表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

内輪もめ

 内輪もめ


 いつものように、オルハン大佐が任務を告げに来た。なぜかラナの顔はうかがわしくない表情をしている。


「今回の任務は、植民地支配だ。隣国ラマスの北東にあり、我が国アカレファールの南西に隣接するテテオ森林を占領する。」


 植民地支配……何だかあまり良い気はしないが、オルハン大佐の命令だ。やるしかない。「植民地支配とか、ダリぃな。」と漏らす剣。「ホントだよ。」とテオス。





 テテオ森林を行軍する、精鋭部隊モンシャックス。


 ガチャガチャ。……「銃が故障したわ。私、整備するから先に行っててくれる?」「了解先行ってるな。」


 ……このままここでサボっていようかしら。





 銃声。ゲリラ戦開始だ。


 ガサッガサッ


 相手が飛んで斬り掛かってきた。


「ラマン!先に行き過ぎだ!」その言葉には、いつしかのエニスを思い出す。「ちょっとくらい良いじゃないか、ペオ。」


 相手側の戦力が、更に5人駆けつけた。


「ハハッ多勢に無勢ってところか?」とラマン。モンシャックスは囲まれた。


「いやいや、こっちは少数精鋭なんでね。2人も5人も関係ねぇよ!」


「俺達は後から戦うから、まずはお前たちが戦え。」後から来た下っ端らしい5人が一斉に斬り掛かってきた。


 テオスが刃で押し合い、斬る。


 そのまま剣を背後へ回し、後から振りかぶる敵も、斬る。


 エニスもジャンプし勢いをつけ、斬る。


 踏み込み胴を突き抜ける。


 最後の1人はエニスとテオスの二人で、左右からの回転切り!「ヤッハー。」


 相手は切られたところから空中で、鋭角にくの字になり、派手に血しぶきを上げて吹っ飛んだ!


 した半分が赤で、白目を剥いた胸像が木にぶつかり、コテンと落ちた。


「まぁまぁやるじゃねぇか。」腕を組むラマン「少なくとも、少しは面白い戦いが出来そうじゃねぇか?」と横目でラマンに問いかけるペオ「フフッ」不気味な笑みを浮かべるラマン。彼も戦闘狂のようだ。


 俺はペオってやつを相手する。エニスはラマンを頼む。


 ペオ、ラマン。共に華麗なステップでエニスとテオスを翻弄する。


 しかし、少しずつ後退するペオとラマン。余裕な表情をしているが、後には木が立ち塞がる。どうするつもりなのか?


 ペオ&ラマンは木を蹴り、エニスとテオスの背後に回った。


 ペオ対エニス、ラマン対テオス。ん?相手が入れ替わってる。なぜか?ペオとラマンは、器用に、なんの合図もなく、交差しながら背後にバク宙したのだ。


 その後の初手は非常に素早かった。シュルシュルと華麗に舞う。今のシンクロで勢いがついたようだ。


 クロスバク宙。とでも名付けようか。回避、攻撃、ステータスアップを同時に成し遂げる、あっぱれな連携技である。


 クロスバク宙、とてもダサいのでもう使わないかもしれないみたいだけど。


 そんなことはどうでもいい、エニスとテオスは、相手は変わっていないはずなのに、二人の不思議なほどの連携で、劣勢気味だ。


「ラナのやつ、まだ来ないのかよ。あいつ体張りたくないだけなんじゃ?」


 その瞬間、


 テオスの頬をラマンの剣がかすめた「危っ。」


 テオスはよろめいた。


 テオスはスネから足で薙ぎ払われ、尻餅を着いた。


 相手は剣を突きつける。


 わかりやすい優と劣だ。「勝負あったりだな。」


 しかし、エニスは、ペオの相手をしながら回し切りでラマンを狙った。


 油断してたのか、ラマンの頭はアッサリ跳ねられた。


 ペオは剣を捨て、ものぐさそうに手を上げた「降参だ。」「随分諦めが早いな。」と呆れるエニス。「頭脳派なもんで、優劣がしっかりわかるんだよね。」


「ラナ、結局何してたんだろうなー。お陰で危ないところだったじゃないか。」「テオスも自分の身くらい守れないと駄目じゃないか。」「しょうがないだろ、そこまで偉そうに言われる筋合いはねぇ!」


「……ラナ、見てくるよ。」険悪な雰囲気から逃げるように、エニスはラナを探しに行った。





「ラナ、ここにいたか。何してたんだ?」「……」「この間の戦闘で、戦いが怖くなったか?」ラナは、静かに目を伏せた。図星だ。


「弱っちい奴め。」


 戦争を鎮めるためにこうしてるはずなのに、モンシャックスは内乱状態だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ