猫と事件と
「うわぁ。こんなにいっぱい。」
「どの猫でしょうか。黒猫だけでも2、3匹いますね。」
「とりあえず全部持ってってどれだか当ててもらおうか。」
そんな会話をしているとどこからか足音が聞こえて来た
「隠れてください。」
「えっ。でも隠れる場所なんてないですよ。」
「風!力を使え!」
光がそう言った瞬間に、風は力を使った。
風になったタイミングで丁度、足音の原因が入って来た。男2人だ。1人は髪がボサボでもう1人は筋肉がつきまくっていかにも悪人って感じだ。
「今回はどんな奴だ?」
「黒猫だろ。確か最近捕まえて来た奴がいるはずだ。」
「ああ、あのちっこい奴か。尻尾の丸まったあいつ。」
「そうだ。首輪はしっかり外しとけよ。あくまでも野良猫っていうことになってんだから」
そう言って男達は猫の塊の中から赤い首輪を付けた、尻尾の丸い、小さめの黒猫を持って来た。
「なぁ。あいつの持ってる猫。依頼された猫じゃねえか?」
静かに光が言う。
「あれだけ特徴的でしたら簡単に見つかるはずだったんですが、やはり事件に巻き込まれてましたか。」
「あの人達、あのネコどうするんだろう?」
「話の内容からして、野良猫と偽って売りさばくつもりですね。」
こんな会話もネコ達の鳴き声でかき消されていた。
しばらくして男達が部屋を出た。
「追いかけます。もしかすると向こうから襲いかかってくるかもしれません。その時はハク。あなたの指示に従います。」
「わかった。早く追いかけよう。」
子猫を持って小屋を出た男達に追いついた。
ここで力を解除。
「うわ!なんだお前達。」
「あの、その猫はどうされたんですか?」
「あぁ、こいつ?野良猫だよ。知り合いに譲りに行くんだ。」
「首輪がついてますが。」
「えぇっと。あぁ、しばらくこっちで飼ってたんだよ。」
「その猫と同じ様な特徴の猫の捜索依頼が出ています。」
「ただ似てるだけじゃないのか?同じ様な奴なんてそこらへんにいるだろ。」
「あの小屋には他にも捜索依頼が出ている特徴的な猫がいましたが。」
「てめえら。あの中見たんか?」
「はい。」
「正直ってのはときに身を滅ぼすってことよく覚えときな!」
そう言って2人の男達は襲いかかって来た。