事件
事件は真夜中に起きた。
起きた時にはすぐに分かった。
外で「水を向こうに!」って叫んでた。
僕は光の神を叩き起こして、見に行った。
人が多い。だがわかる。空が赤くなっている。
「あ・・・」
「・・・マジかよ。」
僕と光の神は気がついた。
火事だ。
地図を譲ってくれたあの爺さんの家だ。
「まだ爺さんが出て来てねぇぞ!!」
急がないと。手遅れになる前に。
どうすればいい?どうすればいい?
光の神の能力でも熱いだろうか?
「ねぇ。」
「なんだよ。」
「光の神って力を使ってる時って熱さとか感じるんですか?」
「使ってる間は大したことは無いが多少はあるぞ。」
「・・・行きましょう。今すぐに中へ!!」
「だよな!」
僕たちはすぐに家に向かった。
「君!ダメだ!火が強すぎる!近づいちゃダメだ!」
「関係ない!!」
さらに強く言い返してやった。
まだごちゃごちゃ行っているがどうでもいい。中へ。
消火を試みる人達を押しのける。
「やめろ!入るな!」
フードを掴まれた。
こんな時に・・・。
上着をすぐに脱ぎ捨てた。
1秒でも早くしないと。
手遅れになる前に。
「いけますか?」
「突っ込め!」
目の前が暗くなる。
あの感覚だ。
それでも走る。
……………………………………………………
石の中だ。
ふぅ。あとは任せたよ。
神様。
なんだろうか。
石の中にいるとさっきまであんなに緊張してたのにのんびりした気分になる。
「あーあ。なんか平和だなぁー。」
「俺がこんなに頑張ってんのによぉ〜。酷いなぁ〜。」
「僕だってここまで全速力だったんですからね。」
ここまでは走ってきた。正確な距離はわからないが、多分1kmはあっただろう。
「いたぞ。」
「・・・死んでますか?」
「わからん。なんせ光の速さでうごいてんだから。」
「それもそうですね。」
「・・・担いでいくぞ。」
家が崩れたのは光の神が力を抜いた時だった。
「おい!君!大丈夫か?」
「僕よりこの人達を!」
「君も治療を。」
魔術師に回復魔術を使ってもらった。
性別は・・・わからない。
フードを深く被っていた。
まぁ、だいたい魔術師はこんな感じらしいからな。
とりあえず宿に戻ろう。
体がだるい。
魔力の使いすぎかな。
宿にたどり着き、ベットに潜った。
僕は泥のように眠った。
次は別の村に旅立たせよ。