空想と現実の中心に
この土地にある高台に登り、世界の中心だろうと思う所へ叫んだ。
「あなたのハダカが好きだからー」
すると世界の中心であろう所から声が聞こえてきた。
「あなたのハダカが好きだからー!」
わたしは声の主に向かって叫んだ。
「あなたのハダカが好きだからー」
すると世界の中心の声の主は
「あなたのことが好きだからー」
と叫んできた。
すこしだけ変換された声に私は気付かずにいた。
一通り満足して下山すると友人がメガホンを持って待ち伏せしていた。
そして、友人は私の耳元で声をあげた。
「あなたの肌が好きだからー!」
と言って私に抱きつかれると同時に、私は悟りを開いた。