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風呂は色々と大事

 身体を洗い二日分の汚れを取る。

 やはり一定の清潔感を保つと言うのは大事な事だとしみじみ感じる。

 頭も洗いさっぱりした所で湯船に浸かった。

「あ~・・・・。」

 身体が解れるのが分かり、声が出る。

 そしてこれまであった濃密な二日間を振り返る。

 俺がこの異世界に転移し、まず何を思ったのか。

 俺は異世界に不安を感じた。

 命のやり取りへの不安、異世界での常識での不安、道具の扱いその他諸々の不安。

 そしてその日神様と会い話を聞き、どうでも良くなり軽い気持ちで冒険者ギルドに入る。

 それで先ずは俺の一日が終わった。

 二日目、今日だが、気を取りなおしギルドへと向かうと、ゴブリンの討伐クエストを受けさせられた。

 ゴブリンを殺したことを思い出す。

 あのやっちまったと言う感覚は今でもハッキリと胸の中にはある。

 しかし、それ以上に残っているのは殺されそうになった時の記憶。

 ナイフと奴の歯が肩に食い込んで行く感触が脳裏から離れないでいる。

 恐らく俺は何処か舐めていたのだろう。

 異世界でのテンプレを信じ切って、ゴブリンは弱いと思っていたのだ。

 だから最初は余裕が有った。

 けれど今はどうだ、俺に余裕なんかは無い。

 ゴブリンを殺した事などどうでもいい位に、余裕が無くなっている。

(何がやっちまった感だ、何が命のやり取りをした事が無いだ、何が異世界の常識だ。)

 俺にそんな甘ったれた事を考える余裕なんかないじゃないか。

 怒りすら通り越し、自分に呆れてしまう。

 そんな自分が嫌になり、湯船に頭まで浸かる。

 生きよう、こんなうだうだ考えず兎に角生きよう。

 そんな反省をする一日だった。

 


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