始まりの戦い
「人格のある剣と感情の少ない少年、スラム街少年が戦争で大無双!」
「やれやれー!ズバズバイッちゃって!」
「あいつ、ガキのクセに単騎突入して無双してあがる。一体何者なんだ!?しかも無表情で!しかも喋る剣!?気持ち悪い!」突入する兵士は叫んだ。
ひたすら人を切り刻むこと10分。アジトの大部屋で30人以上の兵士を受け止め、切断した少年の回りはサークル状に血の海が出来ていた。剣から血がしたたり落ちている。
剣は喋る「お前、なかなかクレイジーだな。中、入るか。」
「く、くそう……」兵士は苦悶の表情をしていた。奥にある部屋へ入っていく。
そこには、幹部4人が待ち構えていた。
「まずは俺からだ。」一人が名乗り出る。
「コイツは一人ずつじゃなくていっぺんに全員倒しちゃうぞ。」少年は何も言わずその一人に切り掛かり、首を飛ばした。
少し不気味な間を置き、近くにいたもう一人にも素早く切り掛かる。
3人目も流れるように、殺した。「か、勘弁してくれー!」剣は言った「そうも行かないんだな。」
大部屋に4点、血が溜まり、手や頭が転がっている。
少年は無線を通じ、大佐に報告した「任務完了。」「ご苦労、無事の帰還を祈る。」
「あの地獄の特訓の成果もあったかな。いくら人を切れてももうあの地獄は御免だけどな。」
「やあ、君が噂の少年か。私はオルハン大佐。名を何と呼べば良い?」
少年「……」少年は田舎の刑務所まで訪問してきた大佐に警戒し、にらみ付ける。「名はないのか?」この国、アカレファールには名前のわからない人が沢山いる。
「名前がないのも困りものだ、今日から君の名をエニスとする。」剣が喋る「おいおいオルハンの野郎、随分勝手だな。」
剣が平然と喋っているこの状況は何なのか……しかし少年は剣を無視しひたすらオルハン大佐をにらみ付ける。
「君、腕っぷしが強いようだな。軍に来ないか?」唐突に名前を付けられたかと思ったら、今度は軍に勧誘か。
少年は剣を手渡された。「よろしくな。」「……」
「俺は人を切るのが大好きなんだ、上手く使ってくれよ。小僧。」
「待てー!クソ孤食!」少年は逃げる。万引きをしたのだ。
スラム街の細い路地を駆け巡る。死んだ目をした麻薬売りや、貧しい子供達が横目で見る。
若い商人は思ったよりも足が早く、エニスの首根を掴み、汚れたシャツを引きちぎりながらなぎ倒した。「クソ孤食がこんなシャツなんて一丁前に着て。今から警察に捕まえて貰うぞ、こんな犯罪が多発する地帯、万引きくらいしたところで捕まるかって思ったか?コネがあってな。親戚が警察官なんだ。」
エニスは縛られ、警察が来るまで商人に何回も殴られて待つことになった。
警察が来た。男性警察官二人がパトカーから降りる。
警察は少年を連行するため縄をほどき、歩かせようとする。
縄がほどけかかったその時、少年は警察に殴り掛かった。
警察の頭から血が飛ぶ。
エニスは数分間、鍛えられた警察官2人と激しく揉み合い、警察官はなんとかエニスをねじ伏せた。
商人は唖然として少し遠くから怪訝そうな顔をして一部始終を見ている。
警察官もエニスも怪我を負ってしまった。
その夜、エニスは刑務所に投獄された。
キーン、キーン、キーン……
「痛ぇ!痛ぇ!痛ぇ!俺に何の恨みがあるんだ、許してくれー!」剣は鍛練を受けていた。エニスは苦しみ叫ぶ剣を窯で熱し、無表情で叩いている。エニスが初めてのミッションを遂行する1週間前だ。
エニスは軍に入る。