表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界神話 神の使いの物語  作者: カラクリ/蒼野ハル
封印の章
6/49

間違えないように

朝起きた時には10時くらいだった。

それも神石の中で。


「ヨウ!ねぼすけ。」


「うぅ・・・。」


「宿はもう出たんですか?」


「ああ。あんまりずっといると嫌がられるだろうしな。」


「・・・ですね。」


「とりあえず石に戻ってください。あとは自分で行動しますから。」


返事は無く、自分の体にすぐに戻った。

荷物は昨日準備してあるはず。そういえば地図くれたおじいさん大丈夫だろうか?

まぁ、途中近くを通るから寄ってみようか。


……………………………………………………


爺さんは元気そうだった。婆さんも何事もなさそうだった。家は崩れたが村長が使われてない小屋を貸しているらしい。小屋といっても2人では十分暮らせるほどだ。


「わしが頑張って婆さんの為に又、家を建てるぞぉー!!」


「私のために頑張り過ぎて倒れたりしないでくださいね。」


とにかく安心だ。


「こんなお礼しか出来ないが・・・。」


さっきまでの勢いはどこへいったか。


「これでも持っていってくれ。」


そういって紙切れと剣を渡してくれた。


「これでも昔は名の知れた冒険家だったからなぁ。覚えてる人は少ないだろうけどいざとなれば、わしの名前を使いなさい。」


「あっ、あいがとうございます。」


紙切れに書かれていたのはこの爺さんの名前と思われるものだった。

「ガーレット クラフィエス」


「えっとこの剣は・・・?」


「なかなかいい剣じゃろ。持ってきなさい。わしの名前と一緒に出せば知っている者なら力になってくれるだろう。」


「わかりました。色々とありがとうございます。」


「頑張りなさい。神様も。」


神様なんて名乗って無いはず。てか俺が助けたなんていってない。すぐに回復魔術をかけてもらってすぐに帰ったはずだ。

やっぱりこのお爺さんはただ者じゃなかった。


……………………………………………………


次の村への街道。

地図には村が書かれている。名前は〜・・・

読めない。汚れていて。

とにかく行こう。今日中に行けるとこまで。



この街道は人が多かった。馬車もよく見たし、冒険者らしき人達もいた。そんな中でも一番多かったのは商人だ。色鮮やかな野菜や綺麗なピンク色の肉、石などを持っていた。


街道は夜になるとそこら中に焚き火がつけられた。みんなここで夜を過ごすみたいだ。僕たちも人がいなさそうな場所を選んで、火をつけた。今晩は持ってきた肉と野菜を少しずつ焼いて食べた。シンプルだけどとても美味しかった。まだちょっと物足りないけど、この後のことも考えてこれぐらいにしておかないと。


夜は何もないから直接地面に寝転んだ。

何人かテントを張っている人もいるが、ほとんどが直に寝ている。

街道の周りには結界が張られてるおかげで魔物や獣はほとんど寄り付かない。

たまに結界の破れた所を抜けてくる奴もいるが、そんな奴らは大したことない。

安心して眠れる。そのまま地面だから体は痛くなるが。


……………………………………………………


「うぅ〜ん」


ああ、体が痛い。思った通りだ。


「アアァー。痛えー。寝違えたぁ。」


石の中からも声が聞こえた。


「今日は早いですね。」


「いつもじゃねぇーよ。」


ほっとこう。朝食はいらないな。

今日もひたすら歩く事になるな。


……………………………………………………


次の村はいつ着くんだろう。

どんなに歩いても景色が変わらない。

木しか無い。街道もずっとまっすぐ続いてる。さっきから人も減ってしまった。すれ違う人も似たような人たちばかりだ。

もう昼頃だろうな。お昼ご飯でも食べようかな。あまりお腹すいてないけど。


なんて考えていたら次の目的地と思われる村までの看板があった。

「キノ村」

その看板の先には2本の道。そして一本の獣道っぽいとこ。少し迷ったが多分看板の隣の細い方の道だな。行こう。

今回は道を間違えたく無い。あんな森の中をズカズカ進んでいくようなことをしたく無い。大変だったなぁ〜。あの時は。

この調子で行けば次の村もすぐだろう。


……………………………………………………


甘かった。道がとんでもなく長い。一直線のはずなのに長い。疲れた。そういえば今日は歩き続けてたんだっけ。早いけど休もう。夕食はまた焼き肉だろう。今日は少し多めに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ