言葉にならないもの。
今、私はフリースクールに通っています。
小学校の時に会ったイジメが原因です。スクールカウンセラーでも心が温まります。
でも、そんな簡単な話しではありません。
原因は1年前
いつものように、友達と教室でおしゃべりをして楽しんでいました。
誰かは忘れたけどその女の子が言った言葉が全ての始まり。
「菊花ちゃんってムカつくよね」
「そうだよね」
皆、口ぐちに言葉を合わせました。私もさすがに言わないとダメだよなと思い
私も言葉を合わせました。
すると教室のドアが開き、私達しかいないクラスメートが入って来ました。
それは、今言っていた女の子、菊花ちゃんでした。
菊花ちゃんは不快そうに、私達を睨んできました。
どうしよう…。そう言葉には出来ず後ろで肘で背中をつつき責任を押し合うことしか
出来ませんでした。
菊花ちゃんはクラスの中でも目立っていて思ったことはすぐ言うタイプでも
ありました。
「今、菊花の悪口言ってたでしょ?」
菊花ちゃんは不快そうに自分の席へ戻り周りのグループの子たちと話し
あっています。
その話してることは大体、読めました。
「悪口、始めたの誰?」
少し間があいた後に菊花ちゃんが言いました。誰と言われたら、私達のグループの
リーダー、心ちゃんでした。
でも心ちゃんは、立ち上がりチロチロと周りを見ると不安の余り下を向いている
私を指指しました。
「奏ちゃんだよ!」
ドキっとしました。違う…。違う…。
「違うよ…!!!」
少し大きな声が出ました。何も言いたくない。
「何、言ってんのよ。皆、奏ちゃんからだよね?」
ほらほらと心ちゃんが周りの子たちに合図をします。やはりいつもと
変わらず、皆はうんうんと同じ回答をしました。
「そうなんだ…。奏ちゃん、どうなってるか分かるよね…?」
心臓の心拍数が多くなって来ました。これからどうなるの…。何かを言いたくても
何も言えませんでした。
心ちゃん達は、いこ!いこ!と言ってその場を立ち去りました。
一人、教室に残された私は、心に深い傷が残り20分休みをぼーっと過ごしました。
いつも、仲良しだったのに。上辺だけの友達…か。
もう、何もなくなりました。
朝起き、重苦しくもキッチンへ向かいました。ママはいつものように
朝ごはんを作ってくれました。
―言えない
「ママ、おはよう」
そう笑顔で良い、洗面台へ向かいました。
鏡を見ると昨日は泣きじゃくったせいかクマも出来ており目が腫れていました。
裏切りや恐怖心などが重なり、死にたいという言葉が出て来ました。
カッターを引き出しから取り出しました。でも簡単に死ねるほど、死ぬのは
簡単なことでもありません。
死んだあとには、これで良いんだろうなんて思ってしまいます。
そんなことは忘れようと、水の水量を強にして顔を洗いました。それでいつも
友達と言うことを合わせるときに使う笑みを浮かべました。
でも、その笑みなんて思ってなくても自然に出てくる、癖みたいなものでした。
鏡に映る私は、矛盾、嘘、裏切りで包まれていました。昔、もう一人私達の
グループにも女の子がいました。
私は、闇に包まれた笑みを浮かべその子をいじめていました。先生に言われたとき転校しよう、と親から言われました。でもまだ、終わってはいない。
だけど謝る勇気など無い。
そう思い私は謝罪も反省も無く曖昧な気持ちへここへ引っ越してきました。
今になって分かります。なんで謝らなかったのかなって。
許してくれるまで、謝って、謝って。
その女の子の気持ちは今、分かりました。こんなにも友達という存在を
失ってしまうと惨めで、後悔して悲劇を舞うことを―。
その気持ち、イジメているときは分かりましたか?
なんて聞かれたら分かりませんとしか答えられませんでした。
そんなことを思いつつ、朝食を食べ終え、涙で滲んだスカートを履き家を
出ました。文壇は同学年の子はいなくて4年生で班長を務めていました。
なのに、今日は行く気になりませんでした。ママに休んで良い?と聞かれましたが
心を開くと後々昔、私がイジメていたことも全て分かってしまいます。
窓から外を見るとわいわいと同学年の子たちがいました。
出来れば近づきたくないと思い、人の気配が少なくなった後に家を出ました。
学校が少しずつ見えてきました。
校長が昔、
「この世にいじめなどあってはいけない」
とか言ってたけど、あるから…。皆が苦しむの。後悔して。泣いて。
そんな思い引きずって毎日、ここへきてるの。
校門をから入ると同学年の子が見えましたが今日は人の目線が気になるのか
下を向きました。
こそこそ、と私を見て笑う人や声がうす暗くなっていく人もいました。
教室へ入ると、わー!!と叫んだり、騒いだりして私から逃げる男子がいました。
―気にしない
そう思う一心で机へ向かいました。すると机にあったもの机の中にあるものは
全て悲惨に落ちていました。
小さくマイネームでバカや死ねなどをかかれていたようにも思えます。
小さくならバレないと思ってこんなことをしたんでしょうか。
椅子だけはちゃんと立っていたので座ろうと腰をかけると後ろから心ちゃんが
椅子を引き私は、こけてしまいました、たちまちクラスがどっと笑います。
心ちゃんもクスクスと笑っていました。
「な…んで」
心ちゃんも気にしているんじゃなかったの?昨夜泣かなかったの?苦しまなかったの?
「はぁ?なに言ってんの。誰もお前のことなんて好きじゃねーっつーの」
心ちゃんはそっけなくそう言い、私を蹴りました。
―なんでだろう
昨日は、仲良かったじゃん。
すると隅で笑っている菊花ちゃんを見つけました。
「昨日は、ごめんなさい」
そう言うと菊花ちゃんは無視をして、周りのクラスメートに
「やだ、きもいー」と言って逃げました。
その日が毎日続きました。
でも休み時間、必ずいない女の子がいました。双葉 奈々子ちゃん。
静かで大人しそうな女の子でした。でも奈々子ちゃんも私がイジメられていると
いうことは気づいていると思います。
今日では探すことができなかったけど、見つけ次第話しかけて
少しずつ仲良くなっていきました。休み時間はいつも奈々子ちゃんいる場所へ
行きました。
授業中は消しゴム投げられたり後ろから蹴られたりするけど、痛かったり
泣きそうになったりするけど。
今はそうでもありません。
私の隣に友達がいるからなのでしょうか?
自分からぐいぐい私の事をいじめる人はいなくなりました。
どんなことが合っても、奈々子ちゃんは裏切りませんでした。
いつも真っ直ぐ目をみてくれて。
今、私のような体験をしている、他人のことをいじめることを
快感に思っている方、もう一度考え直してみて下さい。
どちらも簡単なことではないです。でも必ず、奈々子ちゃんのような人が
現れます。
必ず答えはあります。




