返った。
「邪魔するぜ。」
声がした方には柄の悪い男達がいた。すると、所々から聞こえるほとんどの客が同じことを言っている。
「あいつらあれだろ、王都の。」
「ああ、最近やばいらしいな、王都も。」
どうやら最近、王都リネオスで反乱があったという事は分かった。今、入ってきた男達はその反乱勢力の一派らしい。
「なんで、あいつらがこんな遠くまで来てるんだ?」
「俺がそんな事知る訳ね〜だろ。」
酒場にいた客達が小言で色々会話をして、考察していた。
「お客様、申し訳ございませんが、只今、満席でして。」
「ん?俺には空いているように見えるけどな?」
この店の店主が満席だと伝えると、男達が客達の方に視線を向けた。すると、酒場の異様な雰囲気を感じとった客達が次々と帰っていった。そんな中、残った少しおバカな人が二人いた。店主は残るとしても、飯を一心不乱に食べている人と、その向かえに座っている人は違う。はっきり言って、場違いだった。
「おい、そこのテーブルの客!!お前らいつまで食ってる!邪魔だ!どけ!」
男達の一人がそう言った。だが、二人は何も言わず、その場に留まった。
「二人して黙り込みやがって……ああ〜分かったぞ。さてはビビって足震えて立てねぇのか?」
そこにいた、そいつの連れもみんな笑い出した。
「そこの黒いフードを被ったお前、いつまでフード被ってんだ?薄気味悪りぃなっ!」
リーダーであろうその男がフードを取ろうとした瞬間、それは、一瞬だった。百八十後半はあるであろう身長に加えて、ゴツゴツとした体格の男が酒場の外まで突き飛ばされていたのだ。
「なっ!!??」
そこに居合わせた誰もがそんな反応をしていた。
「てっ、てめ〜、女のくせにふざけた真似しやがって!」
そういうと、男の仲間が懐から取り出したのは銃だった。男が銃を取り出すと、フードを被っていた彼女に銃を向けた瞬間、シンが動いた。シンは右足でその銃を蹴り上げ、そのままの勢いで回り、右足で男を壁まで蹴り飛ばした。
「お前ら、女の子に拳銃なんて卑怯だとは思わないのか?」
「ふざけた野郎どもだ!死ね!」
そういうと男達は一斉に拳銃を取り出そうとした。その一瞬の隙を見逃さず、すかさず倒しにかかる。一人、また、一人と倒していく。最後の一人になった時、拳銃がシンの頭に向けられて、銃弾が放たれた。その瞬間、シンは懐から短剣を取り出し銃弾を斬った。
「なっ、バケモノっ!?」
シンは拳銃を短剣で斬り、男を左手で殴り飛ばした。
「ふぅ、久々の運動は疲れるな〜」
「あなた、なかなか強いのね。」
シンが呼吸を整えていると、フードの女の子が話しかけてきた。
「まあな。それにしても、君だってあんな大男をあんなに突き飛ばすなんて。」
「まあね。」
「あんたら、悪いなぁ〜」
二人で話していると、この店の店主が礼を言ってきた。その後は店を片付けて店を後にした。
「おかげでご飯タダになってよかった。」
「そうね。それにしてもあの連中、なんでこんなところに来たのかしら」
「それは俺も気になってたんだよな。話を聞くところによると、王都リネオスの反乱勢力の一派らしいけど、リオネスで何か起こっているのかもしれないな。」
二人はそんな事を話しながら歩き、村を出て少し行ったところの分かれ道まで来ていた。
「そういえば、なんであなたはあの村にいたの?」
「道に迷ってたら、たまたまあの村があっただけで、特に理由は無いよ。」
「そうなんだ、ちなみにどこから来る途中で迷ってたの?」
「えっと、コナシ村っていう小さな村なんだけど、一ヶ月近くも迷ってたんだよ。」
シンの告白に、女の子は唖然と同時に呆れている顔をしていた。
「私ここら辺の人じゃないから細かい事は分からないけど、コナシ村だったら地図でいうと四十分ぐらいで着く距離なんだけど……」
「……」
シンは、女の子の言葉に驚きを隠しきれなかったが、何よりも自分の方向音痴が自分の十倍程酷かった事に驚愕し、自分自身に呆れていた。
「さ、さ〜てと、私はこっちだから、、」
「いや、ちょっと待てよ!」
シンは女の子を止めた。
「だって、あそこまでできる人が、方向音痴にもほどがあるでしょ!?」
「うっ、」
シンは何も言い返すことが出来なかった。
「まあ、いいわ。私はこっちの道に行くけど、あなたはどうするの?」
「俺もそっちの道だな。」
「そう、なら一緒に冒険しない?」
「そうだな〜、俺は何処に行きたいとか、行かなきゃダメとか、当てが無いからいいよ!よろしく頼むよ!えっと〜」
「私はレン。あなたは?」
「俺はシン。よろしくな」
これが、シンとレンの初めての出会いだった。ここから、世界を支配できる程の人物になるのはまだまだ先の話なのだが、そんな事など知る由もない二人なのだった。
次回、神器と魔具と十二のダンジョン
最近また書き始めたのでついでになろうでも投稿しようかなと思って投稿してみました。改めて見返してみるとすごく見辛い気がしましたが、少しずつ良くなっていけるように頑張ってみようと思います。
追記、読みづらかったので書き直しました。内容が少し違うかもしれませんが大きくは変えていないつもりです。




