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異世界神話 神の使いの物語  作者: カラクリ/蒼野ハル
封印の章
8/49

風が吹いたら

風の神が仲間に加わり、3人旅が始まった。

風の神。その名の通り風を司る神。

風は草花の種を運び、時に自然の脅威ともなる。風とは実に気まぐれだ。

そんな風の神石。光とは形が似ている。だが、色が違った。光は黄色。透き通った綺麗な黄色だ。そして風。風の神石は鮮やかな緑色をしていた。


「さぁ!先へ進みましょう!」


風は元気だ。


「歩くのは僕なんですけど・・・。」


「疲れたらいつでも変わりますよ。」


「さすが。光とは大違いですね。」


「なんだと!だったら俺が変わってやる!」


やっぱり二人もいるとうるさい。

まぁ、ほとんどが光なんだけど。

来た道を戻るか。


……………………………………………………


二人の協力もあって1日で元の場所まで戻ってこれた。さてと、次はこっちの道だ。

そう言って僕らは次の道に踏み出した。


……………………………………………………


アルーフェ港。アルーフェ川と海が交わる所にある村。海と川に囲まれているので、魚介類が美味しい。ここでしか食べられない生の魚も絶品だ。前回の経験を踏まえて、依頼板を見た。この村にはあまり大きな依頼はなかった。あるのもせいぜい荷物の配送くらい。

そんな中一番報酬の良かった依頼。


「飼い猫を探してください。」


そんな依頼を見て風は、


「これにしましょう。これならすぐに終わります。」


と言っている。どうやるのだが知らないがとにかく任せてみる。ここから先は風の自由行動だ。


……………………………………………………


依頼主の家。依頼していたのは僕より少し幼い娘だった。


「家の飼い猫がいなくなっちゃったの。探して来て!」


泣きそうな顔でそう言って、手に持った沢山の銅貨を差し出して来た。


「必ず見つけて来ますね。」


「本当ぅ?」


「はい、絶対に。それで、探してる猫さんはどんな感じですか?」


「黒猫。赤い首輪をつけてるの。」


「黒くて赤い首輪をつけた猫ですね?」


「そう。普通の猫よりちょっと小さくて尻尾がクルクルってなってるの。」


「わかりました。必ず見つけて来ますね。」


「お兄ちゃん、お願いね!」


「はい!」


……………………………………………………


さてと、さっきの娘の家から離れて風がどうやら探し始めたっぽい。しかし猫のいそうな所には全然目を向けていない。


「こういう所にはいないと思うけど。」


「今は情報収集中です。」


「誰とも話してないけど。」


「ここを通る風に聞いて回ってます。」


神様ってそんなことできるのか、と感心。

確かに人に聞くよりかは早いのかも。


とか考えてたら風がスピードを上げ始めた。


「見つかったの?」


「はい。飛ばしますよ!」


そう言って神は風と成り、人混みを掻き分け、目的の場所まであっという間についてしまった。さすが。風を司る神なだけあるな。

そこにあったのは一つの小屋。ボロボロだ。


「猫は多分ここにいます。入りましょう。」


僕らは中へと足を踏み入れた。

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