プロローグ
心の声と表の対応の温度差激しいかも。
まずはプロローグ的な。
「ねぇ、どうしたら僕を見てくれるのかな?」
いや、寧ろどうしたら私なんかを相手にしちゃうの!?
貴方の相手は私じゃなくて、私の姉のはずなんですよ??
一番難攻不落のメインキャラで姉の片想い相手です貴方!!
やあやあこんにちは。
私の名前は伏見百々果。
二次元と甘いもの、そして語学を愛する大学二年で、先月二十歳を迎えたばかりです。
ありのままに現状をお伝えすると、姉の部屋で姉の片想い相手の一ノ瀬柊羽さんに顎クイされて顔を至近距離から覗き込まれている、マジでツラい。
ちなみに一ノ瀬さんは姉と高校時代からの同級生で、私の二個上、高校時代はバスケ部のエースで生徒会副会長を務め、まさに文武両道を地でいく秀才、人当たりもよく聞き上手で見た目も淡い茶髪にくっきりしたアーモンドアイの美形で、大学では秘かにファンクラブができていたりする、が。
私の好みじゃないんだよ、柊羽さん…
いや、確かに大分魅力的で素敵だな、とは思ってもトキメキはしないんだ。
つーか、第一に貴方私の姉の想い人ですから、そう言う対象には見れないし。
その前に、推しメンにしか興味ないですから、まあ何故か塩対応されてるけど。
泣いていいかな?
「…えっと、柊羽先輩?冗談…ですよね??」
「僕が、冗談言ってるようにみえるの?百々果ちゃん」
「ちょっ、近っ…近いです先輩!」
「ねぇ、僕じゃ…ダメ、かな…?」
「…っんな顔しても、反応に困るだけなんです、すみませんっ…」
くっそあざといわぁっ、ボケ!!
これだから美形は狡いんだよっ!!
捨てられた子犬みたいな顔で首傾げてさ?!
なんなの、もう、本当に…神様、私をどうしたいの??!
萌えシチュだけで、お腹いっぱいだから!
このままじゃ、妹なのに姉の恋敵ルートに入っちゃうよー!
そんなドロドロいりません、神様、萌え神様、誰か助けてー!!